沖縄の高温多湿な環境が、PODにラミネート加工というビジネスを加速。
代表取締役社長
徳門 聡佳氏(とくもん さとよし)
ラミネックスセンターは1977年沖縄市(コザ)で、モノクロ複写機とラミネーターを同時に導入し創業。基地に関わるアメリカ人と接する中、コピーとラミネートが入り込んでいる生活スタイルにビジネスのヒントを得る。高温多湿という沖縄の環境は、紙類を早く劣化させる。当時の写真スタジオに対し、記念写真を永久保存するというメリットを打ち出した提案が大ブレーク。写真を通常保存していると、湿気などにより青カビが発生しやがて赤く変色してくる。それまで沖縄県民が抱えていた課題にラミネートが応えた。現在、県内の写真スタジオでの記念写真は、ほぼ100%ラミネート加工されているという。
「写真はもちろんですが、重要な書類にもラミネート加工することが多くあります。おじいおばあが、家系図を持ち込んでラミネートしてほしいということも珍しくありません」家系を重視する沖縄の県民性や、先の戦争による被害で多くの物を失ったことで、自分に関わる記念の品をより大切にするようになったのかもしれないと、代表取締役、徳門聡佳社長は語る。
「保存性や耐久性を向上させるラミネート加工のメリットは、沖縄では認知されつつありますが、まだまだ不十分です。より多くのお客様に知っていただきたいですね」
ラミネート加工はさまざまな領域で採用され、とくに飲食店の大型メニューへの加工は、人気商品となる。「見やすさ選びやすさで、メニューは大型化しています。しかし大きくなることで角などは傷みやすく、カバーを付けるほどでもない場合はラミネート加工がちょうどいいと評価されたのでしょう。それに、汚れても拭けますから清潔です」
オフィス向けプリンターで印刷し、ラミネート加工されたメニューは順調に売上を伸ばしていった。
「一枚物のメニューであれば問題なかったのですが、さらに大きなサイズへのニーズがあり、そのためには折りが必要になってきます。この折り目が曲者で、それまでのプリンターでは印刷面にオイルがのっているため、ラミネートの粘着剤が効かないのです。折り目部分は使用しているうちに徐々に剥がれ、印刷面から浮いてくるのです」これでは商品にならないため、折り目部分には印刷しないデザインや、折りの部分にボタン止め加工を施すなどして対応していたという。
「折り目を付けてもラミネートが剥がれないようにするためには、印刷面のオイルをなくすことです。」徳門社長はオイルレストナーのPOD導入を検討していた。
「2年あまりをかけ、各社のPODを見てきました。ラミネックスセンターを起こした現会長は『色と包むこと』にこだわりをもっています。高画質とラミネート、これを同時に満足させてくれるPODが、RICOH Proでした。銀座や九州のショールームにも何度も足を運び、色の再現性やラミネートとの相性をテストし、これでいこうという結論に達しました」
A2サイズのメニューを制作する際、あえてA3サイズをつないで加工していると語る、取締役、安慶名紀昭常務。
「理由は価格を抑えることができるからです。A2への印刷では、どうしても印刷コストがアップしてしまいます。ラミネックスセンターでは、デザイン、撮影、印刷、ラミネート加工すべてを内製化。A3をつなぎ合わせたA2メニュー制作の価格は、A2印刷の場合に比べ約1/2から1/3。他ではまねをすることはできないでしょう」加工は、印刷面の端と端をを重ね合わせる方法とメンディングテープで貼り合わせる方法の2タイプ。簡単そうに見えて、実はテクニックの必要な加工だ。
飲食店で扱う飲み物メニューには、沖縄の酒である泡盛が数多く紹介されている。ラベルには金や銀が多用されており、このカラー再現にもRICOH Proはすぐれているという。「泡盛のボトルをイメージ通りに表現するのは難しいのですが、RICOH Proの高品質なカラーはお客様にも好評です」
RICOH Proを使用した印刷によって、ラミネート加工後の折り目の剥がれがなくなったという。
「オイルレストナーの効果ですね。ラミネート粘着剤との相性がいいのでしょう。あれほど困っていた剥がれが、うそのようになくなりました。折り目を気にせずデザインでき、ラミネート加工の自由度がアップし、お客様に喜ばれるメニューを提案できています」
PP貼りの際も、全面印刷でPPが角から剥がれてくるということがなくなり、PP貼りした立体POPパネル提案も人気とのこと。
「ラミネックスセンターは、ラミネートメニューでお客様から支持されています。メニュー制作では撮影なども任されており、お客様の商品や画像データをお預かりすることで、そのデータを活用した提案が容易になります。メニューをきっかけに、名刺、チラシ、PP貼りPOP、看板、懸垂幕などの制作を受注。お客様のニーズにトータルで応えることができるワンストップサービスが、ラミネックスセンターのビジネススタイルです」安慶名常務は、培ってきたノウハウを社内の若いスタッフ達に伝えることも重要になってくると語る。
PODを活用したラミネートメニュー制作は価格を抑える工夫もあり、リニューアル注文が増加。RICOH Pro導入後、制作案件は3倍に増えたと徳門社長は語る。
「ラミネックスセンターのメニュー制作を、Web to printで展開するビジネスも検討しています。全国の飲食店には、きっと同じようなニーズがあるはず。Webを活用し、私たちのラミネートメニューを全国へ届けたいですね」
料理の色にこだわるお客さまからも高い評価
「食べ物ですから、色は非常に重要です。おいしそうに見えなくてはメニューの意味がありません。RICOH Proのカラー再現性には満足しています。非常に高品質です。お客様によっては色へのこだわりが強いケースがあるのですが、その際は調整によって、リクエストに応えています。オペレーターとしては、表裏見当が安定していることも、非常にありがたいです。後処理がある場合、仕上がりに直接影響を受けますから」
那覇店の銘苅店長は、メニューやPOPの紙の厚さでもお客様のリクエストに応えることができるようになったという。
「春と秋はメニュー改定のシーズンのため、忙しくなります。ラミネートは4名が専任なのですが、この時期はスタッフ総出で作業を手伝っています。年々、忙しくなっている気がしますね」
12ページのA4中綴じ冊子を超短納期で実現
A4サイズ12ページの中とじ冊子の例では、従来1週間ほどかかっていた納期が、RICOH Proにより中1日という超短納期を実現している。
「緊急の場合ですが、当日納品ということもありました。印刷速度の速さは歴然ですね。お客様の要望に応えられる範囲が拡がったことで、営業も仕事がしやすくなったようですし、信頼も得ることができています」
自動通報で、自分たちが気づく前にリコーから連絡
「メンテナンスについては、先に導入していたリコーのモノクロ機同様に、きめ細かな対応をしてもらっています。それほど大きなトラブルはありませんが、いつもすぐに来てくれます。自動通報で、私たちが気づいていないうちにリコーのメンテナンスから連絡があり、初めて知るということも。安心して使用できています」
有限会社ラミネックスセンター
本ページに掲載されている情報は、2013年2月現在のものです。