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クラウドサービスとは?メリット・デメリットや主な種類、導入手順を解説

From: バックオフィスラボ

公開日:2022年08月04日

この記事に書いてあること

2026年2月24日更新

近年、クラウドサービスをビジネスで活用するのは一般的なことになりつつあります。一方で、言葉は知っていても、仕組みや種類の違いまで正確に理解できていない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、クラウド環境の概要やサービスの主な種類、活用するメリットおよびデメリットへの対策について、わかりやすく解説しています。クラウドサービスの基本的な導入手順もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

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そもそもクラウド環境とは

はじめに、クラウドサービスの土台となる「クラウド環境」とは具体的に何を指しているのか確認しておきましょう。

インターネットを介して提供されるサービスの総称

クラウド環境とは、インターネットを介してサーバーやストレージ、ソフトウェアなどのリソースを提供することを指します。ユーザーに対して物理的なパッケージソフトなどを提供するのではなく、インターネットを介してさまざまな機能や仕組みを利用できるようにしたものがクラウドサービスです。

クラウド環境であれば、PCやタブレットといった端末にソフトウェア等をインストールすることなく、Webブラウザや専用アプリからログインするだけで利用できます。また、インターネット環境さえあれば複数の端末で利用できることも特徴の1つです。

オンプレミスとの違い

オンプレミスとは、自社内でシステムを所有・管理する仕組みのことです。社内サーバーを設置したり、専用機器を購入して運用や保守管理を行ったりする形態のことを指します。自社でシステムを構築するため、カスタマイズの自由度が高い反面、機器一式を自社で導入・設置しなければなりません。

一方、クラウドサービスを利用する場合、サービス提供に必要なサーバーやソフトウェアはベンダーが用意するため、ユーザー企業が自社で機器等を準備する必要がありません。初期費用を抑えられる点や、必要なタイミングですぐに利用を開始できる点がオンプレミスとの大きな違いです。

企業におけるクラウドサービスの利用状況

企業におけるクラウドサービスの利用率は年々上昇傾向にあります。2024年時点で53.1%の企業が全社的に利用しており、27.6%の企業が一部の事業所もしくは部門で活用している状況です。全体で80.7%が導入済みであることから、企業におけるクラウドサービスの活用は一般的になりつつあると捉えてよいでしょう。導入企業の主な用途としては、ファイル管理やデータ共有、社内情報の共有、メールの送受信、給与・財務会計・人事、スケジュール共有などが挙げられます。

参照:総務省情報流通行政局|令和6年通信利用動向調査の結果(令和7530日)

クラウドサービスの具体的な活用例は次の記事で解説していますので、あわせてご参照ください。

クラウドサービスで企業改革! 全国クラウド実践大賞にみるクラウドサービスが起こす企業革新とは

提供形態と主なサービスの種類

Saas、Iaas、PaaSの記載のある木のブロック

クラウドサービスと一口に言っても、さまざまな提供形態とサービスの種類があります。それぞれの違いと特徴を押さえておきましょう。

クラウド環境の提供形態

クラウド環境の提供形態には、パブリッククラウド・プライベートクラウド・ハイブリッドクラウド・マルチクラウドの4つがあります。

提供形態 概要
パブリッククラウド 不特定のユーザーを対象に提供されるクラウドサービス。動画配信サービスや音楽配信サービスなど。
プライベートクラウド 特定のユーザーを対象に提供されるクラウドサービス。組織単位で契約するため、カスタマイズ性とセキュリティレベルがパブリッククラウドよりも高い。
ハイブリッドクラウド オンプレミスのシステムとクラウドサービスを連携して利用できるサービス。重要なデータはオンプレミスシステムに保存し、拡張機能をクラウドサービスで補うといった柔軟な運用が可能。
マルチクラウド 複数のクラウドサービスを組み合わせて利用する運用形態。単一ベンダーへの依存回避やコスト最適化、柔軟性の確保などを実現したい場合に用いられる。

