ChatGPT/Copilotで総務の仕事を効率化!使い方やポイントを解説
2024年09月26日 07:00
この記事に書いてあること
生成AIのChatGPTや、ChatGPTを利用したMicrosoftのAIアシスタント・Copilot。さまざまな分野での活用が広がっていますが、日々の業務ではどのように活用ができるのでしょうか。
そこで今回は、ChatGPTやCopilotを、総務部門での仕事に役立てる具体策を紹介。活用メリットや、プロンプト(指示)の出し方のコツ、さらにプロンプトの例文もお伝えします。
世界で活用が広がるChatGPT/Copilotとは?
生成AIのChatGPTは、質問や指示を投げかけることで文章や画像などのアウトプットが得られるサービスです。情報収集や文書、資料の作成、要約や翻訳などが可能で、2022年11月に無料の「ChatGPT-3.5」がリリースされて以来、世界のさまざまな分野で活用されています。
そして、ChatGPTを活用したMicrosoftのAIアシスタント機能が、Copilotです。Word、Excel、PowerPoint、Outlook、TeamsなどのMicrosoftのアプリケーション上での業務をAIがサポートします。文書やプレゼンテーションのスライドの自動作成や会議の議事録作成や要約も可能で、会社の運営を司る総務の仕事においても活用ができます。
ChatGPT/Copilotを総務の仕事で活用するメリット
日々の業務を手助けしてくれるChatGPTやCopilot。では、実際に総務の仕事で活用することで、どのようなメリットを得られるのでしょうか?
省力化や業務効率化につながる
ChatGPTやCopilot活用の最大のメリットは、業務効率化です。総務の仕事は、社内文書作成やオフィスや備品の管理、契約や法務関連のチェックなど、多岐にわたります。会社によっては総務部が人事や経理の仕事を担うケースもあり、さまざまな種類の業務を効率的に進める必要があります。
ChatGPTやCopilotは、文書のテンプレート作りや企画出し、記録業務などのデスクワークをサポートすることで、こうした総務の仕事の生産性アップに寄与します。人への負荷が減り、労働環境を改善するほか、作業時間が短縮できた分、新しい取り組みやクリエイティブな仕事に注力できるのもメリットです。
使い方によって仕事の正確性を上げられる
総務の仕事に欠かせない文書作成や手続き業務の精度を高める上でも、ChatGPTやCopilotは役立ちます。生成AIは、文書の誤字脱字のチェックや、オンライン会議の文字起こしや議事録作りもサポートできます。ChatGPTやCopilotをうまく活用すれば、人的ミスを減らし、会社の運営を担う総務部にとって重要な数字管理や記録業務の正確性を上げることができます。
総務でのChatGPT/Copilot活用事例
では、総務の仕事のどのようなシーンでChatGPT/Copilotは活用できるのでしょうか。主な具体策は、次のとおりです。
社内規定などの文書作成
ChatGPTやCopilotは、社内規定やマニュアルの作成に活用できます。ChatGPTやCopilotに、既存のテンプレートやテキストをもとにしたドラフト作成を依頼し、それをベースに社内規定やマニュアルを整えていくことで、効率的に文書を作れます。また、ChatGPTやCopilotは誤字脱字チェックも行えるため、社内で正確な文書を整備することができます。
会議の資料作りや議事録の効率化
資料作りや議事録など、会議に関する業務も効率化ができます。ChatGPTやCopilotを活用すれば、会議のアジェンダや会議用資料をスムーズに作れます。また、ChatGPTやCopilotは会議内容の要約も可能なため、担当者が内容をチェックしながら、議事録をスピーディに仕上げることができます。会社全体や、総務部にとって重要な会議の安定した運営や、関連業務の効率化に役立ちます。
研修や社内イベントの企画
ChatGPTは、総務部が企画・運営する社内研修やイベントの企画立案にも役立ちます。ChatGPTに、研修プログラムやイベントの内容に関する情報収集を依頼すれば、条件や希望に合ったアイディアを効率的に集めることができます。ChatGPTやCopilotは、イベント用の資料作りやプログラム作成にも活用できるため、イベント運営も効率化できます。
勤怠管理表の作成
ChatGPTやCopilotを活用して、勤怠管理シートなど、総務・労務の仕事に必要なエクセルの表も作成できます。勤怠データの集計や関数を含む表もスピーディに作れます。シートのベースを作った上で使いやすく調整していくことができるので、エクセル作業を効率化できます。
ChatGPT/Copilotを総務で活用する上での注意点
総務部門で、ChatGPTやCopilotを業務に有効に活用する上で、注意すべきポイントもあります。
社内規定など、総務が扱う文書は全社の業務に関わる重要な書類です。生成AIはインターネット上の情報などをもとに回答を生成するため、アウトプットの内容が最新ではない場合や、引用元の情報が間違っている場合もあります。そのため、ChatGPTやCopilotが提供する情報を使った文書は必ず、間違いや漏れがないか、人の目で確認しましょう。議事録の作成や会議内容の要約に関しても、ChatGPTやCopilotの作業をうまく活用しながらも、重要事項などの必要な情報が含まれているかどうか、確認して完成させることが大切です。
効果的なプロンプト(指示)の出し方とは?
