知っておきたい職場のハラスメント

From: バックオフィスラボ

2022年01月27日 08:00

この記事に書いてあること

経営者の重要な役割として、会社で働く人々のマネジメントがあります。特にモチベーションに大きな影響を与える人間関係に関するマネジメントには常に気を配る必要があります。その中でも近年非常に注目され、課題とされているのが、さまざまな場面でのハラスメントです。

ハラスメント言えば、最初にセクシャルハラスメントが大きな注目を浴びました。近年セクシャルハラスメントは減少傾向にあるといわれていますが、それ以外の「パワーハラスメント」「モラルハラスメント」「マタニティハラスメント」「ジェンダーハラスメント」などが顕在化し、総数としては変わらない状況であるともいわれます。

経営者は強い立場であることから、なかなかこうした社内の状況に気づかず、また知らないうちに自身がハラスメントのような行為をしてしまっている可能性もあります。現在どのようなハラスメントが課題となっているのか、あらためて見ていきましょう。

ハラスメントとは

ハラスメントの判断において大切なのは「相手がどう感じているか」という点です。自分はハラスメントを行っている意識や意図はない、といった当事者側の認識は関係ありません。

価値観の違いで起こりやすいハラスメントの例

  • 男女によって役割を分けている(お茶は女性が出すものと決められている、など)

  • 男性の育児休暇が認められない

  • 上司が部下に遅刻させないための電話を毎朝かける

  • 休日に部下に連絡する(業務時間外の電話対応を要求する、など)

  • 「教えなくてもそのくらいできるだろう!」という意識のもと、できなかった人を叱る

  • 怒るだけで、説明しない

  • 自分が昔受けた厳しい指導を当然だと思い、部下に行う

  • 私生活について口出しする

  • 相手に「女らしさ」「男らしさ」を求める

会社の常識が起こすハラスメントの例

  • 自分の業務が終わっても、職場の雰囲気が邪魔して先に帰れない

  • 妊娠したら退職をするように言われる

  • 職場結婚をしたら退職するように言われる

  • 朝会などの場で、みんなの前で指導という名目で何度も叱責される

  • 現場に時短を求めながらも、時短ができるような環境を作らない

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「怒る」と「叱る」は違うということを認識する

「怒る」と「叱る」を取り違えている方は多いようです。「怒る」とは感情に任せて言葉をぶつけること。「叱る」とは相手の将来まで考えて間違いを指摘し、また間違いを繰り返さないために指導すること。両者は似ているようですが、全く違うものです。

例えば、部下が約束に遅刻してしまった。その時「何やってんだ!役立たず。辞めちまえ!」と怒鳴るのと、「時間を守るというのは、いちばん大切なことだから。今度から15分程度余裕を見て行動しよう」と指導する。
両方ともありがちな言葉のやり取りですが、前者は明らかに相手の人格面まで否定し、傷つけることだけの内容となっています。つまりハラスメントの類いといえるでしょう。

感情にまかせて怒鳴りつけた結果、社員が辞めてしまった場合、募集や社員教育などにかかった費用を考えれば、金銭的にも会社に大きな被害を及ぼすことになります。感情にまかせた言動は慎むようアンガーマネジメントを身に付けておくことが必要です。
特に強い立場にある経営者や上司の方々は、常に気を付けておきたいところです。

ハラスメントに関する教育を行う

ハラスメントは、強い立場の方や、男性が、無意識に行っている場合が多くあります。そしてそのほとんどは、「悪いと思っていない」、つまり「常識を身に付けていない」、「古く間違った常識で今も物事を判断している」という部分があります。

こうした方々の意識を変えていく上でも、経営者が率先して、新しい常識を身に付けるための教育を行う必要があるでしょう。もちろん自身も率先して、正しい価値観、判断基準を身に付けるようにしましょう。

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