使用できる材料と特性:造形材料・素材の特徴

3Dプリンターで利用できる素材には、スニーカーソールに使わるような柔らかいゴム素材から、製品の筐体にも利用できる強度のプラスチックまで、幅広いラインアップが存在します。素材によって「やわらかい」、「壊れにくい」、「熱に強い」などの様々な性質がありますが、全ての特性を兼ね備えたオールラウンダーな材料はないことから、利用目的に合わせた最適な素材選びが不可欠です。

ABS

ABS樹脂は電化製品の外装部品などにひろく使われている汎用熱可塑性樹脂です。剛性・耐衝撃性・疲労強度などのバランスがよく、塗装などの後加工もしやすいのが特徴です。

ABSが利用可能な造形方式

メーカー名 主な対応機種
Stratasys

F170F270F370Fortus 450mcF900

Raise3D

Raise3D Pro3/Pro3 PlusRaise3D Pro2 Raise3D E2

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ASA

ASAは、ABSのブタジエン成分をアクリレートに置換えた汎用熱可塑性樹脂で、基本特性はABSに似ています。ABS樹脂と比較して耐候性が改善されているため、屋外の使用により適しています。

ASAが利用可能な造形方式

メーカー名 主な対応機種
Stratasys

F170F270 F370Fortus 450mc F900

Raise3D

Raise3D Pro3/Pro3 PlusRaise3D Pro2 Raise3D E2

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PC-ABS

PC-ABSはエンジニアリングプラスチックとして電化製品や自動車部品などに一般に用いられています。PCの強度・耐熱性とABSの柔軟性を程よく兼ね備えています。

PC-ABSが利用可能な造形方式

メーカー名 主な対応機種
Stratasys

F370Fortus 450mc F900

Raise3D

Raise3D Pro3/Pro3 PlusRaise3D Pro2 Raise3D E2

出力サービス

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PLA

PLA(=ポリ乳酸)は植物由来の乳酸を重合して製造される汎用プラスチックです。熱収縮が小さいため造形不良が起こりにくく、FDM方式の3Dプリンターで初心者でも扱いやすい樹脂としてよく採用されています。機械強度や耐久性はやや劣ります。

PLAが利用可能な造形方式

メーカー名 主な対応機種
Stratasys

F170F270 F370Fortus 450mc F900

Raise3D

Raise3D Pro3/Pro3 PlusRaise3D Pro2 Raise3D E2

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Ultem

耐久・耐熱・耐薬品に非常に優れたスーパーエンジニアリングプラスチックです。3Dプリンターで製造された部品が航空機などの実用部品として採用されています。造形時の温度が高いため一部の上位機種でのみ使用可能です。

Ultemが利用可能な造形方式

メーカー名 主な対応機種
Stratasys

Fortus 450mc F900

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石膏

耐硫酸カルシウムを主成分とする無機物です。造形物の表面はザラザラで脆いため機能評価等に用いることは難しいですが、カラーで造形できる機種もあり、外観評価用の模型製作に向きます。

石膏が利用可能な造形方式

メーカー名 主な対応機種
3D Systems

ProJet® 660ProProJet® 860Pro

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ナイロン6

ナイロン12と同じ結晶性のポリアミドです。ナイロン12に比べ大幅に耐熱温度が高く、自動車部品等に用いられることが多いエンジニアリングプラスチックです。

ナイロン6が利用可能な造形方式

メーカー名 主な対応機種
Markforged

ONYX ONE / PROMARKTWO INDUSTRIAL Xシリーズ

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ナイロン11

ナイロン12と同じ結晶性のポリアミドです。ナイロン12に比べ、柔軟性が高いのが特徴です。ヒンジ形状など、大きな変形が必要な部品により適しています。

ナイロン11が利用可能な造形方式

ナイロン12

ナイロン12(=ポリアミド12、PA12)は機械部品等によく使用される結晶性の熱可塑性樹脂です。強度・靭性・耐摩耗性に優れ、柔軟性もあるので形状の工夫によりバネ機構などにも応用できます。

