従業員に知ってほしい「経理が細かく確認してくる理由」

2020年08月24日 08:00

この記事に書いてあること

「経理の人って、細かいし、うるさいよね」
精算や仮払いのやり取りの際に、このような心ない発言をする人がいませんか？会社の中には、経理業務やコンプライアンスを正しく理解しない人が少なからずいるものです。

取引先と乗ったタクシーの領収書は？

一例として、「タクシーの領収書は、業務ですか？それとも取引先の接待ですか？」
「書店の領収書の『お品代』は具体的に何を購入しましたか？」
といった経理部門からの問い合わせがあったとします。経理部門としては当然の質問ですが、上記のような社員には「いちいち細かすぎる」と思われたり「疑われてる？」とさえ感じる人もいるようです。

原因として、他部門の従業員が、経理業務をよく知らないということがあります。
特に領収書の精算にかかわる「勘定科目」に関する知識がない、ということが大きいでしょう。
使ったお金はぜんぶ経費、という大雑把な認識のままで、経費ごとに細かく仕分けする必要があることを知らない、ということもあります。

タクシーの領収書については、取引先の接待の場合と、業務上の移動とでは勘定科目が異なるため、経理部門は確認するのです。この場合、前者は接待交際費になり、後者は原則旅費交通費ということになります。
こうしたことは単に領収書を渡されただけではわかりませんので、支払った本人に確認するのです。

書店の領収書については、事業に関係のある書籍の場合は、原則新聞図書費として計上されます。しかし、雑誌などを購入している場合は「雑費」など、別の勘定項目となるのです。

営業が知っておくべき勘定科目

経理部門以外の従業員が、細かな勘定科目まで知っておく必要はありませんが、少なくともこのような分類、仕分けを行っている、ということは最低限、頭に入れておいて損はありません。
特に、営業部門に関係ある勘定科目は次のようなものがありますので、一度目を通しておきましょう。

仕入

材料や商品の仕入など。

外注費

本業に関して外部に仕事を発注した経費など

旅費交通費

通勤交通費や移動交通費、出張費、宿泊費、ガソリン代、高速代など

通信費

電話代、切手代、インターネット接続費など

荷造運賃

宅配便運賃など

広告宣伝費

ホームページなどのWebサイトを外注した場合の作成費、リスティング広告費、チラシ印刷など

会議費

取引先との打合せ飲食費など

交際費

接待交際費、取引先への手土産代、お中元・お歳暮代、仕事上の冠婚葬祭への参加費、ご祝儀、香典代など

減価償却費

1組10万円以上の固定資産について計算した今年分の減価償却費

新聞図書費

仕事上で使用した新聞、雑誌、書籍、DVDなど資料代、メルマガ購読料など

消耗品費

1組10万円未満の備品。
ボールペンや鉛筆等、ノート、ファイル、印鑑、各種封筒、名刺、請求書や領収証等の各種伝票、会計帳簿、コピー用紙やファックス用紙、コピー機用トナー、プリンタ用インク等

雑費

どこにも属さない経費

経理部門の仕事の円滑化に協力しよう

ちなみに、ここで旅費交通費に入れているガソリン代。取り方によって勘定科目が変わることがあります。たとえば「車両費」、「消耗品費」などに仕訳されることもあります。これは業種による事情がおもな理由のようです。
車の使用がメインでない業種などは、自動車関係の費用を一元管理できるので便利という意味で「車両費」にします。逆に車の使用がメインの会社では、ガソリン代を「旅費交通費」に仕分けしていくことで、車両費と別に、ガソリン代がいくらかかっているかをチェックできるようになり、経費の管理をするために便利です。

こうした勘定科目の存在を知った上で、領収書を精算する場合には、精算伝票や申請フォームに何を購入したかについて、記入するよう心がけましょう。（企業によってはあらかじめ項目リストで分類されていますので、そのルールに従いましょう）
煩雑な経理業務の確認作業も減少しますし、経理部門の仕分け作業も支障なく進めることができるようになります。

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