RICOH Pro導入以降、
営業をサポートする販促物の種類が1.5倍に増加
企画開発本部 営業企画部長
片野 秀房 氏
1932年、札幌市に中博光商店として創業。金物店として金物全般の販売および、自社工場における独自ブランド製品の開発に取り組む。法人化後、現在の技術研究所の前身である研究部門を立ち上げ、製品の開発、改良を重ねてきた。
ナカ工業の代表的な製品となっている手すりは、生産開始からすでに半世紀を経て、材質は鉄や真鍮から、手にやさしくなじむ樹脂被覆の製品へと進化。形状や機能にもさまざまな工夫が施され、高さの異なる2段式の歩行補助手すりや、浴室・トイレ・玄関などで使われる動作補助手すりなども人気製品となっている。
現在ナカ工業では手すりだけではなく、階段滑り止め、避難ハッチ、天井点検口など数々の建材製品を製造、販売。一大建材メーカーとして、広く社会に貢献している。
ナカ工業での販促物の内製化は、外注コスト削減を主目的とし、複合機による製品チラシの印刷を中心にスタートした。
「2007年くらいから営業企画部には、販促物の企画やデザインができるスタッフが在籍しており、複合機を利用して製品チラシを内製化するようになりました。その後、展示会で使用するパネルの製作やPOPなども手がけるように。制作用の設備はもちろん、それを活かせる人員の確保にも気を配りながら、内製化を推進してきました」企画開発本部の片野秀房営業企画部長は、当時の状況を語る。
2010年の本社移転がきっかけとなり、内製化を強化。営業企画部は開発拠点である八潮に移り、新たな制作環境のもとデータ制作の内製化比率を高めた。カタログなどの冊子類は、外注オフセット印刷。製品チラシなどは、複合機で印刷していくことになる。
市場への新製品投入時、仕様が未確定でも、営業にはお客様へ製品紹介する製品チラシが必要だった。また製品仕様は月に何度も変更されるため、その度に改訂し、当時は複合機で印刷していた。
「既存設備が導入後6年を経過し、紙詰まりなどのトラブルも増えてきました。カラーの再現性や使用可能な用紙が限定されるなど、新型と比較し機能の見劣りも気になるように。何より見当の精度が低く、冊子ものができないことが大きな課題となっていました」営業企画部販売促進グループの杉浦豪主管は、アートディレクターとしてデータ制作から印刷までを統括しているが、既存設備のトラブル増加と機能劣化が内製化推進の足かせになっていたと語る。
営業企画部では既存設備の入れ替えを検討。新たな印刷機は、制作スタッフの要望を聞きながら2社の候補に絞られた。
「重視したのは見当性です。チラシのような端物は内製化できていましたが、カタログなどの冊子は高い見当精度が求められます。今後の内製化を考える上で、冊子制作は必須です。もちろん確かなカラー再現性、多様な用紙が使えることもポイントでした」杉浦主管は、アートディレクターとしての立場からRICOH Proを選択し、上司に提案した。
営業企画部販売促進グループの東川尚樹グループ長は、戦略商品であるLED照明が内蔵された手すり製品の販売促進も担当されている。LED照明は、昼光色以外にもブルー・グリーン・オレンジが用意され、実際に施工された写真が重要な販促物だという。
「LED照明の雰囲気は、夜間の施工写真を使うと一番わかりやすく伝えることができます。そのため、施工写真集の制作を始めたのですが、複合機では印刷品質、特に照明のグラデーションがチープな印象でした。RICOH Proなら、夜間照明の滑らかなグラデーションが再現でき、製品の魅力を存分に訴求できる販促物が作成できます」
表現力が格段に向上したことで、施工写真集は、1年前の8ページから現在は24ページにまで増えている。
ナカ工業にとって、展示会は年に10回ほど出展する重要なプロモーション手段。そこで使用するカタログも大幅にブラッシュアップ。
「出展製品だけを掲載した展示会用カタログは、RICOH Proが導入されたからこそ産まれたアイデア。以前は十数種類もの製品カタログを用意していたが、現在は1冊に集約。お客様に持ち帰ってもらいやすくなり、展示会終了後のお客様からの問い合わせも増加。営業からもアフターフォローに使いやすいと好評です」
さらに、RICOH Proなら、必要な時に、必要な量だけ印刷できるので、カタログ経費を削減でき、余ったカタログを片づける手間のかかる作業がなくなったのも見逃せない効果となっている。
新製品のカタログは、初ロット3,000部をオフセット印刷していたが、仕様変更や全国の支店・営業所からの修正要望で、多くを廃棄することになってしまっていた。
「オフセット印刷のため、無駄だとわかっていても大目に印刷せざるを得ませんでした。RICOH Pro導入後は、初ロットは、必要部数だけ印刷するようになりました。仕様変更や要望に応じ、迅速に何度も改訂しつつ、在庫を残すこともありません。」杉浦主管は新製品カタログにも大きな改革をもたらした。
営業企画部販売促進グループの鳥海佐子氏は、販促物の管理を担当されている。
「全国の拠点からのカタログ発送依頼に対応しているのですが、在庫切れの場合には、オフセット印刷による増刷までお待たせすることが多くありました。緊急の場合には、各拠点に連絡を取り在庫を融通してもらうこともありました。RICOH Pro導入後は、即座に印刷し発送できるため、とても喜ばれています。オフセット印刷と比較して、印刷品質で指摘を受けたこともありません」
RICOH Pro導入後、販促物の種類が1.5倍に増えたという。当初、片野部長は、販促物内製化の主目的は経費削減と考えていたが、新たに産まれた販促物が販売に効果を上げていると感じている。「内製化を進めていく中で、社内のアイデアやお客様・営業の要望から産まれた販促物は、従来のツールとは異なる力を持っていることに気づかされました。さらにタイムリーに数多くの販促物を形にしてほしい」片野部長は、社内でアイデアが活発に出され、お客様の要望が素早く伝わる風通しのよさにも配慮しながら、内製化を今後も強力に推し進める。
ナカ工業が生産している建材には多くのカラーバリエーションがあり、樹脂製品の場合はこれまで樹脂のカラーチップをサンプルとしていた。高コストの上、かさばるため、営業からも不評だったという。「RICOH Proのカラー再現性が優れているため、厚手の紙に印刷してみたところ非常に高評。気軽に持っていけると営業からも喜ばれています」
鳥海佐子氏は、販促ツールの制作も担当されている。「展示会で使用する製品紹介パネルは、A3に印刷後、2枚をつなぎA2のパネルに加工しています。以前から内製化していましたが、RICOH Proに変更してからカラー品質が良くなり仕上がりも向上しました。スイングPOPはコート紙に印刷し、ラミネート加工後カットして使っています。今後はもっと、営業のリクエストに応えていきたいですね」
※クッションレーンは、ナカ工業株式会社の商標です。
従来の会社案内は、過去にオフセットで大量に印刷した在庫品を使っている。修正シールを貼って使い続けてきているが、RICOH Proの活用を検討している。まずは、関連会社の会社案内にチャレンジするという。
ナカ工業株式会社
本ページに掲載されている情報は、2014年4月現在のものです。