■■■============================================================■■■ □■□     IBMプリンター友の会からのお知らせ−Vol.16 ■□■ ■□■      http://www.ibm.com/jp/printer/ □■□ ■■■============================================================■■■ <<< 目次 >>> 1. 新製品のお知らせ ★新製品"Infoprint Color8" 2. インパクト・プリンターとレーザー・プリンターを比較すると 3. IBMプリンターの基礎知識 ★PAGESと5577(その四) 4. AFP研修のお知らせ ★7月開催のお知らせ 5. AFPプリンターの基礎 ★連載第十二回 ■====================================================================■ ■ 新製品"Infoprint Color 8" ■ ■====================================================================■ ●5月30日(火)に、A4用紙用、小型カラー・プリンター"Infofoprint Color 8" (型式"4308-003")を発表しました。標準価格は、348,000円です。出荷開始は、 6月23日の予定です。 ●Infoprint Color 8は、その名前から分かるように、Infoprint20やInfoprint40 等のワーク・グループ・プリンターの仲間で、初めてのカラー・プリンターです。 その特徴は、 ☆高速性 "Infoprint Color 8"は、4連のLED印字ヘッドと4連のイメージ・ドラムによる 「単一パス・カラー印字処理」方式を採用したことによって、カラー印字の場合でも モノクロ印字の時同じ、8枚/分の紙送り速度となっていて、このクラスのカラー・ プリンターの中では、高速機になります。 また、コントローラー・カードのCPUにRISC 64ビット・プロセッサー MIPS R5000 200MHz を採用して、データ量の多いカラー印字データも高速処理します。 ☆高い印字品質 解像度は、600ドット/インチで1,677万色を再現します。また、標準添付のCDで 提供されている、カラー調整ユーティリティーを使用すれば、PCの画面から色調の 調整が、簡単に行なえます。 また、世界標準の"PostScript3"を標準でサポートしていて、この高解像度と PostScipt3によって、より美しくカラー印刷ができます。他にPCL5cもサポートして いて、専用ドライバーを使うことにより、このモードでも日本語印刷がカラーで 可能です。 ☆WEBサーバー搭載 前回お知らせした新製品"Infoprint 21"同様、オプションの高速100Base イーサネット・カードがWEBサーバーの機能を持っています。これにより、ブラウザー を使って、プリンターの設定ができたり、状況を表示することができます。 ●カタログのPDFファイルも含めてホーム・ページでご紹介していますので、一度ご覧 下さい。 ==>http://www.jp.ibm.com/printer/hardware/ipc8.html ■====================================================================■ ■ インパクト・プリンターとレーザー・プリンターを比較すると ■ ■====================================================================■ ●ご存知のように、レーザー・プリンターは低価格化が非常に進みましたが、 インパクト・プリンターは、然程ではありません。従ってインパクト・プリンターは 複写伝票を使う業務用のみを残して、レーザー・プリンターに代わっていっている というお客様が多いかと思います。 ●そのような状況に敢えて逆らって、ランニング・コストの観点で両者を比較して みると、意外なことが分かってきます。 ●いくつかの例を上げて、5年間の総ランニング・コストを比較してみました。 【例1】 タイプ インパクト レーザー 型式 IBM5579-K02 IBM Infoprint40 E社A3/40枚機 リース料 \477,204 \475,608 \475,608 保守費用 \240,000 \260,000 \170,000 消耗品費用 \45,440 \355,600 \390,000 ---------- -------------------------------------------------- 合計 \967,160 \1,091,208 \1,035,608 【例2】 タイプ インパクト レーザー 型式 IBM5577-T02 IBM Infoprint20 E社A3/20枚機 リース料 \341,544 \158,004 \126,084 保守費用 \132,000 \260,000 \170,000 消耗品費用 \45,440 \347,800 \408,000 ---------- -------------------------------------------------- 