■■■============================================================■■■ □■□     IBMプリンター友の会からのお知らせ−Vol.13 ■□■      http://www.ibm.com/jp/printer/ ■■■============================================================■■■ <<< 目次 >>> 1. IBMプリンターの基礎知識 ★PAGESと5577(その二) 2. AFPプリンターの基礎 ★連載第十回 ■====================================================================■ ■ PAGESと5577(その二) ■ ■====================================================================■ ●前回は、IBMのPCプリンターの「コマンド」の集合に"5577モード"と"PAGES"がある ことをお話しました。今回は、その内"5577モード"のことを少し詳しくお話します。 ●覚えている方もいらっしゃると思いますが、1983年に日本IBMは「1台3役」と銘打っ て、亡き渥美 清さんのコマーシャルと共に"5550マルチ・ステーション"を世に出しま した。CPUもまだ"8086"でした。この時に専用プリンターとして出たのが"5553" プリンターで、IBMで初めての小型の漢字プリンターです。 ●この"5553"プリンターの持っていたコマンドが、"5577モード"の始まりです。 つまり、この"5553"のコマンドを元にコマンドを追加してきて今の"5577モード"が できています。"5553"時代のコマンドは、「ベル」X'07'、「後退」X'08'、「改行」 X'0A'、「書式送り」X'0C'等の1バイト系の基本制御コードと、それに追加のエスケープ ・コマンドからできていました。 ●「エスケープ・コマンド」とは、1バイトの基本制御コードで足りない追加コマンドを データと識別するために、X'1B'を先頭に付けたことによります。例を上げると、 「180dpiイメージ・データ設定」X'1B 25 31 n1 n2'、「可変行送り」X'1B 25 35 n1 n2'、「両方向印字モード設定」X'1B 25 42'、「片方向印字モード設定」 X'1B 25 55'等があります。ご覧になっていただくとお分かりになるように、コマンドの 長さはまちまちです。5550シリーズの時代は、基本的に印刷データは、 「180dpiイメージ・データ設定」コマンドを使った、イメージ方式でした。 つまり文字も、図形も180dpiのイメージ・データ(ドット単位のON/OFF)が 5550側で作られて、プリンターはそれをそのまま印字していました。 ●IBMの中では、全く日本独自仕様だった"5550"シリーズから、ワールド・ワイド標準の "PS/2(パーソナル・システム/2)を日本語化した「PS/55シリーズ」に変わったのは、 1987年でした。この時、DOSもそれまでの「漢字DOS」から「J-DOS(日本語DOS)」に 変わりました。その結果、プリンターにとって大きく変わったのが、文字が文字コード で送られ、プリンターはコードに対応した内蔵フォントを使って印字するようになった ことです。他にパラレル・インターフェイスの仕様も変わりました。 ●イメージ・データで送られる時は、電気ノイズ等の影響で、万が一途中でビット単位で データが間違っても、印字結果に大きな影響は出ませんが、文字コードで送られてくると、 1ビットでも間違って送られてくると、全く異なった文字コードとなり、異なった印字を 印刷してしまいます。そこで確実なデータ授受のために「3バイト転送モード」という 送り方が考え出されました。これは、一つの印字データを少しずつ決まった方法でわざと 変化させて3回プリンターに送り、プリンターはその決まった方法で3回のデータを元に 戻し、比較してもし違ったデータがあった場合は、2回同じだった方のデータを正しい ものと解釈して印字するというものです。 ●この時、それまでのものに対して更にコマンドが追加されましたが、追加されたものは 定義の方法が少し変わりました。「拡張コマンド」と呼び、X'1B 7E'が先頭に付くことと、 その後に長さフィールドが付いて、コマンドの種類に関係なく長さを特定できるように なりました。例えば「文字スケール設定」は、X'1B 7E 20 LEN n1 n2 n3'となっていて、 "LEN"が長さを指定しますが、この場合は3バイト(n1 n2 n3)固定なので、LENは X'0003'となっています。どのようなコマンドが他にあるかは、557Xプリンターの 設置・操作ガイドの巻末に記載されています。 ●その後、1997年に発表/出荷された5577-T02/S02や、5573-L02/K02/J02では、 バーコード・コマンドやキャラクター・モードのコマンドが追加されています。また、 以前にお知らせしたように、最近の5579-K02でもそれらのコマンドが追加されています。 ●このようにして、従来機との互換性を保ちながら、インパクト・プリンターは機能が 拡張されて、いろいろなご要望にお応えしてきています。次回は"PAGES"についてお話し いたします。 >>次号へ ■====================================================================■ ■ AFPプリンターの基礎(第十回) ■ ■====================================================================■ ●今まで、AFPプリンターへ出力するには、各種AFP資源が必要であることをお話して きました。