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モデルNP40J-70J ATA/ATAPI CD-ROMからのブートについて


1999年03月 (第1版)

このファイルは、PCカード経由でATAカードまたはATAPI CD-ROMカードからオペレーティング・システムを起動(ブート)する方法、および注意点について記述されています。




* 1. 概要
* 2. サポート仕様
* 3. 動作確認機種

1. 概要

これまでオペレーティング・システムを起動(ブート)できる装置はフロッピーディスク・ドライブと内蔵ハードディスクしかありませんでしたが、最新のフラッシュROM(BIOS)ではPCカード経由でATA(ハードディスク)またはATAPIインターフェイス(ATA Packet Interface)のCD-ROMドライブからもブートできるようになりました。これらはフロッピーディスクと比べて大容量でしかも着脱可能ですから、カートリッジ感覚でオペレーティング・システムを入れ替えるのに適しています。特にCD-ROMドライブからのブートはPCカード サポート ソフトウェアなしでオペレーティング・システムを導入できるという点で便利です。

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2. サポート仕様

2.1. 始動オプション
ATAまたはATAPI CD-ROMからのブートはFn+F1の「装置構成ユーティリティ」の「始動オプション」で設定します。BIOSは「主始動デバイス」、「第2始動デバイス」、「第3始動デバイス」の順にブートを試み、最初に見つけたデバイスからブートします。始動デバイスの選択肢は「ディスケット・ドライブ」、「ハードディスク」、「ATA(PI) PCカード」、「非動作」です。「非動作」はブート順序の最後を表すので「非動作」以降のデバイスが無視されることにご注意ください。但し、先頭の「主始動デバイス」で「非動作」が選択されるとデフォルト(既定値)の「ディスケット・ドライブ」、「ハードディスク」の順序でブートを試みます。尚、始動デバイスとして使用できる「ATA(PI) PCカード」は16ビットのATA/ATAPI PCカードが1枚だけです。2枚以上装着されていてもスロット番号の若いほうだけが使用されます。また、カードバスPCカードやSCSIタイプのCD-ROMカードはサポートされませんのでご注意ください。

2.2. ATA(PI) PCカードの初期化
「始動オプション」で「ATA(PI) PCカード」がブート順序のどこかに設定されていると、BIOSはPCカード・スロット1(手前上段)、スロット2(手前下段)、スロット3(奥)の順に走査し、最初に見つけたATAまたはATAPI CD-ROMカードを初期化し使用可能にします。このとき、ATAカードでは画面に次のようなメッセージが表示されます。

Press ESC for fast POST
Press F1 for Configuration/Setup

640 KB Base Memory
31744 KB Extended Memory

ATA Base Address : 170

この画面はATAカードがI/Oアドレスの170h-177h、376h-377hで使用可能であることを示します。割り込み番号は常にIRQ15です。ATAPI CD-ROMカードでは"ATA Base Address"の代わりに"ATAPI Base Address"と表示されます。ここで、画面に表示される16進数(上画面では"170")をBaseAddressとすると、実際に使われるI/Oアドレスは次の範囲になります。

  BaseAddressからBaseAddress+7まで、BaseAddress+206hからBaseAddress+207hまで

このI/Oアドレス範囲は一度使用可能にされると本体の電源をオフするまで有効です。次に、BIOSはそのPCカードをBIOSの管理下に置くため、そのカードを制御するPCカード・コントローラがオペレーティング・システムから見えないようにロックします。これは、Microsoft® Windows® 95/98などがPCカードをブートデバイスとして取り扱うことができず、オペレーティング・システムをロードしている最中にPCカード・コントローラをかまわず初期化するので、ブートデバイスが見えなくなり途中でハングするからです。このロック機構のため、1つのPCカード・コントローラで制御する手前の2段スロットでは、どちらかのスロットがブートに使用されるともう一方のスロットが使用できません。従って、TypeIIのPCカードは奥のスロットで、手前スロットは物理的に2スロット分を占有するTypeIIIのPCカードでご使用いただくことをお勧めします。これ以後、PCカードという特殊性がなくなり、標準的なATA/ATAPIデバイスとして見えるようになる点で取り扱いが楽になりますが、ブートしたオペレーティング・システムを終了するまで抜き差しできなくなります。サスペンドやハイバネーションは可能です。

