RICOH BlackRams

レポート

2008-2009 シーズンレビュー

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 昨季トップイースト(TE)に降格したリコーブラックラムズがハイライトを迎える。

 2009年2月15日、秩父宮ラグビー場での日本選手権2回戦。今季のトップリーグ(TL)5位のNECグリーンロケッツを24対23で下したのだ。TL時代には未勝利だった相手からの白星で、いわゆる「大物喰い」だった。

 試合後のミックスゾーン。LO相亮太は「楽しかった」と振り返る。チームはこの1年間で積み上げた運動量と局面ごとの泥臭さで、試合を優位に進めた。好プレーをチーム全員で讃え合う。試合に出ていないメンバーもスタンドから声を届ける――。それぞれが連帯感を抱いていたという。だから、相(亮)以外の選手も「楽しかった」と口にした。

 礎には"attitude"があった。今季就任のトッド・ローデンHCが常々口にしていた言葉で、ラグビーに取り組む最良の姿勢を意味する。


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 2008年4月。FL伊藤鐘史が、それまで2季務めていた主将を今季も続けることにする。

 リコーは大学ラグビーの有力選手を数多く揃えながら、集団として成果を残せずにいた。「それぞれの大学の個性が集まって社会人のチームになるから、ひとつのチームになるのは難しい。でも、過去(のラグビーや考え方)に浸っていてもしょうがない」。主将は復活への鍵を、選手同士、または選手とスタッフ間の信頼関係だと感じた。

 6月。ローデンHCが来日する。新指揮官はチーム改革を求められるなか、「改善」すると強調した。TL時代から息づいていたチームスローガン "TAFU"を「意味を完全に理解していないと感じた」からと、継続採用。TEAM(チームのために、チームを愛し)、AGGRESSION(攻撃的に)、FAITH(信頼し合い)、UNITY(結束する)――。それぞれの頭文字からなる言葉の意味を、再度理解し直そうと思った。

 特に "F""U"を醸成すべく、試合後には必ずチームファンクションを行う。選手同士が軽食などを囲い、試合の反省や雑談をする時間だ。「こういう時間を上手く使えば色々学べる。公式行事だけどリラックスして、意見交換をしてください」とローデンHCは言う。伊藤も、そのチーム作りに期待を抱いた。交歓会で作られる連帯感が「プレーにも影響すれば・・・」と。

 ラグビーの面では、練習量が増える。一番多い時で早朝、午前、午後の"3部練"となった。LO井上隆行は言う。

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「今年は習慣が変わった。以前は『試合の次の日の練習は軽め』だったのに、今は試合明けも普通にきつい練習があるんです」

 結果、選手は試合でバテなくなった。TL降格時は、後半20分以降に多く失点していた。が、7月12日の府中市・東芝グラウンド。今季のTL王者となる東芝ブレイブブルーパスのベストメンバーに14対26で敗れるも、終盤、猛暑のなかで無失点だった。個々の身体にも違いが見られる。「余分な脂肪が減って、アスリートらしい体型になったかなって思います」。2年目のCTB小松大祐は笑うのだ。

 身体とともに、心がまえも変わった。ローデンHCはチームの決めごとを、ワンプレーずつA4の紙にまとめ、クラブハウスの壁に隙間なく張る。昨季まで個々の感覚が一人歩きしていた戦い方に、一貫性をもたらした。目に見えない好プレーの重要性も、全員にわかるよう伝える。それが試合で見られたら必ず褒めた。以前はパスやランプレーなど、いわゆる目に見えるプレーを好んだ選手も、「泥臭いプレー」をより大切にした。

 意識変革には、新加入選手の影響もあった。たとえば三洋電機ワイルドナイツから移籍のSH池田 渉。練習で走るコースをショートカットする選手には、「横着するな!」と言った。グラウンド外でも同様だ。水の入ったボトルを飲んだら元の位置に戻す。客人と目が合えば挨拶をする――。私生活での積み重ねはプレーにも少なからず影響すると、池田は信じていた。

「最初に、寮の使い方にまで口を出しましたからね。『うるせぇな、このオッサン』と思われていたと思いますよ。でも、夏くらいから(その必要がなくなり)言わなくなった」

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 8月。夏合宿の頃から、指揮官はしきりに "attitude"という言葉を使い始める。「"TAFU"の"A"に加えてもいいくらい」とも。以降、選手の"attitude"がどれだけ見られたかに、焦点を絞る。

 走力を上げる。泥臭いファイトを望む。戦略を浸透させる。何より個々の選手個々の意識や自覚、チームの絆を重視する。秋、こうしてリコーはTE開幕を迎えた。



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