株式会社 村重スタジオ
代表取締役社長 村重 道男 氏
札幌の幼稚園や学校に愛されつづけている村重スタジオ
1970年、街の写真館として創業した村重スタジオは、冠婚葬祭の記念写真撮影やDPEを手がけ、地域の人々に支持されてきた。現在はビデオ撮影、編集に加え、各種アルバム制作やオリジナル商品の販売なども行っている。
幼稚園や学校でのさまざまなイベントにおいて、欠かせない記念スナップ写真撮影。村重スタジオの写真業の柱となっているが、デジタル化によって1回の撮影数はそれまでの約2倍、1,000枚ほどにも及ぶという。子供たちの感動を写し出すスナップ写真は、家族にとって大切な想い出としてよろこばれている。
主村重スタジオでは、メモ帳、ノート、扇子、うちわ、名刺、コースターなど、さまざまなオリジナルアイテムをオンデマンド印刷によって商品化している。
「写真を活用すれば、容易にオリジナル商品を作り出すことができます。しかし、これまでオンデマンド印刷では写真のクオリティは満足できるものではありませんでした」
代表取締役 村重道男(むらしげみちお)社長は、光沢と表面保護仕上げに使用しているニス加工の設備と技術を、オンデマンド印刷に活かし自社の特長として打ち出そうとしていた。ニス加工することで印刷画像の品位は向上する。
「このノウハウを活用すれば、POD(Print On Demand)で制作した商品を、高品質にしかも低価格で提供できます。例えば銀塩の高額な記念アルバムに躊躇していたお客様のニーズにも、応えられるはず」村重社長は確信していた。
村重スタジオの転換期は10数年前。村重社長は、カラーコピーを活用した商品の開発を思いつく。
「日付け部分はオフセット印刷し、上部の画像をコピー機で出力し貼付けるカレンダーをつくれば、コストを抑えられる」
画質では印画紙にはかなわないが、印画紙利用では不可能な価格でオリジナルカレンダーを商品化。村重スタジオは、写真プラス印刷というアイデアでビジネスの領域を拡大していく。
見本出しが莫大な量になる記念スナップ写真。月に2,000~3,000枚ものA3サイズ印画紙を見本として使用し廃棄していたが、印画紙は通常の廃棄ができないため、廃棄方法にもその量にも困っていた。「デジタルフルカラー複合機の印刷品質の向上もあり、見本出しを印刷に切替えました。印画紙に比べコストを下げることができたのはもちろん、紙ですから通常廃棄が可能です。環境配慮の面からも貢献できるようになったのは、企業としてのよろこびです」村重社長は当時の決断を語る。
しかし課題はスピード。3月、7月、12月というピーク時には月に3,000枚を超える見本出しを印刷しなければならない。高画質でより高速なPOD機というニーズに、RICOH Proが応えることになる。
村重スタジオでは40件ほどの幼稚園や学校から定期的に卒業アルバムを受注しているが、RICOH Proを導入したことで100%POD化を考えているという。
「納期、コストでは銀塩アルバムに負けることはありません。とくに納期は銀塩だと2、3ヶ月かかるところ、PODでは1ヶ月で制作可能です。RICOH Proで印刷後ニス加工を施すことで画質的にもさらに向上し、得意先に自信を持って提案できます。『いいものを、より速く、より低価格で』提供できることが、何よりうれしいですね」PODによる卒業アルバムのクオリティをもっと広く知ってほしいと、村重社長は語る。
「RICOH Proは既存機種に比べ印刷速度は約2倍、半分の時間で印刷が終わります。繁忙期、夜間までかかっていた作業を短縮できるのはありがたい」
「トナーを使用するとどうしても厚みがでます。ニス加工する上でこれが課題なのですが、RICOH Proのトナーは粒子がより小さく、この厚みを最小限にしてくれます。濃度を90%にするなどテストを繰り返し、ニス加工を見据えた設定を工夫することで、鮮明なカラーとやわらかな黒を表現できるように。画質的にも満足なレベルに達しました」魅力は、スピードと画質とコストのバランスと語る村重社長は、手差しトレイの便利さにもふれた。