2.3. ブート後のドライブ割り当て
ブート後ATA/ATAPIカードがどのドライブに見えるかは、どのデバイスからブートしたかによって変わってきます。下表にブートデバイスとDOSから見たドライブ名を示します。表中、"FDD"はフロッピーディスク・ドライブ、"HDD"はハードディスク、"ATA"はATAカード、"CD-ROM(xxx)"はATAPI CD-ROMカードからブートを示し、"(FD)"はCD-ROMがフロッピーディスク・エミュレーション、"(HD1またはHD2)"はハードディスク・エミュレーション、"(NON)"はエミュレーションなしである場合を表します。Windows® NT4/NT5 CD-ROMはエミュレーションなし、Windows® 98 CD-ROMやLinuxのブータブルCD-ROMはフロッピーディスク・エミュレーションです。

ブートデバイス ドライブA: ドライブB: ドライブC: ドライブD:
FDD FDD なし(FDD) ATA HDD
HDD FDD なし(FDD) HDD ATA
ATA FDD なし(FDD) ATA HDD
CD-ROM(FD) CD-ROM FDD HDD なし
CD-ROM(HD1) FDD なし(FDD) CD-ROM HDD
CD-ROM(HD2) FDD なし(FDD) HDD CD-ROM
CD-ROM(NON) オペレーティング・システムに依存

ATAカードはハードディスクですので、ブートするためにはディスク区画情報が書き込まれていなければなりません。通常、ATAカードはディスク区画情報が書き込まれてから出荷されますが、万一ご使用中にディスク区画情報が壊れてしまった場合にはFDISK (ディスク区画設定ユーティリティ) を実行する必要があります。この場合、FDDからブートするとATAがドライブC:に見えます(上記表の最上行を参照)ので、内蔵ハードディスクと同様にFDISKを実行することができます。FDISKはDOS/Windows® の一般的なユーティリティで、これ以外に特別なユーティリティは必要ありません。尚、FDISKを実行する際には実行先がATAであることを十分確認してください。誤ってハードディスクに対して実行してしまうとファイルがすべて消失してしまいますので十分ご注意ください。

2.4. ブート可能なPCカード
BIOSは以下の条件を満たすPCカードを初期化し使用可能にします。
  16-bit PCカードであること。(カードバスはサポートされません)
  ATAタイプのI/Oアドレス範囲をもつこと。(上記のBaseAddress式を参照ください)
  標準的なPCカード手順に従って使用可能にできること。(独自手順が必要なPCカードはサポートされません)
  ATAカードはI/Oアドレス範囲が170h-177h,376h-377hであること。
  CD-ROMカードはATAPIタイプでSSF-8020i仕様で定めるATAPIのIDが取得できること。

CD-ROMカードはATAPIタイプとSCSIタイプに大別されますが、一見しただけでは区別できません。PCカード添付のマニュアルでご確認いただくか、メーカーにお問い合わせください。ATAカードではこのような種類の違いはありません。

2.5. ブート可能なATA
以下の条件を満たすATAからブート可能です。
  アクティブなディスク区画(ブート可能なディスク区画)が正常に設定されていること。
  ブート可能なオペレーティング・システムが導入されていること。

2.6. ブート可能なCD-ROM
以下の条件を満たすCD-ROMからブート可能です。
  "El Trito"ブータブルCD-ROMフォーマット仕様であること。(ブータブルと言えば通常はこれを満たしています)
  導入されているオペレーティング・システムが、BIOSが使用可能にしたATAPI I/Oアドレスをサポートしていること。

ATAPIタイプのCD-ROMドライブをパソコンに内蔵する場合、通常マザーボードのハードディスク・インターフェイスに接続します。このインターフェイスのI/Oアドレスと割り込み(IRQ)は、事実上次の2種類しかありません。

