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画像:デジタル技術を活用した新しい価値の創造により、お客様と共に成長し、地域社会に貢献するサービスインテグレーターを目指します  リコージャパン株式会社 代表取締役 社長執行役員 CEO  笠井 徹

デジタル技術を活用した新しい価値の創造により、お客様と共に成長し、地域社会に貢献するサービスインテグレーターを目指します

リコージャパン株式会社
代表取締役 社長執行役員 CEO
笠井 徹

2022年度を振り返って

この1年間、世の中は目まぐるしく変化し、私たちの事業活動にも大きな影響を与えました。複合機やICTを活用したソリューションを提供する当社にとって、半導体不足によるサプライチェーンの混乱や、ロシア・ウクライナ危機などの地政学リスクの顕在化、エネルギー価格の高騰など、厳しい経営環境が続きました。こうしたリスクや環境変化に対応するために、マネジメントのレベルを更に高めていく必要があると実感した1年でした。

一方、新型コロナウィルス感染症が収束に向かう中で、デジタルを活用した働き方の多様化が進んでいます。働き方の選択肢が広がったアフターコロナにおいては、仕事の生産性を高めるために、コミュニケーションやマネジメントの質を向上し、業務のデジタル化により仕事のやり方そのものを変えることの重要性が一層高まっていると認識しています。

私たちは今までデジタル技術を活用したお客様の生産性向上への提案を続けてきました。今後も一層加速する、お客様のDX化・デジタル化に向けた取り組みにお役立ちし続けていきます。そのためには、お客様に寄り添って経営課題や業種・業務ごとの課題をデジタルサービスで解決する組織力を高める人的資本経営の強化が重要なテーマであると考えています。今後もお客様に寄り添い、地域・社会の発展に寄与できる会社であり続けるための取り組みを強化してまいります。

「デジタルサービスの会社への変革」に向けた2022年度の成果

デジタル化が加速する中、リコージャパンでは持続可能な成長を実現するため、リコーグループとして掲げた「デジタルサービスの会社への変革」を進めてきました。まず、お客様へ最適な価値を提供するための「業種業務課題の解決に向けたデジタル化支援」です。コロナ禍以後、日本国内のデジタル化の遅れが行政、企業、医療、教育などの現場で顕在化し、デジタル化を進めるお客様が一層増加しています。

そうしたお客様に寄り添ってサービスを提供できるよう、私たちはアプリケーション、エッジデバイス、そしてサポート&サービスを組み合せた業種業務軸での課題解決モデルを拡充してきました。そこには、リコーグループで取り組むデジタル化の実践事例も活かされています。また、電子帳簿保存法やインボイス制度などの法改正対応や、高まる情報セキュリティリスク対策のニーズにお応えするソリューションを拡充。効率良くお客様にお届けするための、導入から活用までをワンストップでサポートできる体制も強化しました。

さらに、お客様の課題やニーズに対応した最適なデジタルサービスをお届けするためには、お客様接点で活動するメンバーのスキル向上やリスキリングが重要になります。そのため、2022年度は人財育成への投資を拡大し、人事制度改革を行ってきました。自律的に学習できる風土の醸成に向け、「リコージャパンデジタルアカデミー」をスタートさせるとともに、社員の学習時間を確保し、お客様の業種業務に対する理解向上、課題把握から解決策の提案、ソリューション提供までのスキルの習得を図ってきました。

こうした取り組みの成果として、ICT事業の売上高は2017年度比で1.3倍、売上構成比で9%増となり、オフィスプリンティング事業を超えるまでに成長しました。

売上構成比

画像:売上構成比

第21次中期経営戦略の目指す姿

リコーグループは「デジタルサービスの会社への変革」を“助走”から“実行”に移すべく、2023年度から2025年度の第21次中期経営戦略(21次中経)において、「地域戦略の強化とグループ経営の進化」「現場・社会の領域における収益の柱を構築」「グローバル人材の活躍」を基本方針に定めています。

これを受け、リコージャパンの中期経営戦略では、目指す姿として「デジタル技術を活用した新しい価値の創造により、お客様と共に成長し、地域社会に貢献するサービスインテグレーター」を掲げました。その実現に向けては、デジタル技術を活用したソリューションをお客様の目線で組み立てていくことが重要です。

そうした意識を全社で共有するために、21次中経のスタートとあわせて全社に向けて発信されたのが「課題創造」というキーワードです。これは、私たちがお客様を深く理解し、潜在的な課題を発見するためのスキルを高め、価値創造を実現していくことで、お客様と共に成長していくという狙いを表現しています。

また、2023年度から発足した「パブリックサービス本部」は、自治体DX、脱炭素・GX(グリーントランスフォーメーション)、ヘルスケア・地域包括ケアなどの分野で、地域・社会課題に公民連携で貢献することをミッションとしています。デジタル田園都市国家構想の推進や地方創生に向けた地域サービスの利便性の向上、賑わいの創出など、地域社会の課題へのデジタル技術の活用が進んでいます。また2050年までにCO2の排出量ゼロに取り組むゼロカーボンシティ宣言をする自治体も増加しています。リコージャパンの強みは全国の都道府県の拠点から、それぞれの地域に寄り添った活動を展開していることです。自治体、医療・介護施設、学校といったパブリックサービス事業でサポートするお客様の課題に、私たちのデジタルサービスで貢献していきます。

