テレワーク時代の勤務時間管理

From: バックオフィスラボ

2021年09月27日 08:00

この記事に書いてあること

新型コロナウイルス感染症の拡大とともに、在宅勤務をはじめとしたテレワークが急速に広がりました。

もともと、テレワーク自体は働き方改革の目玉として導入が推奨されていましたが、積極的に導入していた企業は少なかったのが実状でした。

しかし、新型コロナウイルス渦の中、急速にテレワーク化が進み、一部大手メーカーなどでは、出勤者数7割削減に向けた取り組みを自社ウェブサイト上で公開するなどの動きもみられています。
そして、こうした波は大企業だけでなく、中小の企業にも確実に広がっていくとみられています。

多くの企業が社会的な責任としてテレワーク化を進める中、特に課題となっているのがテレワークに対応した労務管理、特に勤務時間管理の方法です。

労務管理の中で最も難しいと考えられている勤務時間管理

テレワークにおける労務管理で最も難しいと考えられているのが、勤務時間の管理です。
テレワークでは、通院や介護、子供の送り迎えなどの私用を仕事の中に挟み込むことが可能で、それ自体は人材確保の上でも大きな利点といわれてきました。その反面、勤務時間の管理は複雑になってしまうという側面があります。

まず、この労働時間の管理方法について調整し、新しいルールを決めておく必要があります。
管理の際の大切なポイントは、「就業時間の管理」と「在席・離席確認」です。

終業時間の管理

就業時間の管理の方法としては、勤怠管理システムを通じた打刻、就業中に常時通信可能な状態を維持する(ビジネスチャットやウェブ会議を起動しておく)などがあります。

こうしたシステムの導入が難しい場合には、メールによる就業時間の報告という方法も考えられます。
メールによる方法なら追加コストは発生しません。しかし、労働時間の集計などに新たな手間がかかる可能性もあります。

これに対し勤怠管理システムは、新たなコストはかかりますが全従業員の労働時間を一元管理し、レポート出力や給与計算との連携も可能です。
また、ウェブ会議システムによる常時通信は、家に居ながら会社にいるような状態となり、勤怠管理も兼ねられ、昨今増えている方法の一つでもあります。

こうした就業時間の管理では、リモート作業の大きな利点でもある、自由度の高い働き方に対応した運用ルールも決めておく必要があります。
先に書いたように、育児や介護を行っている社員は、それぞれの事情で仕事を中断することもあります。こうしたケースでの労働時間管理や情報共有に関する新しいルールも考えておく必要があります。

在席・離席確認

在席・離席確認をきちんと行えるルール作り・システム作りも必要です。
これは、管理する側が勤務状況を正確に把握できるという安心だけでなく、働き手側の気持ちにも安心感を与えます。自分が家でやっている作業は仕事として評価されているか?「家でサボっている」と思われていないか?そんな評価される側の気持ちも解消する効果があります。
現在では多くの企業で、在席・離席確認のためにウェブ会議ツールやビジネスチャットを利用しています。また、専用の在席管理ツールも存在しています。

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テレワーク時代の労務管理

テレワークによる新しい勤務体制では、ご紹介した勤務時間管理以外にも、労務管理全体を、働き方の実態に合ったものに変える必要があります。

基本となる労務管理は、勤務形態や労働時間を規定する「労働基準法」や社員が健康で安全に働くための環境を定めた「労働安全衛生法」、さらに健康保険や年金、労災保険、雇用保険などの保険関連法令や、最低賃金法などの雇用関連法令などにも従わなければなりません。

こうした労働関係法令は頻繁に改正されています。特に現在のような、働き方自体が激変している時代には、常に最新の法令を確認しておく心掛けが必要です。

関連リンク

厚生労働省:労働基準

厚生労働省:労働基準法関連

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