1985年、世界で初めて通信による中古車の電子商取引「TVオークション」事業を開始された株式会社オークネット様。日々の業務において通信回線機能は要であることから、老朽化した交換機の見直し及び本社移転等を視野に入れてIPセントレックス※1を導入されました。さらに、万一の自然災害に備えて冗長化を図るべく、電話交換機装置(CSMサーバー※2)を分散化して導入。BCP対策を強化されています。
株式会社オークネット様ではかねてから本社移転を検討されており、そのタイミングに合わせて老朽化した交換機の見直しを行うことを計画されていました。
「12年も使用していましたので老朽化が著しく、故障する内線も出始めている状態でした。保守部品の供給も打ち切られ、このままでは保守サービスを受けられないということで、急遽、交換機の入れ替えに踏み切りました」(熊谷様)。
また、オフィスのレイアウト変更の都度発生する、電話配線工事のコストも課題の一つでした。その払拭に向け、オークネット様ではIPセントレックスの導入を検討されました。さらに、もう一つの理由として、多い日で3000件にもおよぶオークションが一瞬たりとも止まることのないよう、BCP対策の面でも魅力を感じたと語って下さいました。
「本社に集約しているほとんどの業務が顧客と電話を介してやり取りする業務であることから、緊急事態発生時には冗長化されたコールサーバーにより、札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡といった他の拠点でも事業展開できる体制づくりが急務でした。IPセントレックス化と同時に他の拠点にも交換機の頭脳であるコールサーバー(CSM)を設置し、且つ冗長化を図ることで、緊急事態のBCP対策にもなると考え導入に至りました」(清水様)。
IPセントレックスの導入に際しては、5社ほどの業者を候補に挙げ検討されていた清水様と熊谷様。その中からリコージャパンを選定した理由は、これまでPBX、LAN/WAN、回線ビジネス及びCTIシステム等をリコージャパンに依頼しており、約20年に及ぶ付き合いの中で培われた信頼関係が最終的には大きかったと振り返られます。
「これまでネットワーク全体をシステム担当の穴久保さんに取りまとめていただいていたので、CTI連携が最重要ポイントであるPBX導入でもスムーズに移行できると考えました」(熊谷様)。
「リコージャパンさんは、技術担当の方を含め当社のニーズをかなり詳細まで把握されていたので、IPセントレックス化にあたっては費用対効果のバランスに優れた提案を頂くとともに、こちらの気づかない点までしっかりフォローして頂くことができました」(清水様)。
2012年12月、東京本社・関西支社・データセンター間をIPセントレックス化されたオークネット様。災害時にも東京本社の業務を止めないよう、関西支社とデータセンターにCX-01(CSM)を冗長化させ導入し、BCP対策を強化されました。それから約6ヶ月後、本社移転が決定し、11月の毎週土日、4週間に渡り順次移転することになりました。移転日時が異なり混乱も予想されましたが、事前にIPセントレックス化してあったことでスムーズに移転を完了することができました。また、リコージャパン担当営業の藤村は、週1度のスパンで行われる工事定例会において、作業進捗管理と課題管理を徹底し、トラブルが起こらないよう定例会を進めました。
「オークションを止めないように、毎週土日、4週間に渡り移転を行ったのですが、キャリアの回線工事を最小限に抑えるなど、スケジュール調整に尽力頂いた藤村さんにはとても感謝しています。」(熊谷様)。
また、清水様は移転作業中に感じたIPセントレックス化のメリットをこのように語ります。「通常であれば移転と同時に電話番号が変わるため、その都度お客様等へアナウンスしなければいけないのですが、IP化しておいたおかげで先に移転したセクションも従来の電話番号をそのまま使えたため、移転完了後に一度のアナウンスで済ませることができました。これは非常に助かりましたね」(清水様)。
昨年12月に本社機能を現在の青山に移転され、オフィスをフリーアドレス化され、IPセントレックスのメリットを存分に活用されています。「今までは席が変わると内線番号も変わってしまいましたが、IP電話や内線PHSなら電話機を持ち歩けばどこでもいつも通りの仕事ができる。このような新しい働き方の実現を通じて、新しい発想、新しいビジネスが生まれることに期待したいですね」(熊谷様)。
最後に清水様が、今後への期待を込めてこのように締めくくって下さいました。「BCP対策の効果は実感しないことが何よりですが、東京本社に集中していたリスクを分散できた安心感は非常に大きいですね。今後も豊富なノウハウとネットワークを活かした、多角的なサポートに期待しています」(清水様)。
株式会社オークネット