■■■============================================================■■■ □■□     IBMプリンター友の会からのお知らせ−Vol.26 ■□■ ■□■      http://www.ibm.com/jp/printer/ □■□ ■■■============================================================■■■ <<< 目次 >>> 1. IBMドット・コム・ダイレクトからPCプリンター販売 2. IBMリース・キャンペーンのお知らせ 3. グリーン購入法へのIBMプリンターの対応 4. ポストスクリプトの基礎 ★連載第三回 5. AFPプリンターの基礎 ★連載第二十二回(最終回) ■====================================================================■ ■ IBMドット・コム・ダイレクトからPCプリンター販売 ■ ■====================================================================■ ■====================================================================■ ■ 5577プリンター・IBMリース・キャンペーンのお知らせ ■ ■====================================================================■ ■====================================================================■ ■ グリーン購入法へのIBMプリンターの対応 ■ ■====================================================================■ ●この2001年4月1日より、「グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等 に関する法律)」が施行されました。これは、国等の各機関(国会や裁判所、中央省庁、 郵便局、自衛隊、特殊法人、独立行政法人など)に、環境配慮型製品(グリーン製品) を優先的に購入することを義務付けたものです。そして、国等の各機関が、率先して グリーン製品を購入することにより、地方公共団体、民間への波及効果をねらい、 循環型社会形成を促進することを目的としています。 (*グリーン購入法の詳細は、下記の環境省ホームページをご覧下さい。) URL=>http://www.env.go.jp/policy/green/index.html ●日本IBM製品では、コンピューター、磁気ディスク、プリンターが対象物品(*1)と されており、販売事業者の責務として次の事項が定められています。 −判断基準を満たすこと (コンピューターと磁気ディスクはエネルギー消費効率、プリンターは エナジースター基準) −3R(Reduce、Reuse、Recycle)が、物品の設計、製造、販売、廃棄で考慮されている こと −環境負荷把握に必要な情報提供に努めること (*1) 2001年度の全体の対象物品は、OA機器、文具、自動車など14分野の101品目と 役務(省エネルギー診断)。 ●通常オフィスで使用されるIBMプリンターの対応状況は、下記の通りです。 型番 低電力モードへ 低電力モード 古紙配合率100%の グリーン購入法 の移行時間(分) の消費電力(W) 再生紙に対応可能か? の基準を満たすか? 5584-K14 30 20 YES YES 5587-WIN 30 15 YES YES 5587-L20 30 15 確認中 YES 5589-K20 30 25 YES YES Infoprint20 22 YES YES Infoprint21 20.5 YES YES Infoprint40 33 YES YES Infoprint70 39 YES YES Inforprint Color8 37 YES YES 5573-J02 Not Applicable 10 YES YES 5573-K02 Not Applicable 10 YES YES 5573-L02 Not Applicable 15 YES YES 5577-S02 Not Applicable 35.9 YES NO* 5577-T02 Not Applicable 41.7 YES NO* 5579-K02 Not Applicable 40.7 YES NO* 注)*:Energy Star 適合の仕様変更を検討中 ■====================================================================■ ■ ポストスクリプトの基礎(第三回) ■ ■====================================================================■ ●前回は、PostScriptの歴史をご紹介しました。今回は、PostScriptで使われる フォントのお話です。 ●フォントには、大きく分けて「ビットマップ・フォント」と「アウトライン・ フォント」があります。ビットマップ・フォントが文字をドットの集合として記述 するのに対し、アウトライン・フォントでは、文字を直線や曲線を組み合わせた、 アウトライン(輪郭)として記述します。PostScriptフォントは、アウトライン・ フォントの一種です。そのため、文字の大きさが変わっても、出力機(プリンターや タイプ・セッター)の解像度に合わせて、ラスタライズ(イメージ化)された美しい 印字結果を得ることができます。 ●アウトライン・フォントには、もうひとつ"TrueType"という有名なフォント形式が あります。Windowsに標準でついている「MS明朝」や「MSゴシック」、またMacOSの 標準的な日本語システム・フォントである「Osaka」などもこの"TrueType"フォント です。TrueTypeフォントはもともと、Apple社とMicrosoft社が、Adobe社の "Type1フォント"(PostScriptフォントのひとつ:後述)に対抗して開発したもの でしたが、現在ではType1も仕様が公開され、TrueTypeと共存しているのが現状です。 日本では一般的に、個人やビジネス文書ではTrueType、商業印刷物ではPostScriptと いった使われ方が多いといえます。 ●Type1もTrueTypeも、アウトライン情報を数学的に記述するわけですが、Type1は 「ベジェ曲線」、TrueTypeは「2次スプライン曲線」という方式で描画を行ないます。 一般的にはType1の方が、曲線の記述そのものは複雑ですが、TrueTypeは、その分 制御ポイントの数が多くなると言われています。 ●アウトライン・フォントは、このように文字をグラフィックのように記述するため サイズに関わらず、美しい印字が得られます。しかし、文字が極端に縮小された場合 はどうなるでしょうか。単純な計算によってサイズを変換した結果、線の太さが0に なってしまったり、また同じ太さであるべき2本の線が、違う太さになってしまうと いうことが起こり得ます。このような事態を防ぐために、Type1もTrueTypeも 「ヒンティング」という付加情報をフォントに持たせて、補正を行なうようになって います。 ●PostScriptプリンターがフォントを印字する方式には、いくつかの場合があります。 まず、プリンターが内蔵しているフォントを使う場合です。PostScriptフォントは それ自体PostScript言語で書かれたプログラムでもあります。インタープリターは 最終的にはそれを処理して、ラスタライズするわけですが、この時、プリンター側に フォントを持っていれば、1つの印刷ジョブのデータ量は少なくなくてすみます。 またホスト側では、フォントの指定ができれば、フォントそのものは持っていなくても よいわけです。プリンターにフォントがない場合は、ホストからダウンロードする こともできますが、日本語のPostScriptフォント製品の場合、ライセンス上、 出力機側のディスクにあらかじめインストールしておく方式が、一般的です。 ●通常、ワープロなどで作成した文書をオフィスで印刷する場合、 PostScriptフォントを使うケースは、少ないと思います。選択しているプリンター・ ドライバーによっては、アプリケーション上で、プリンター搭載フォントを選択できる 場合もありますが、多くの場合は、WindowsのMS明朝/ゴシックをはじめとした TrueTypeフォントを指定しているのではないでしょうか。その場合、ドライバーが TrueTypeフォントを処理して、PostScriptのRIPが処理できるようにする必要が、 あります。 ●WindowsにインストールしたPostScriptプリンターのプロパティを見ると、 フォントに関する一連の設定があり、TrueTypeフォントの処理方法についての項目が あるはずです。細かい部分はドライバーの種類やバージョンによって異なりますが、 多くの場合送信形式として「Type42」、「アウトライン」、「ビットマップ」、 「送信しない」のいずれかを選択するようになっています。Type42形式というのは、 TrueTypeをPostScriptに組み込めるようにラッピングした形式です。 ●「フォント置き換えテーブル」を利用できる場合は、Windowsのフォントと プリンターに搭載されているフォントを関連づけて、細かい置き換えの設定を行なう ことができます。 >>次回もフォントの続きです。 ■====================================================================■ ■ AFPプリンターの基礎(第二十二回) ■ ■====================================================================■ ●前回から、PTXと呼ばれるRECORDについてご紹介しています。PTXとは Presentation-TEXT Dataの略であり、PTOCA(Presentation Text Object Content Architecture)と呼ばれる、"テキストに関するアーキテクチャー"を実現する RECORDでした。例えば、1LINE中でフォントを2種類以上使用したい場合などに、 非常に有効です。前回は、PTXを使用して、文字とフォントの指定をするケースに ついてご紹介しました。 ●今回は、いよいよPTXを利用した実践編です。 おさらいとして 罫線とフォントの 切替えの両方を使用して簡単な帳票を出力する実例をご紹介します。 例として以下の帳票を考えてみましょう。 <<帳票イメージ>> +-----------------------------------------------------------------+ | CUST NO | 会社名 | 備考 | +-----------------------------------------------------------------+ | A1000-0205 | 日本アイビーエム | 特記事項なし | |=================================================================| | A1000-0206 | 東京株式会社 | 特記事項なし | |=================================================================| | A1000-0211 | (株)六本木研 | 住所変更あり 3月中は配送中止 | | | | 新住所:東京都xxxxxxxxxxxxxxx | |=================================================================| | .......................... 1.CUST NOはKN10(SBCS 10PITCH) 2.NAME はM32F(DBCS 7.5PITCH) 3.OTHER INFORMATIONは、データが20バイト以下の場合は、M32F データが20バイトよりの場合は、M24F(DBCS 10PITCH) この帳票の特徴は、各明細行数が一定でないことです。こういうケースではOVERLAY で予め横線を描くことが出来ません。OVERLAYではタイトル名及び縦線のみを描き、 明細行区切りのための横線は,データと連動して描く必要があります。また、備考欄 の情報が多い場合には、小さいフォントに切替える工夫も必要となります。 このような帳票の場合、PTXを利用することで、フォントの切替えや罫線を描くこと に対応します。 <> OVERLAYはタイトル名と外枠のみを予めデザインします。 +-----------------------------------------------------------------+ | CUST NO | 会社名 | 備考 | +-----------------------------------------------------------------+ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | ................... <> PAGEDEF TEST01 DIRECTION ACROSS REPLACE YES ; FONT KN10 KN10 ; <=フォントの宣言 FONT M24F M24F ; FONT M32F M32F ; PAGEFORMAT TEST01 ; TRCREF 0 FONT KN10 ; <= KN10はフォントNo 0* TRCREF 1 FONT M24F ; <= M24FはフォントNo 1 TRCREF 2 FONT M32F ; <= M32FはフォントNo 2となります。 *PAGE定義上のフォントNoは0から始まります PRINTLINE <=PRINTLINE中では明示的にフォント指定はしないこと CHANNEL 1 POSITION 0 1 REPEAT 60 ; <<印刷データについて>> 大まかなデータの並びは以下のようになります。 C C +------------------------------------ 1 (チャネル用) 5A RECORD(1行目の明細行データ) <=1.データサンプル 5A RECORD(横罫線用) <=2.データサンプル b(次の行) 5A RECORD(2行目の明細行データ) 5A RECORD(横罫線用) b(次の行) 5A RECORD(3行目の明細行データ) <=3.データサンプル b(3行目続きの行) 5A RECORD(3行目の続きの行データ) 5A RECORD(横罫線用) ....... CCの意味 1: 改ページを表す b: X'40'、改行を表す 5A:5A RECORDを表す 1.サンプルデータ この行データでは、文字列とフォントの切替えのみですから、SCFLと TRN制御コードを組み合わます。 !.ョ L ハ ... .L .1.. A1000-0205 .1.. 、イ、カ「a「b「}「ー「d「w --- --- --- -- ------------------------ ------------------------------ 505 DE9 000 2D 0F01D44444CFFFF6FFFF4444 0F02D464648484D45484A444444444 A06 3EB 000 B3 3115B0000011000002050000 3130B5256313230383436000000000 | | FONT No.1(KN10) | FONT No.3(M32F) <<続きのデータ>> .1.. ・sヲm、 ぢ」o」ニ ----- ----------------- 44444 0F00D4A494C494948 00000 313EA62745EA7464D | FONT No.3(M32F) 2.サンプルデータ この行データでは、罫線情報と位置情報の組み合わせですから、DIRとRMB、 RMI制御コードを組み合わせます。 !.. L ハ ... .L .7.... .I.. .N.. .U. ... <=10進表示 --- --- --- -- ------ ---- ---- ------- 501 DE9 000 2D 0F0020 0C00 0D00 0E09000 <= HEX表示 A0F 3EB 000 B3 6700D0 4900 4502 7460020 --- --- --- -- ------ ---- ---- ------- | | | 2PELの太さの罫線を7INCH描く | 現在行位置からY軸方向のみ 2PEL下げる(これは文字と罫線が重ならないようにするため) 3.サンプルデータ この行データも、文字列とフォントの切替えのみですから、SCFLとTRN制御コード を組み合わせます。この行では文字列が長いため、SCFLでは小さいフォント (M24F)を指定します。 !.タ L ハ ... .L .1.. A1000-0206 .1.. 、ッ、ソァョ・ネ、]・ウ --- --- --- -- ------------------------ ------------------------------ 507 DE9 000 2D 0F01D44444CFFFF6FFFF4444 0F02D454745484B464444444444444 A06 3EB 000 B3 3115B0000011000002060000 3130B5755866F5D630000000000000 | | FONT No.1(KN10) FONT No.3(M32F) <<続きのデータ>> .1.. ・、ナヲ?ぢ」a」メ「 。3、/、*」フヲ3ヲ」、*ァQ 、g・、ナ」フ。: ----- ------------------------------------------------- 44444 0F02D4E484646484A444F4645494F44454D4444484E484947 00000 312EA605C7FAD414E3123515C4D73745C88000057605C4D2A | FONT No.2(M24F) このように、PTXの組み合わせにより、浮動テーブルを作成することも可能になりま す。また、これにIPOを組み合わせれば、OVERLAYの書き出し位置も浮動にできます。 AFPの基本は、外部FORMATTINGではありますが、データに依存して,ダイナミックに 帳票のデザインを変えたいような場合には、データ中にこれらの5A RECORDを組み 込むことで実現できます。 なお、これら5A RECORDの詳細につきましては、下記マニュアルが参考になります。 "AFP Data Stream Reference (S544-3202-03)" ●さて、22回にわたり "AFPプリンターの基礎"ということでAFPの基本概念から、 5A RECORDまでご紹介して参りましたが、今回を持ちましてこのシリーズは、 終了いたします。 しかし、AFPそのものには現在でも、次々に新しい機能が追加されたり、拡張されたり しています。 機会があれば 新しいシリーズでAFPの新機能についてもご紹介してきたいと思います。 長い間、ご愛読いただきありがとうございました。 <<完>>