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前回「使いやすさの評価は自分でするのが一番確実なのでは?」というお話で終わりました。これは連載全体を通じてのテーマでもあるので、詳しく扱っていきたいと思います。
ここで問題になるのは、本当に使いやすさの良し悪しを一般のユーザー(利用者)が判断するなんてことができるのか?ということです。世の中には製品のユーザビリティー(使いやすさ)評価や改善を専門とする専門家がいます(まぁ、私も一応その端くれを名乗っています)。専門家がいるからにはそれなりの特殊な技能や知識が必要で、一般のユーザー、しかも機械操作が苦手な人ができる訳がない、と思われる方もいらっしゃるでしょう。
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| 問題 |
写真の携帯電話の画面デザインが、自分にとって充分な見やすさを備えているかどうかを吟味するのに、どのような専門知識が必要でしょう? |
私は、ユーザビリティーの専門家が業務として評価を実施するのと、ユーザーが自分にとって使いやすい製品を選ぶのとでは、視点が随分異なるのはないかと思っています。
■専門家の視点
開発現場でのユーザビリティー評価は主に改善を目的としたものです。やれ「製造コストを抑えろ」だの、「この新機能は一番のウリなので、もっと目立つところにボタンを配置してくれ」だの言われ、あらゆる選択肢の中から最適解を模索します。また、できるだけ多くの消費者に受け入れられるよう、万人向けの設計を心がけなければなりません。例えば文字サイズひとつとっても、できるだけたくさんの情報を詰め込みたいという一方で、視力にハンディがある人に対する視認性も確保しなければならない、といったジレンマがあります。そういった中で最適解を考えて行くためには、様々な専門知識が必要になります。
■ユーザーの視点
一方、ユーザー側の選択肢は各メーカーが提示した有限の候補の中からとりあえず最善なのを選ぶ、というものです。あらゆるユーザーが使えるか等を吟味する必要はありません。極論してしまえば「自分がわかりゃあいい」のです(家族で共有する製品の場合に多少視野を広げる必要はあるでしょうが)。
つまり、
| 答え |
視認性に関するガイドラインは、JIS規格などの公的なものから、各メーカーの社内基準まで様々ですが、ユーザーの視点から言えば、「自分が見えれば良し」。ケータイなので、家族が読めるとかもあまり気にする必要はないでしょう。正解は「特に不要」ということで良いと思います。 |
むしろ、専門家が参考にするために欲して止まないのがその「ユーザーの視点」です。開発者は自身の設計した製品について詳しいため、どうしても製品の難しさを客観的に眺めることができません。そのため、一般のユーザーを被験者としたモニターテストを実施したりして懸命にデータを集めようとさえします。

結局、使いやすさのための基準はあらかじめ自分の中にあるんです。それを平均化、一般化しなきゃならないのはメーカーさんです。自分で自分のために買う製品に関しては、自分の目を信じて、自分の尺度で選んでも良いのではないかと思います。
そうは言っても、購入前に店頭で全てが試せるワケでもないですし、それが目的ではないのであまり時間もかけたくはないでしょう。より短時間で効率良く吟味するために知っていると得なこと、というのは議論の余地があるかと思います。あまり前振りばかりでも退屈になってしまうので、そろそろ次回くらいから具体的な事例を交え、そういったお話をしていきたいなと思っています。どうぞお楽しみに。
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