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仕事で、先日アメリカで発売されて話題になったiPhoneを触る機会がありました。
画面効果が凝っていて非常に楽しいユーザー体験(第12回参照)を提供していました。例えば、メモを削除したい時は画面下のごみ箱アイコンを選ぶのですが、ただデータが消えるだけでなく、ごみ箱のフタが開いて、メモがスゥーっと縮まってごみ箱に吸い込まれていくアニメーションが表示されるんです(写真)。こういった演出はただ楽しいだけではなく、システムが行った動作をユーザーにわかりやすく伝える意味でもとても重要です。
通常、携帯電話やカーナビなどの組み込み機器では、こういった演出をするだけの余力がなく、例えば画面切替も単にパっと画面が変わるだけです。最近の携帯電話はマルチタスクといって一度に複数の機能を切り替えて使うことができるものが増えていますが、画面がパっと切り替わるだけでは、前に使っていた画面は裏に引っ込んだだけなのか終了してしまったのか区別がつきません。書きかけのメールがあった時などには不安になりますね。もし、裏に行く時は画面がパタンと裏返るような演出、終了する時はだんだん小さくなっていくような演出がかけられていたらどうでしょう? こうした演出効果、例えば文字で「メール画面はまだ裏で待機中です」と知らせるのに比べてユーザーの負担は少ないので、「必須ではないけど把握していると良い」情報の伝達手段として非常に有効です。
こういったインターフェイスの演出効果が進んでいる分野はゲーム機です。なにをするにも小気味の良い効果音が鳴ったりしますね。逆に選択できない項目を選ぼうとすると「ブー」と鳴ったり。これが携帯電話だと単一の音しか使えないので、OKなら「ピッ」ダメなら「ピピピッ」という程度の鳴り分けだったりします。「ピピピッ」よりも「ブー」の方が、文化的な学習でNG感が伝わりやすい分、理解は容易でしょう。
iPhoneは、携帯電話としては珍しく、処理能力の限界や電池節約の観点から省略されがちなこういった演出効果をしっかりと、しかもセンス良く楽しげに搭載しているところに感心しました。技術的に色々と負荷が高いのは承知していますが、今後、携帯電話、デジカメ、カーナビといった機器でもこういった「システムの動作や状態をユーザーにフィードバックするためのさりげない演出効果」が浸透していって欲しいものです。
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