今、オフィス、現場、社会において、生産性を高めるためのデジタル化が加速しています。私たちは地域社会に貢献するサービスインテグレーターとして、お客様、そして地域の課題解決のパートナーであり続けたいと考えています。

画像:第21次中期経営戦略の目指す姿

社員一人ひとりがより一層自律的に成長できる組織づくり

時代の急速な変化に対応していくためには、社員一人ひとりが自律的に自らのキャリアプランを描き、スキルを高めていける組織づくりが必要です。「人財」の成長が、サービスインテグレーターとしての価値創造の源泉であると考えています。

当社では組織が求める人財像について、職種の定義とあわせて、必要とするデジタルスキルの要件を明らかにしました。求められているスキルや、取得を推奨する資格を具体的に示すことで、成長をサポートします。あわせて、必要な講座やeラーニングメニューの提供を進めています。そして、先端技術の進展や必要となるスキルの変化も踏まえ、この内容は見直しを続けていきます。

また、さまざまな「人財」が活躍できる組織風土の醸成として欠かせないのが、ダイバーシティ&インクルージョンの推進です。多様な社員が能力を最大限に発揮できる環境づくりが必須であることは言うまでもありません。

そして、社員一人ひとりの幸せを考えたときに、大前提となるのは健康で過ごせることです。社員が健康でいきいきと働くことができるように、健康経営の最終的な目標、実現したい姿、そのための行動指標の3つを見える化した「健康経営戦略マップ」に基づき、施策を推進しています。

こうした施策により、社員一人ひとりが高いモチベーションを持って、働きがいを実感しながら、創造性を発揮し活躍できる風土を強固にしていきます。

事業を通じたSDGsへの貢献

2018年に「事業とSDGsの同軸化」という方針を掲げて以来、リコージャパンでは事業成長とSDGsへの貢献を同時実現することを常に念頭に置いてきました。例えば、デジタルサービスによるお客様の生産性向上、医療・住民サービスの質を向上するソリューションによる地域社会への貢献などがそれにあたります。また、お客様と活動の輪を広げていくために、省エネ性能の高い複合機1台の導入にあたり、東南アジアにマングローブを1本植林して、お客様にご報告していますが、こうした事業とSDGsへの貢献を両輪で推進するというアプローチは、着実に成果があがってきています。

一方で近年、企業においてはSDGsへの貢献とともに、事業プロセスの中で、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)に対応する必要性が高まっています。SDGsへの貢献を今後さらに推進していくためには、一人ひとりの意識をより高め、お客様のESG対応を支援する価値提供と社内のESGの取り組みを、同時に加速していかなければなりません。

そのためには、目標を明確にすることが重要です。当社ではSDGsとESGの観点から、「サステナビリティ目標」として定量的な目標値を定めて取り組んでいます。この目標値は、21次中経でも経営指標として掲げており、活動の進捗度や社会の動向を見ながら、毎年見直していきます。

また、全国の各組織にいる約700名(2023年6月末時点)のSDGsキーパーソンが、社内の推進とお客様支援の原動力になってきています。キーパーソンの活動をさらに進化させ、お客様への新しい価値提供や事業モデルづくりにもつなげていきたいと考えています。

画像:事業を通じたSDGsへの貢献

経営課題であるESGにバリューチェーン全体で取り組む

環境や人権・労働環境改善をはじめとしたESGにバリューチェーン全体で取り組むという考え方がますます広がってきました。中小企業の経営者の皆様も課題意識を持っていらっしゃいますが、その一方で具体的にどう取り組むかを苦慮されているというご相談を多くいただいています。

お客様の事業における潜在的な経営課題を、コミュニケーションを深めることで洗い出し、それに対して最適なソリューションを提案する。これらのプロセスは、ESGへの取り組みにおいても同じであり、当社の大きな役割の一つだと考えています。自社の取り組みをご紹介することはもちろん、例えば環境分野では、再エネ電力や照明、空調などのエネルギーマネジメントシステムなど、CO2削減に寄与するさまざまなビジネスを展開しています。

私たちもパートナーを含む多様なステークホルダーと協働し、バリューチェーン全体でESGに対応することでSDGsに貢献していくというアプローチを、今後さらに深化させていきたいと考えています。

社会全体の「“はたらく”に歓びを」に貢献

リコーグループはお客様の変わりゆく“はたらく”に寄り添い、お客様にはたらく歓びを実感していただくためのお役立ちをする会社として、その使命と目指す姿に「“はたらく”に歓びを」を掲げています。この目指す姿を実現するためには、私たち一人ひとりが「“はたらく”に歓びを」を実践できる会社でなければいけません。

社員が自律的に実現したい目標を定めてスキル・経験を高め、お客様により高い価値を提供できるようになることで事業が拡大し、社員の歓びや豊かな生活が実現する。そして、また新たな目標に取り組み、お客様にお役立ちしていく。こうした循環をしっかりと回し、社会全体の「“はたらく”に歓びを」に貢献していきます。