クラウドサービスの主な種類

クラウドサービスの主な種類として、SaaSPaaSIaaS3つが挙げられます。

種類 特徴
SaaS(Software as a Service) ソフトウェアをインターネット経由で提供するサービス。物理的なソフトウェアを使わず、会員登録のみで使い始められる。
例:Microsoft 365、Chatwork、Zoomなど
PaaS(Platform as a Service) アプリ開発に必要なプラットフォームをインターネット経由で提供するサービス。環境構築に必要な労力やコストを低減できる。
例:Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud、Microsoft Azureなど
IaaS(Infrastructure as a Service) サーバーやOSなどのインフラをインターネット経由で提供するサービス。開発に必要なインフラを必要な分だけ柔軟に拡張できる。
例:Google Compute Engine(GCE)、さくらのクラウドなど

クラウドサービスのメリット

ノートパソコンを使い、ファイルのアップロードとダウンロードをするビジネスマン

クラウドサービスは、オンプレミスシステムと比べてどのような利用メリットがあるのでしょうか。主な4つのメリットを紹介します。

手軽に導入できる

クラウドサービスはオンプレミスと比べて手軽に導入でき、スピーディーに利用を開始できる点が大きなメリットです。自社でサーバーを設置したり、システムを構築したりする手間をかけることなく、契約直後から即座に利用を始められます。運用開始までの期間を短縮できることに加え、初期費用も抑えられる点が特徴です。

業務に必要な環境構築に技術的な知見が求められないことも、クラウドサービスのメリットといえます。サーバー構築やシステム設計などの工程を省略して、求める機能や仕組みを必要なタイミングですぐに導入可能です。

必要な機能に絞って利用できるサービスもある

クラウドサービスによっては、必要な機能に絞って利用できることもメリットの1つです。料金プランごとに提供されている機能が分かれているサービスや、登録可能なユーザー数が異なるサービスもあるからです。

自社の用途や事業規模に応じて柔軟にプランを使い分けられれば、無駄なコストの発生を回避できます。将来的に事業拡大や利用ユーザー数の増加などに対応する必要に迫られた際にも、システムを改修する手間をかけることなく、プラン変更のみで対応可能です。

保守運用の手間を軽減できる

システムの保守運用に要する手間が軽減されることも、クラウドサービスの活用によって得られる大きなメリットといえます。サーバーやネットワーク機器の管理を自社で行う必要がなくなるほか、随時アップデートされるため法改正などへの対応が迅速化できます。

たとえば会計ソフトの場合、従来のパッケージソフトは税制改正のたびにアップデート版をインストールしたり、追加購入したりする必要がありました。クラウドサービスであれば、ユーザー側で特段の操作をすることなく最新の税制が反映されたプログラムを即時利用できるケースも少なくありません。このように、保守運用が簡素化することはクラウドサービスの強みといえます。

BCP対策の強化につながる

クラウドサービスの活用はBCP対策としても有効です。BCPBusiness Continuity Plan)とは、災害発生時に事業の継続やスムーズな再開に向けて準備しておく計画のことを指します。

クラウドサービスであればデータがクラウド上に随時保存されていくため、事業所が災害の被害に遭った場合もデータが消失するリスクを低減できます。たとえPCなどの端末が使用できない状態になったとしても、新たな端末でログインすれば業務を再開できるからです。BCP強化策の一環として、クラウドサービスを活用してみてはいかがでしょうか。

クラウドサービスのデメリットと対策

オンラインショッピングのグローバルビジネスコンセプトのためのクラウドテクノロジーアイコン

クラウドサービスには多くのメリットがある一方で、デメリットとなり得る面もあります。想定される主なデメリットとその対策について確認しておきましょう。

カスタマイズの自由度が制約される可能性がある

クラウドサービスは、オンプレミスシステムほどカスタマイズの自由度が高くないケースが多く見られます。基本的にはベンダーが提供している機能の範囲内で利用することになるからです。契約プラン内で提供されている機能以外を追加したい場合、実質的に対応できないこともめずらしくありません。

こうした制約への対策としては、自社の用途や導入目的に合ったサービスを選ぶことが挙げられます。将来的に機能の拡張やユーザー数の増加に対応する必要に迫られる可能性があるか、といった点も見越して、複数のプランが提供されているサービスを選ぶとよいでしょう。

サービス提供企業への依存度が高まりやすい

クラウドサービスを提供している企業への依存度が高まる傾向があることも、デメリットの1つです。仕様変更や料金プランの改正、不具合発生時の対応などは、基本的にベンダーに委ねられています。とくに不具合に関しては、業務正常化に向けた復旧プロセスを自社でコントロールできなくなる可能性も否定できません。

