人口減少社会に突入した現在。
過疎地域では小中学校の統廃合が進んでいます。
しかし、ひとたび学校が閉鎖になれば、その地域はさらに過疎化が進むなど、
地域活性化のためにも学校は欠かせない存在です。
学校を、そして地域を守るために。
西条市とリコージャパンの挑戦が始まりました。
プロジェクトの舞台となったのは、愛媛県西条市。西日本最高峰の「石鎚山」を主峰とする石鎚山系や瀬戸内海、加茂川など、美しい自然環境や豊かな水資源に恵まれています。市内に小中学校は36校あり、うち1校は休校中。複式学級を有する小学校は3校あります。
過疎化や少子高齢化が進む人口過少地域。愛媛県西条市もそんな自治体のひとつで、児童の少ない小学校では複式学級(2つ以上の学年を1つにした学級)が形成されていました。児童数、生徒数の少ない小中学校の統廃合が全国的に進むなか、西条市は「学校は地域の宝」と考え、統廃合させないための新しい授業スタイルを模索していました。
リコージャパンのICT技術で、新しいスタイルの授業を実現できないか。そこで考えたのが、複数の小学校同士をWeb会議システムでつなぎ、お互いの教室の様子をリアルタイムで見ながら行なうインターネット通信型の合同授業でした。
さらに万が一の災害時には、避難先となる体育館同士をつなぐことで防災ネットワークも構築できるこのシステム。学びを充実させ、地域の暮らしを守るために。検討を重ね、導入が決まったのは初回の打ち合わせから4ヵ月後のことでした。
まずは、複式学級が行なわれている小学校3校で合同授業が実施されることに。試行錯誤を繰り返しながら、Web会議システム、プロジェクター、スピーカーシステムなどを設置。さらに、「授業のリアリティをとことん追求したい」というお客様からの声を受け、通信先の学校の子どもたちや先生を実物大で映すことのできる大画面スクリーンを導入しました。
いよいよ迎えた新システムのお披露目。この日は、田滝小学校と徳田小学校をつないだ公開授業が実施され、NHKや民放テレビ局、ほか多数の新聞社が取材に訪れました。また、多くの保護者や地元住民の方々も見学に訪れました。
2つの教室が1つになり、あたかもクラスメイトが増えたかのような賑やかな教室。初めは緊張気味だった児童たちも、徐々に積極的に発言するようになり、活発なやりとりが繰り広げられました。
公開授業当日、取材に訪れた新聞社は愛媛新聞、毎日新聞、読売新聞の3社。紙面にも大々的に取り上げられるなど、全国でも珍しい取り組みに大きな関心が寄せられました。
リコージャパンのWeb会議システムは、操作が簡単で先生や児童もストレスなく使用できます。
最初は緊張したけれど、たくさんの友達と一緒に勉強ができてとても楽しかったです。
合同学習は、児童の視野が広がる大きなメリットとなるとともに、中1ギャップや複式学級の解消にもつながります。
科学の進歩のすばらしさを目の当たりにさせていただきました。こういう形で学校間の交流を深めることができればと思います。
小規模校同士のみならず、地域住民をはじめ多数のコミュニケーションの場として大いに利用できると思います。今後のさらなる技術開発を期待しています。
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