「スナップ写真の見本出しにA3ノビを大量に印刷していますが、550枚積載可能な手差しトレイが非常に便利。以前は手差しトレイの容量が小さく、印刷中はその場を離れることができなかったのですが、RICOH Pro導入後は他の作業を進めることができ、制作効率が向上しました」
これまでPODのメリットを活用した新商品を次々に生み出してきた村重社長。この夏は、節電の影響もありオリジナルうちわ/扇子に大きな需要があった。RICOH Pro導入後は、そのパフォーマンスを活かせるアイデアを絶えず考えているという。
「表紙に写真をレイアウトしたオリジナルノートも面白い。スナップ撮影を依頼されている関係で子供たちの写真は手元に大量にあり、笑顔が表紙を飾るノートは子供の数だけ提案できます」
「単に印刷するだけでは、お客様の満足は得られません。写真を使ったり後加工することで、世界にひとつだけのオリジナルツールや記念品を生み出すことができるのです」
ニス加工だけではなく、型抜き、箔押しといった後加工に独自色を出している村重スタジオ。「PODはオリジナルを1点からでもつくれます。ユーザーにとってオリジナルは非常に魅力的。オリジナル商品をいかに安く提供できるか。そのために私は年に10点ほど考案し3点ほどを商品化していますが、1~2点はそのまま売上を生みつづけてくれています。オリジナル商品を考えるために、後加工の技術が大切なのはいうまでもありません。RICOH Proは、写真を活かした新商品を生み出す楽しみをつくってくれました」
Adorer(アドレ)は、村重スタジオのブライダル部門。ブライダルフォト、ビデオ撮影、DVD編集、ブライダルグッズ制作などを業務としている。
「ブライダルは写真業として大きなマーケットです。現在はPODを活用し、ご夫婦の写真などが入った記念品制作に力を入れています。記念アルバムも銀塩の高級タイプに加え、PODで制作しニス加工を施した高品質タイプや廉価タイプもラインアップ。バリエーションの拡大で、人気商品になると予感しています」
ブライダル部門を主としたインターネットビジネスも順調とのこと。村重スタジオでは、さらなるWeb展開強化を視野に入れている。
デザイン制作 伊山 恵莉香氏
レイアウトデザインとRICOH Proによる印刷管理を担当している伊山デザイナーは、既存のPOD機と比べ、制作効率が格段によくなったと話す。「印刷の速さには驚きです。これまでの2倍のスピードという感覚です。意外に便利なのが手差しトレイの容量。RICOH Proでは550枚積載可能で、印刷中レイアウト作業に戻れます。導入以前は容量も小さく紙づまりも多かったので、印刷機から離れることができませんでした」「画質も向上し、デザイナーとしてはうれしい限りです。また丁合製本まで任せられるため、オリジナルノートなどの制作は簡単にしかも速くなり、生産性がアップしたのを実感します」得意先からA3チラシ両面カラー印刷を、データ修正し500枚すぐにでも欲しいという依頼に、RICOH Proのおかげで1~2時間で納品できたとのこと。「以前であれば、お断りしていたかもしれません。得意先によろこんでいただけたのが、うれしいですね」
フォトグラファー 小野 純一氏
撮影がメイン業務の小野フォトグラファーの意見は明快。「見本出し出力が速い。いちばんの印象です。撮影後、戻って見本出し出力を行いますが、印刷速度が遅く、待ちの時間が多くなるのが課題でした。繁忙期は順番待ちもあり、さらに待たされていました。RICOH Proが入ってからは、かなりスムーズです。印刷しながら次の仕事へかかれる。本当に助かります」「画質がよくなったので、写真1点のサイズを小さくでき、A3サイズ見本出しへの印刷写真点数を増やすことができました。トータルでの見本出し枚数が減りますから、コスト削減につながっています」
株式会社 村重スタジオ