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会議費・交際費・福利厚生費はどう使い分ける?状況別の具体例から適切な勘定科目を解説

From: バックオフィスラボ

公開日:2020年08月24日

この記事に書いてあること

2026年2月24日更新

経費にはさまざまな勘定科目が存在します。飲食代などに適用される「会議費」や「交際費」などはその一例です。どこまでを会議費として処理できるのか、どのような場合に交際費とすべきなのか、判断に迷ったことがある方も多いのではないでしょうか。

この記事では、会議費・交際費・福利厚生費の使い分け方について、状況別の具体例を挙げながらわかりやすく解説しています。交際費の損金算入上限に関する注意点や、飲食代を経費として計上する際に確認しておきたいポイントもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

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会議費・交際費・福利厚生費とは

はじめに、会議費・交際費・福利厚生費とはそれぞれどのような費用のことを表しているのか、本来の意味を確認しておきましょう。

会議費とは

会議費とは、事業に関わりのある会議や打ち合わせのために使われた費用のことです。たとえば、ミーティングに使用した会議室の会場費や、参加者に提供した飲み物や軽食にかかった飲食費、資料代などが挙げられます。会議費は損金算入が認められているため、後述する交際費よりも高い節税効果を得られる点が特徴です。

ただし、会議として損金算入できるのは1人あたり1万円以下です。1人あたり1万円を超える分に関しては、後述する交際費として扱う必要があります。なお、会議費という呼称のとおり、対象となるのはあくまでも会議にかかった費用です。業務上の打ち合わせ場所として明らかに適切ではない場所(バーやクラブなど)での会食等は、たとえ1人あたり1万円以下であっても会議費に含めるべきではありません。

交際費とは

交際費は、事業の関係者と交際するために広く用いられる費用のことです。一例として、会食費や差し入れ・贈答品などの購入費、慶弔費などが挙げられます。交際費の損金算入には上限が設けられている点が会議費との大きな違いです。損金算入が認められている範囲については後述します。

交際費には取引先など社外関係者との交流を深めるための費用のほか、社内交際費も含まれる場合があります。たとえば、一部の社員や役員のみが出席する会食や旅行などは社内交際費に該当するケースです。全従業員を対象とする社内イベント等にかかった費用に関しては、次に挙げる福利厚生費として計上したほうが節税効果を得られるでしょう。

福利厚生費とは

福利厚生費とは、専ら従業員を労う目的で支出される費用のことです。たとえば、社員旅行や社内レクリエーションにかかった費用などが挙げられます。

福利厚生費として計上するには、全従業員が対象者となっている必要があります。一部の従業員や役員のみが対象の場合は、社内交際費として別途処理するのが原則です。ただし、飲食などにかかった費用と同等の金額で別のプログラムなどが用意されており、従業員が任意に選択できるようになっているようなケースでは、福利厚生費として損金算入できる場合があります。

【例1】食事をした場合

接待・会食・飲み会・親睦会でお酌される笑顔のビジネスマン

ここからは、具体的な状況別に会議費・交際費・福利厚生費のいずれの費用として処理するべきかを見ていきましょう。1つめの例として挙げるのは、食事をした際にかかった費用です。

会議費として処理するケース

【例】 社内のチームメンバーでランチミーティングを実施し、参加した従業員6人で合計1万2,000円の食事代がかかった。

飲食をした目的が事業に関わりのある打ち合わせであり、食事代が1人あたり1万円以下に収まっているため、会議費として処理できる場合があります。上記の例は社内関係者のみが参加するミーティングですが、取引先の担当者など社外の関係者が参加する会議や商談の場合も考え方は基本的に同じです。

交際費として処理するケース

【例】 取引先を接待するために割烹料理店を利用し、4人で合計4万8,000円を支払った。

取引先との交流を深めることが目的の会食であり、かつ支出が1人あたり1万円を超えていることから、交際費として処理します。利用した場所が貸会議室やセミナールームといった打ち合わせを目的とした施設ではなく、明らかに飲食のために利用する店舗であることも重要なポイントです。仮に飲食代が1人あたり1万円以下に収まっていたとしても、会議のための会食ではないことが明確であれば、交際費として処理するのが望ましいでしょう。