対策として、不具合発生時に必要最小限の業務を継続できるよう、代替手段を用意しておくのが得策です。たとえば、CSV形式のファイルを出力できるクラウドサービスであれば、定期的に最新データを出力・保存しておくことで、いざという時にExcelなどで代替できる可能性があります。

セキュリティ対策が求められる

複数の端末からログインして利用できるクラウドサービスのメリットは、セキュリティ上のリスクにもなり得ます。一例として、個人で所有している端末からログインして利用する従業員が現れたり、ウイルス対策が十分に講じられていない端末で利用されたりするリスクに見舞われかねません。

こうした事態を回避するには、社内で運用ルールを明確に定め、周知する必要があるでしょう。適切な運用方法さえ確立されていれば、むしろオンプレミスよりも堅牢なセキュリティ対策が施されているサービスも少なくありません。クラウドサービス=セキュリティレベルが不安、といった先入観に囚われないように注意しましょう。

クラウドサービスの導入手順

同僚と会議室でブレインストーミングを行っている様子の画像

クラウドサービスを導入するにあたって、どのような手順で進めればよいのでしょうか。失敗を未然に防ぐためにも、基本的な導入手順に沿って進めていくことが重要です。

1. 自社が解決したい課題を整理する

はじめに、自社が現状抱えている課題を洗い出し、解決すべき優先順位を付けましょう。クラウドサービスありきで導入を進めると、導入目的や具体的な用途が不明確になりがちです。解決すべき課題を整理した上で、解決策の1つとしてクラウドサービスの導入を位置づけるのが本来の順序といえます。

解決したい課題が明確になっていれば、クラウドサービスに求める機能を絞り込みやすくなります。機能が多ければ多いほど利便性が高まるとは限らない点に注意が必要です。自社にとって不要な機能が多数搭載されたクラウドサービスを選んでしまうと、かえって操作が複雑でわかりにくくなったり、不要な機能のために高額な費用を払うことになったりするおそれがあります。まずは課題を整理し、解決に向けてクラウドサービスを導入することが重要です。

2. 導入すべきサービスを絞り込む

次に、洗い出した課題のうち優先順位の高いものを解決できるサービスを選定していきます。主な選定基準は、自社が必要とする機能が備わっているかどうか、という点です。

既存のシステムとの兼ね合いにも留意しましょう。これまで運用してきたシステムの機能がクラウドサービスに含まれているようなら、クラウドサービスに一本化したほうが利便性を高められる場合もあります。既存システムからデータを移行できるかどうか、といった点も含めて比較検討することで、自社に合ったクラウドサービスを絞り込みやすくなります。

3. 費用対効果を検討する

導入すべきサービスの候補がある程度絞られてきたら、各サービスの料金プランを確認します。利用可能なユーザー数や機能の範囲などを確認し、自社の実態に適したプランが用意されているサービスを選びましょう。

費用対効果を検討する際には、初期費用だけでなく中長期的に得られるメリットの見通しを立てることも重要なポイントです。業務効率化や生産性向上によってどの程度の効果を得られると予想されるか、その効果は料金に見合ったものか、といった視点で慎重に検討することが大切です。

4. セキュリティレベルやサポート体制をチェックする

クラウドサービスを契約するにあたって、セキュリティレベルやサポート体制を十分に確認しておくことも大切です。自社のセキュリティポリシーに適合しているか、不明点や不具合が生じた際にはどのような手段で問い合わせが可能か、詳細に確認しておきましょう。

問題がなければプランを選択して契約し、社内の対象ユーザーに告知します。導入後は操作方法などのレクチャーや研修を適宜実施し、新たなシステムの取り扱いに担当者が戸惑うことのないよう、継続的にフォローしていくことが重要です。

まとめ

クラウドサービスはインターネットを介して提供されるサービスの総称であり、必要なタイミングで必要な機能を手軽に活用できる点が大きなメリットです。一方で、オンプレミスと比べて制約が多くなりがちなことや、サービス提供企業への依存度が高まりやすいといった留意点もあります。自社が解決したい課題を明確にし、費用対効果が見込めるサービスを選定することが重要です。

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記事執筆

バックオフィスラボ編集部 (リコージャパン株式会社運営

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