ChatGPTやCopilotのサポートを効率よく得るためには、的確なプロンプト(指示)を出すことが重要です。Copilotのプロンプトを書く上では、次のポイントを意識しましょう。
プロンプトに必要な4つの要素
ひとつめのポイントは、Copilotのプロンプトに、次の4つの要素を含めることです。それぞれの要素について、できるだけ具体的に書きましょう。
①目標
Copilotでの目標である、知りたい情報や自動化したい作業を具体的に書きます。「社員交流イベントのアイディアを箇条書きで出してほしい」などの指示です。
②コンテキスト(背景)
関係する人や、作業の目的などの背景も書きましょう。「経営層の会議用の資料」など、その文書を使う人やターゲットを伝えます。
③期待
「シンプルにまとめてほしい」「親しみやすいトーンにしてほしい」など、アウトプットに期待することを明記します。
④ソース(情報源)
表やスライド作成を依頼する際は、もとになるデータやテキストなどの参照元も伝えましょう。ワード文書やメールのやりとりなど、ソースを具体的に指定します。
これら4つの要素を網羅しても、一度のプロンプトで期待通りのアウトプットが出ることは少ないため、Copilotとやりとりを繰り返して、回答の精度を高めていきましょう。回答を確認して、回答の方向性が期待と異なる場合や、情報が足りない時は、プロンプトを追加・修正していくのがポイントです。
プロンプト例文が見つかる「Copilot Lab」を活用しよう
Copilotが搭載されたWordなどのアプリには、プロンプトをガイドしてくれる機能があります。Copilotのチャットを立ち上げ、「作成する」などの指示の種類を選択すると、Copilotがプロンプトの候補を提示してくれます。ガイドのステップに従い選択・入力していくことで、目的に合ったプロンプトを作成できます。
また、Copilotの使い方を伝えるMicrosoftのサイト「Copilot Lab」も活用しましょう。Copilot Labでは、Copilotのプロンプトの出し方を解説しているほか、プロンプトの例文を、WordやPowerPointなどのアプリ、作成や編集などのタスク、部署・業界の条件で絞って検索できます。
Copilot Lab
総務で使えるプロンプトの例文
では、実際に総務の仕事で活用できる、Copilotのプロンプトの例文をご紹介します。
●会議資料作り(PowerPoint)
- ・
「Word文書へのリンク」から、事業計画に関するプレゼンテーションを作成してください。
●会議の議事録作り(Teams)
- ・
会議の内容を要約してください。
- ・
会議の要点を箇条書きで書いてください。
●文字量の多いメールを要約する(Outlook)
- ・
このメールを3つの箇条書きに要約してください。
業務効率化のため、まずはChatGPT/Copilotを使ってみよう
総務で働く人をあらゆる面でサポートしてくれるChatGPTやCopilot。繰り返し業務や、手のかかる編集作業などをAIと分業すれば、業務の負荷が減り、それぞれの人が強みを生かした仕事で活躍することができるでしょう。ChatGPTを使い慣れない方は、まずは情報収集や文章の要約などのシンプルな機能から試してみるのがおすすめです。総務部門全体の働き方も改善する業務効率化を進めるため、ChatGPTやCopilotの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
記事執筆
バックオフィスラボ編集部(リコージャパン株式会社運営)
バックオフィスラボは、バックオフィス業務を「総務」「経理」「人事労務」「営業事務」「法務」「経営企画」の6つに分類し、法令解説や最新トレンド紹介など、バックオフィス業務の改善に役立つヒントを発信しています。
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