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Main Content古田さん、それって使いやすいですか?

 

第20回 :
更なる使いやすさ実現のための基礎研究(1)

掲載日:2007年2月9日

 この記事が掲載される頃には、既に新しいWindowsやOfficeを体験された方も多いのではないでしょうか?それぞれ何年かぶりのメジャーバージョンアップであり、操作方法も随分様変わりした部分があるので、慣れるまでは大変かも知れません。より使いやすくするために改良された部分が、従来のものに慣れた人にとって障壁となってしまう、という ジレンマはいつでも付きまといます。最近、ご高齢の方が集うパソコンスクールを開いてらっしゃる方にお話を伺う機会があったのですが、やはりご高齢の方ほど変化に適応する力が弱いようで、いつもの「スタート」と書いたボタンは ??など大混乱のようですね。慣れてしまえばより使いやすくなっている部分もありますし、セキュリティ面も強化さ れているので、上手く乗り換えを支援する方法があればな、と思います。

 さて、今回は新世代のOS、オフィスソフトの登場を記念して、更に次世代のコンピューターやデジタル機器がどういった進化をし、どうしたらもっともっと使いやすくなるのか、ということに想いを馳せてみたいと思います。数あるユーザーインターフェイス(以下UI)の先端研究の中で、個人的に注目をしているものは大きく2つあります。1つ目はタンジブル&アンビエントという発想。2つ目は操作履歴を用いる研究です。

 1つ目のタンジブル&アンビエントという概念は、人間の五感を活用して日常の道具に近い感覚でコンピューティングをしよう、というものです。米MITの石井裕教授率いるタンジブル・ビット・グループが中心となって世界中で様々な試作が行われています。タンジブルとは「手で触れることができる」とか「実体がある」という意味です。現在のコンピューティングが何をするにもキーボードやマウスを使って、画面の中にあるものを間接的に操作している感覚が強いのに対し、もっと目的に応じて様々な入力機器を使い、より直感的に「掴んで動かせる」感覚を実現しようというものです。例えば沿岸地域に高層ビルを建てた時のビル風の影響をシミュレーションするのに、実際の地図の上でビルを模した模型を動かすことで、風の動きが地図に投影されるといったような技術が試作されています。

液晶画面の写真
図1 “重たい”ファイルのイメージ

 一方、アンビエントは、ユーザーが情報を受信する際にもっと自然で無意識的なチャンネルを活用しようとするものです。例えば、パソコンのハードディスクの回転音や車のエンジン音、振動などは通常ノイズとしてほとんど意識されません。しかし、そこに何か音に変化があるとトラブルの前兆として認知されます。そういった無意識的な情報伝達をもっと積極的に活用しようという動きがアンビエントUIです。例えばデジカメの写真はつい高画質で撮って何メガバイトもあるものをメールに添付してしまったりします。しかし、もしマウスでファイルをメールソフトにドラッグしようとする際に、やや動きが遅くなる(=重く感じる)なんて仕組みがあったらどうでしょう?あるいは、さも重そうにぶら〜んと揺れたりしたらどうでしょう?(図1
 単に一定値を超えたサイズの時に警告を発するだけでは、わかっている人には余計なお世話だと感じられるでしょう 。あくまでさりげなく、目に見えづらい情報を感覚的に伝えてあげるというのがアンビエントUIの考え方です。

 これらは私の大好きな研究なので、つい説明が長くなってしまいました。2つ目の履歴を活用した研究については次回にお伝えしたいと思います。どうぞお楽しみに。

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