合計 \518,984 \825,654 \704,084 【例3】 タイプ インパクト レーザー 型式 IBM5577-S02 IBM5587-K02 E社A3/16枚機 リース料 \261,744 \142,842 \110,124 保守費用 \132,000 \156,000 \170,000 消耗品費用 \35,200 \270,000 \408,000 ---------- -------------------------------------------------- 合計 \428,944 \568,842 \688,124 ●算出条件 ☆リース料=標準価格x70%x1.9%x60ヶ月(利率1.9%) ☆消耗品費用算出のための想定月間印刷枚数 −例1:2,600枚/月 −例2:1,700枚/月 −例3:1,000枚/月 ●総費用で比較するとインパクト・プリンターの方が、経済的であることが ご理解いただけると思います。もう一度インパクト・プリンターを見直して みては如何でしょうか? ■====================================================================■ ■ PAGESと5577(その四) ■ ■====================================================================■ ●前回は、PAGESができる前の「5587-G01」での「拡張機能」について、お話しました。 ●前回お話したように、当時はDOSの時代で、レーザー・プリンターを販売している 各メーカーは、各社独自のレーザー・プリンター用コマンドを用意して、自社のものを 業界標準とすべく努力していました。ちなみにアメリカ等英語圏用のレーザー・ プリンターでは、ヒューレット・パッカード社の製品が多数売れたため、その規格で あるPCL(Printer Control Language)が業界標準となっていました。 ●さて、IBMでは5587-G01の後継機として、1990年に「5587-H01」を発売しました。 この時初めて「PAGES」というIBM独自のPCレーザー・プリンター用のコマンドを整備し、 5587-H01では「拡張機能オプションII」と称してPAGESをサポートしました。(PAGES の内、アウトライン・フォントに関する機能を含めたものは、翌年「アウトライン・ フォント・オプション」として発売されました。) ●同時に、以下のように発表しています。 「IBM は、今回発表の 5587-H01 印刷装置に搭載の『 PAGES(PAGE PRINTER ADVANCED GRAPHIC ESCAPE SET) 』を今後開発されるワークステーション漢字 ページ・プリンターにも搭載してゆく方針であることを表明いたします。 『PAGES』は、5587-G01 印刷装置の拡張機能との互換性を保ち、IBMのグラフィック・ アーキテクチャーに準拠したグラフィック・コマンドをもつものです。IBMは、 更に『PAGES』に将来アウトライン・フォント等の機能拡張を行う予定です。」 なお、ここで「IBMのグラフィック・アーキテクチャー」と言っているのが、「AFPの 基礎」でご紹介した「GOCA」そのものです。 ●「PAGES」で追加になったコマンドは、主に「アウトライン・フォント」関係のもの、 「グラフィックス」関係のもので、特に後者では、 −グラフィックス制御コマンド X'1B 7E A0 LEN...'と −グラフィックス・コマンド描画 X'1B 7E A1 LEN...'を使い、グラフィックス・ コマンド描画の中のコマンド列として指定する方式になっています。具体的には、 「直線」「パス内部の塗りつぶし」「円」「マーカー」「ベジエ曲線」等があります。 そして、コマンドの説明とサンプル・プログラムを記載した「PAGESコマンド解説書」 (注文番号:N:SA18-7268)というマニュアルも用意して、PAGESをサポートした アプリケーションを増やしていこうとしました。 ●その後PAGESのコマンドに、バーコード・コマンドやキャラクター・モードの機能が 追加され今日の姿となっています。念願のPAGESをサポートしたアプリケーションは、 IBM製品として「DOS文書」や「MultiPlan」「MultiChart」等が出ましたが、 その後、Windowsが出てきて、印刷データはプリンター・ドライバーが作り、 アプリケーションは、Windowsさえサポートしていれば、プリンターを直接サポート する必要が無くなって、各社独自のコマンド体系はほとんど意味がなくなってきました。 次回は、それでも知っておくと便利なPAGESのコマンドについて、お話します。 ■====================================================================■ ■ AFP研修−7月開催のお知らせ ■ ■====================================================================■ ●毎回ご好評をいただいている「AFP研修」を7月に開催いたします。皆様奮って ご参加ください。 ●会場:日本アイ・ビー・エム(株)箱崎事業所 8階研修教室 ●時間:9:30より ●日程:各1日単位別々の申し込みとなっております。 ☆7月12日(水曜日) <<AFP概説>> パソコンのプリンターとAFPプリンターの違いというところから、まず理解して 下さい。 <内容> 1.AFPとは 2.AFPの概念と印刷資源 3.AFPのS/W 4.応用使用例 ☆7月13日(木曜日) <> パソコンを使用して帳票の作成を行ってみましょう。 <内容> 1.AFPデザイナーの概要と使用法 2.帳票設計(演習)と印刷出力 ☆7月14日(金曜日) <> AFPフォントを理解した上で、オリジナル文字を作成してみましょう。 <内容> 1.フォントの概要 2.フォントの構造と使用法 3.ユーザー外字作成(演習) 4.最新AFPフォント情報 ●申し込みは日本研修サービスホームページ(http://www.jp.ibm.com/jes/index.html) よりお願いいたします。 ■====================================================================■ ■ AFPプリンターの基礎(第十二回) ■ ■====================================================================■ ●前回は、AFPのアーキテクチャー(基本構造)について、簡単にご紹介しました。 今回は、5A RECORDの構造についてご紹介いたします。 ●5A RECORDの構造 - -- --- - -- -------------- 5 QQ RRR X YY DATA......... A QQ RRR X YY | +---------+ +------------- | | | | | +---- パラメーター、該当の構造化FIELDのためのデータ | +-------------------- 構造化FIELDの接頭部 | BYTE数 説明 | X'QQQQ' 2 構造化FIELDの長さを指定 | (5Aを除き、DATA部の最後まで) | X'RRRRRR' 3 識別子、5A RECORDの種類はここで指定 | X'XX' 1 1BIT目がONの場合、識別子の拡張エリア | として使用されます。 | 通常はX'00'が指定されています。 | X'YYYY' 2 順序番号 | PSFは通常、このエリアをチェックしない | ため、ユニークである必要も、昇順に並 | んでいる必要もありません。 +---------------------------- 5A RECORDを表します。レコードの始めの1バイト 5A RECORDは上記のような構造で表現されます。 ●帳票のデザインをダイナミックに変更したい場合、特殊な5A RECORDを LINEDATA中に埋め込む必要があります。 使用頻度の高いものとしては以下のものがあります。 −IDM:PAGEFORMATを切り替えるための5A RECORD −IMM:COPYGROUPを切り替えるための5A RECORD −IPO:データを元にOVERLAYの印刷を指定するための5A RECORD −IPS:データを元にPAGE SEGMENTの印刷を指定するための5A RECORD −PTX:テキスト情報を生成するための5A RECORD (1)1つのJOBの途中でOVERLAYやデータの配置(MAPPING)を切り替えたい場合、 "IDM"と"IMM"を使用することで実現できます。1つのJOBに対して指定可能な FORM定義、あるいはPAGE定義は一つのみです。途中で切り替えるということは その一つしかない定義体の中に子供の定義を複数持たせ、それを切り替える ということになります。FORM定義の場合、子供の定義をCOPYGROUPと呼び、 PAGE定義の場合は、PAGEFORMATと呼ばれます。 (2)OVERLAYも帳票を組み立てるパーツの1つとして考え、1ページに複数の (パーツとして生成した)OVERLAYを指定したい場合、またその組み合わせが 常に一定ではなく、LINE DATAに依存する場合、 "IPO"と呼ばれる5A RECORDが有効です。 (3)今までの考え方では、PAGE SEGMENTは、OVERLAYの中で指定するのが通常の方法 でした。 PAGE SEGMENTが常に固定の場合は、この方法でよいのですが、データに依存して PAGE SEGMENTを変更したい場合、(例えば、サインをPAGE SEGMENTとして事前に 作成しておき、LINE DATA中の名前のFIELDに対応してPAGE SEGMENTを切り替える 場合)"IPS"が有効です。 (4)1LINE中に複数のフォントを指定したいが、そのデータの開始バイトが、LINEごとに 一定でないため、FIELD MAPPINGが利用できない場合、あるいは、浮動の罫線を 描きたい場合に"PTX"が有効です。 次回からはこれら4つの具体的な指定方法についてご紹介していきます。 <<訂正>>前回、MODCAを MIXED OBJECT DATA CONTENT ARCHITECTUREとご紹介しましたが、 MIXED OBJECT DOCUMENT CONTENT ARCHITECTUREの間違いでした。お詫びして 訂正いたします。 >>続きは次号へ