ナイロン12が利用可能な造形方式

光硬化性樹脂

マテリアルジェッティングや光造形で使われる光硬化性樹脂には様々な特徴をもったものがございます。透明度が高いもの、フルカラーに対応したもの、ABSライクやPPライクと呼ばれるある程度の強度があるもの、ゴムライクと呼ばれる柔軟性の高いもの、などです。

材料によりますが、紫外線や湿気・熱により変色や変形などの劣化が起こる点は注意が必要です。

光硬化性樹脂が利用可能な造形方式

ポリカーボネート

ポリカーボネート(PC)はエンジニアリングプラスチックの中でも特に耐久性に優れた材料です。精密機器や自動車部品などによく使われています。耐熱や耐候性にも比較的優れたタフな材料です。

ポリカーボネートが利用可能な造形方式

メーカー名 主な対応機種
Stratasys

Fortus 450mc F900

Raise3D

Raise3D Pro3/Pro3 PlusRaise3D Pro2 Raise3D E2

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ポリプロピレン(PP)

柔軟で強度が高い汎用プラスチックです。折り曲げに対する耐性が強い点が特徴です。酸・アルカリ・油などの薬品に対して優れた安定性を持ちます。

ポリプロピレン(PP)が利用可能な造形方式

メーカー名 主な対応機種
Raise3D

Raise3D Pro3/Pro3 PlusRaise3D Pro2 Raise3D E2

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ワックス

高熱をかけると容易に融解する樹脂です。ロストワックス法に用いる鋳造型の雄型など、材料を置き換えて最終製作物とする用途に使用します。

ワックスが利用可能な造形方式

メーカー名 主な対応機種
Formlabs

Form3

3Dプリンターに関するよくある質問

3Dプリンターの情報を集め始めると、様々な疑問が浮かんでくる方も多いかもしれません。 ここでは、3Dプリンターに関するよくある質問をご紹介したいと思います。

  • Q
    3Dプリンターの価格はどれくらいですか。
    A

    弊社アンケート結果によると、100万円~500万円の価格帯の商品を導入している企業が多いようです。
    3Dプリンターは10万円以下のものから5,000万円以上のものなどその価格帯は非常に幅広いです。
    3Dプリンター導入企業293社にアンケートを取った結果としては100万円~500万円の3Dプリンターを導入している企業が約半数を占めていました。
    ※調査資料は以下より無料でダウンロードいただけます。

  • Q
    どのメーカーが一番人気ですか。
    A

    世界シェアNo.1はストラタシスですが、国内においてはメーカーの偏りが見られません。
    3Dプリンターといえば、ストラタシス、3Dシステムズが二強と言われていますが、3Dプリンター導入企業293社にアンケートを取った結果、国内においては1メーカーに偏っている、といった結果にはなりませんでした。
    自社でどの様な用途で活用するのか、といった点を明確化し、それに合った3Dプリンターを導入することが重要と言えそうです。
    ※調査資料は以下より無料でダウンロードいただけます。

  • Q
    それぞれの素材の強度や精度はどれくらいですか。
    A

    出力方式によって異なります。
    3Dプリンターは素材・材料と出力方式の組合せによって、様々な強度や精度を出力することができます。

    造形材料・素材の物性一覧はこちら

    試作品として用いられることが多い3Dプリンターの造形物ですが、最終製品に求められる品質を実現することも可能で、医療機器や自動車などの部品として造形物が使われていることもあります。
    リコーでは、3Dプリンターの技術者がご相談を承る展示ルームをご用意しています。
    豊富な造形物や、実際に3Dプリンターが動いている様子もご覧いただけますので、是非お越しください。

    3Dプリンター体感空間Ricoh Rapid Fab 詳細はこちら