何らかの出力を得るためには、最低でも1つの「FORM定義」と「PAGE定義」が 必要になります。 ●一方、AS/400環境の場合は、出力のための独自の方法、 ・PRINTファイルで指定する ・DDSを使用する ・PAGEDEF/FORMDEFを利用する ・APW書式を変換する を持っていてることもお話しました。 ●前回は、AFPをより有効に活用するためのS/Wについてご紹介しましたが、今回は その中の"WPM"について詳しくご紹介したいと思います。 ●現在、AFPプリンターをお使いいただいている全てのお客様にとって、 「帳票の電子化」を行う際にIBMがご提案する唯一の解決策、それがWPM (ワークステーション・プリント・マネージャー)です。既に多くのお客様に ご利用いただき、紙・場所・時間を削減してコスト削減と生産性向上を実現して いただいています。 ●WPMは次のフィーチャーから構成されています。 ☆WPMエミュレーター(WindowsNT、OS/2対応):AFPプリンターの代わりにPSFからの IPDSデータを受けて、通常のPCプリンターへ出力したり、WPMビューアー用の ファイルとして保管したりします。 ☆WPMビューアー(Windows3.1/95/98/NT、OS/2対応) ファイルとして保管された帳票をPC上で表示ができることはもちろん、PCプリンター への出力・検索・検印・マーカー付け・ファイル出力等を行うことができます。 ☆CD-R自動出力プログラム(WindowsNT-Workstation対応) WPMビューアー用として保管された帳票ファイルを、専用のCD-Rライター(VLH製品) を使って、CD-Rの自動出力して無人化を達成するプログラムです。 ●電子帳票化とは?  現行の法人税法などでは、税申告に伴う、帳簿、書類、損益計算書などが、5〜7年間に 渡って紙による保管が規定されていました。しかし、1998年7月施行、1999年1月に適用 開始された ★電子計算機を使用して作成する電子帳簿書類の保存方法等に関する法律★ (電子帳簿保存法)により、所轄税務署に事前申請する(*1)ことによって、電子的に 保管することが可能となりました。WPMは、この電子帳簿保存法に対応した製品です。 電子帳票化により、紙・保管スペース・書類の配送コストなどが削減されますので、 会社としての経費節減にもってこいと言うことができるでしょう。 (*1)電子帳簿システムのみでなく、全ての処理系統が承認される必要があります。 ●WPMの特徴 ☆現行システムからの容易な移行 現在お使いいただいているホスト・システムを一切変更することなく、PSFのスタート ・プロシージャにおける出力先を、WPMエミュレーターが導入されたPCへ変更するだけ で、すぐにでも運用を開始することができます。 ☆AFPプリンターの出力そのままのイメージが画面上に WPMエミュレーターでは、フォントやオーバーレイなどはホスト側資源を使って イメージ化が行われるため、AFPプリンターの出力をそのまま画面上で見ることが できます。ホスト外字もホスト側で登録されているイメージを使用しますので、 別途クライアントPC側に登録する必要はありません。 ☆PCプリンターへ出力 AFPプリンターへの出力結果と同じものを、今お使いのPCプリンターで出力することが できます。 ☆スムーズな操作性 ビューアー上にて帳票イメージを見る際に、ページ内での操作性はもちろん、前後の ページへの移動も、新たに開発した「ビジュアル・ページ・スクローリング機能」 (特許出願中)によって、高速、かつ簡単になっています。 ☆電子帳簿保存法対応 電子帳簿システムとして、既に国税局により製品として承認済みですので、安心して お使いいただけます。 ☆多彩な検索機能と使える検索結果 表形式で表現されている帳票では、それぞれの項目ごとに検索条件を簡単に指定すること が可能です。また検索結果に関しても、一定条件にマッチした行のみを抽出表示/印刷/ ファイル出力することができます。 ☆保管期日指定による自動管理機能 ディスク上に保管されている帳票ファイルに対して、帳票ごとに保管期限の設定を行う ことにより、ディスク容量の自動管理を行うことができます。 ☆保管された帳票を自動的にCD-ROMへの書き出し可能 CD-R自動出力プログラムにより、CD-R内に納めることができる容量、あるいは保管したい 帳票単位ごとに仕訳した後、人手を介さないCD-Rへの書き出しはもちろん、そのCD-R内に 含まれる帳票情報をラベル面に書き出すことができます。 ☆CD-Rへの出力もビューアーにて直接参照可能 CD-R上に書き出された帳票は、WPMビューアーにより直接参照可能です。これにより、 ネットワーク接続されていない他のPC上でも、帳票ファイルの操作を行うことができます。 ●導入事例 今まで導入していただいてきたお客様先での、事例をご紹介しますので、ご検討される時の 参考になさってください。 ☆電子帳簿保存法対応による経費削減 ☆夜間バッチ処理による日次帳票などを各支店への配布 ☆表形式で表現された帳票の、未入力箇所のチェック ☆指定した検索条件と一致した行をCSV形式(カンマ区切り形式)でファイル出力すること により、表計算ソフトで2次加工 ☆検印・マーカー機能による複数人数での帳票内容の確認/回覧 ☆インフラが整っていない支店へCD-R化した帳票を搬送 ☆客先へのFAX出力(関連製品の購入が必要) ☆アウトソーシングされた帳票をCD-Rで納品 ☆紙ものとして出力する必然性のない情報の保存 次回は、AFPのアーキテクチャーについてご紹介いたします。 >>>次号に続く