1F0h-1F7h, 3F6h-3F7h, IRQ14
170h-177h, 376h-377h, IRQ15

このため、オペレーティング・システムのATAPIのドライバーの中にはこれら2種類のI/Oアドレスしか認識できないものが多く見受けられますので、ブート直前に"ATAPI Base Address : 170"以外の数字が表示された場合は注意が必要です。(I/Oアドレス1F0hは本体内蔵のハードディスクで使用していますので、PCカードでは使用できません)弊社の確認では、Windows® NT5 CD-ROMはPnP BIOSからI/Oアドレスを取得するので、どんなI/Oアドレスでも認識できますが、Windows® 98/NT4やLinuxのCD-ROMは通常"170h"しか認識できません。詳しくは動作確認機種のセクションをご参照ください。

2.7. 使用上の注意点
以下に使用上の注意点を示します。
  「装置構成ユーティリティ」「デバイスの設定」「PCI割り込み」で「IRQ15」が選択されているとATA(PI)ブートはできません。
  ブートしたPCカードのコントローラはBIOS管理下に入るのでオペレーティング・システムから見えません。
  システム動作中にブートしたPCカードの抜き差しはできません。
  システム動作中にブートしたPCカードのBIOSパワーマネージメントは行われません。
  サスペンド/ハイバネーションはサポートされますが、ブートしたPCカードがレジューム時に装着されていなければなりません。
  ハイバネーションは常に本体内蔵のハードディスクに対して行われます。
  ATAカードは本体内蔵のハードディスクに比べて転送速度が劣ります。
  CD-ROMカードはATAPIタイプしかサポートされません。
  ATAPIタイプであればDVD-ROMCD-RCD-RWドライブでも使用できる場合があります。
  ATAPIのI/Oアドレスが170h-177h,376h-377hでない場合、CD-ROMブート出来ない場合があります。

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3. 動作確認機種

弊社で確認したATAカードの動作確認結果を下表に示します。確認した限りにおいては、どのATAも正常にブートできました。

ベンダ/モデル/名称 タイプ I/O DOSブート確認結果
Integral Peripherals VIPER(tm) 260MB ATA 170
IBM Intelligent Flash Memory 5MB ATA 170
IBM Solid State File 30MB ATA 170
ADTX Value Card AX-SSF-03 3MB ATA 170
SunDisk CompactFlash(tm) 10MB ATA 170
Callunacard PCMCIA TypeIII ATA Card 1040MB ATA 170
PCM250AM PCMCIA 2.5" HDD + 1GB HDD ATA 170

弊社で確認したCD-ROMカードの動作確認結果を下表に示します。ATAカードと異なりCD-ROMカードではI/Oアドレスが問題になります。一部のオペレーティング・システムを除いて、I/Oアドレスが"170h"以外ではブートできませんでした。

ベンダ/モデル/名称 タイプ I/O CD-ROMブート確認結果
Windows®
98
Windows®
NT4
Windows®
NT5 Beta2
Live Linux
Lite 1.0
*1
Plamo Linux
1.2
Turbo Linux
3.0
IO-DATA CDP-FX24/CBIDE 24X CD-ROMドライブ ATAPI 180
PIONEER PCP-PR24A 24X CD-ROMドライブ ATAPI 180
SONY CRX50A CD-Rドライブ ATAPI 180
Panasonic LK-RV8171D 2X DVD-ROMドライブ ATAPI 180
NOVAC NV-DV2200 2X DVD-ROMドライブ ATAPI 170
Panasonic KXL-808AN 20X CD-ROMドライブ*2 ATAPI 190 × × × × × ×

BIOSからのブート、オペレーティング・システムのブートとハードディスクへの導入ができました。
カーネルオプションを指定するとオペレーティング・システムがブートできました。
BIOSからのブートだけが可能で、オペレーティング・システムがCD-ROMドライブを認識できませんでした。
× まったく認識しませんでした。

*1   以下の手順でカーネルオプションを指定するとブートできます。
1.   CD-ROMからブート時にShiftまたはAlt+CapsLockキーを押します。
2.   "LILO boot:"と表示されますので、"cd ide2=0x180,0x386,15"と入力します。(0x180はATAPIのI/Oアドレスです)
*2   このドライブは標準的なPCカード手順で認識できませんでした。

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