リコー製品のここが知りたい
「ジェルジェット」という名がついた理由は
「ジェルジェットがインクジェット方式の常識を変えることができたのは、新しいインクの開発に寄るところが大きい」と西岡は言う。インク開発スタッフは、普通紙にきれいに、早く印刷するという課題をクリアするためにGELJETビスカスインクを生み出した。「染料インクは水分が多く、普通紙だとにじんでしまいます。一方従来の顔料インクは紙に付着した後、乾きが遅く、高速に印刷することができません。GELJETビスカスインクは、紙に付くなりGEL化し乾燥。普通紙でもにじまず、すぐに乾くため高速両面印刷も可能です」。インクタンクの中では液状なのに、プリンターヘッドから飛ばされて紙に付着するとGEL化し、乾燥するという不思議な性質を持つインクなのだ。

「また、プリンターヘッドの開発スタッフが、粘度特性の高いビスカスインクに最適なプリンターヘッドを生み出してくれたことで、速くて高画質なプリンターが実現できました」と西岡は言う。プリンターヘッドは1.27インチという従来にない大幅サイズで一度に印字する面積をアップし高速化を実現。また、レーザープリンターなどで使用されている静電吸着ベルトを採用し、高速・高精度の紙送りが可能になった。その速さと美しさには誰もが目を見張った。おのずと出てきた言葉は「これは、今までのインクジェットプリンターの概念を超えるよね」――「ジェルジェットプリンター」という名が付けられたのはこのときだった。
「ランニングコストの低減」と「コンパクト」にもこだわり

「ビジネスで求められる機能とは、にこだわりました」
(長田武人)
普通紙でもキレイ、速いという特長だけでなく、ビジネスで使うための仕様を盛り込んだ。「インクカートリッジを大きくしてすぐにインクが切れないようにしました」と説明するのは、西岡とともにジェルジェットプリンターの企画を推進する長田武人。従来のインクジェットプリンターのカートリッジはプリンターヘッドと一緒に紙の上を往復するが、カートリッジを大きくしたジェルジェットプリンターでは、カートリッジはプリンターの前面に配置し、ヘッドの上には小さなインクタンクを置いた。「その結果、カートリッジの交換は前面パネルを開けるだけの簡単なものとなり、また、インクカートリッジ内のインクが空っぽになってもヘッド上のタンク内にインクがあるため、カートリッジのインクを完全に使い切ることができるようになっています」と言う。
インクカートリッジも用紙も前面から補給できるため、プリンターの上部を開け閉めする必要がなくなり、天面をフラットにすることができた。長田は「発売後に寄せられたお客様の声で意外だったのは、プリンターの上の空間を利用できることが大変好評だったことです」と言う。「『コンパクトサイズ』はどうしてもゆずれない仕様でした。私たちは、オフィスのプリンターとして、デスクサイドに置き、すぐに出力できるプリンターにしたかったからです」――デザインスタッフとも検討を重ね、天面がフラットで袖机の上にも置けるコンパクトさを実現したのだ。

用紙補給、インク交換、プリンター設定操作などすべて前面で操作できます

スペースを有効活用できるよう、上部にモノが置けます
こうしてまず第一世代のジェルジェットプリンター「IPSiO G505/G707」が、2003年11月発売された。
- ジェルジェットプリンター 「IPSiO GXシリーズ」