福利厚生費として処理するケース

【例】 全従業員が参加する社内行事として懇親会を開催し、1人あたり1万円のケータリング代がかかった。

全員参加が原則の社内行事として開催していることから、福利厚生費として計上できます。福利厚生費は一定の要件を満たせば全額を損金算入できることから、節税効果を得られる点が大きなメリットです。

ただし、一部の従業員のみが対象の経費や社会通念上妥当な範囲を超えた支出、現金を支給した場合などは福利厚生費として計上できません。このようなケースでは、状況に応じて社内交際費として処理したり、食事補助などの形で給与として支給したりする必要があります。

【例2】差し入れを購入した場合

胡蝶蘭

差し入れとして物品等を購入した場合も、状況によって適切な勘定科目が異なります。具体的な状況ごとに適切な処理の仕方を確認しておきましょう。

会議費として処理するケース

【例】 取引先との打ち合わせの席でコーヒーとお菓子を提供し、1人あたり2,000円かかった。

事業上必要な打ち合わせであること、飲食代が1人あたり1万円以下に収まっていることから、会議費として処理できる可能性があります。主目的があくまでも打ち合わせであることが重要なポイントです。

打ち合わせの場所が喫茶店やファミリーレストランなどであっても、支出額が1人あたり1万円以下で、かつ目的が打ち合わせであれば会議費として処理して差し支えありません。

交際費として処理するケース

【例】 取引先のオフィス移転祝いに際して胡蝶蘭の鉢植えを贈り、3万円を支出した。

取引先との関係を良好に保つための支出であることから、交際費として計上します。上記の例では胡蝶蘭を贈っていますが、取引先の社長が好きなお酒などを贈った場合も、取引上の合理的な理由があれば交際費として計上して差し支えありません。

ただし、取引先に勤めている知人にプレゼントを個人的に贈るようなケースに関しては、交際費として計上するのは適切ではありません。交際費として計上する費用は、あくまでも会社対会社の付き合い上の出費として、合理的な説明ができる範囲に限られます。

福利厚生費として処理するケース

【例】 休憩室で従業員の誰もが利用できるよう、インスタントコーヒーの詰め合わせを購入した。

全従業員が対象となる物品の購入費は、福利厚生費として計上できます。一部の部署やチームに所属する従業員のみが利用できる経費は対象外となる点に注意が必要です。

たとえば、役員室内にコーヒーメーカーを設置するような場合、従業員の誰もが自由に利用できる状況とはいえません。コーヒーメーカー本体の購入価格が10万円未満であれば、消耗品費として計上するのが一般的です。

【例3】ゴルフをした場合

ゴルフの画像

ゴルフにかかった費用を経費に計上する場合、主に交際費もしくは福利厚生費のいずれかで処理することになります。

交際費として処理するケース

【例】 自社の営業担当者が取引先の重役とともにゴルフコースを回った。

取引先との交流の一環としてゴルフコースを回ったのであれば、交際費として処理するのが適切です。プレー代のほか、飲食代なども交際費に含めて差し支えありません。また、コンペを開催した場合には、景品代なども交際費として処理できます。

一方、ゴルフ用品の購入費や練習にかかった費用などは、個人的な支出のため交際費には含まれません。経費として計上できるのは、あくまでも事業に関わりのある範囲に限られる点に注意が必要です。

福利厚生費として処理するケース

【例】 社内でゴルフコンペを開催し、コンペに参加しない従業員には同等金額の観光コースを用意した。

従業員向けの社内イベントとしてゴルフコンペ等を開催した場合は、その費用を福利厚生費として計上できます。ただし、一部の従業員や役員のみが参加するケースは、福利厚生費の対象外となる点に注意が必要です。

実際には、ゴルフコンペに全従業員が参加するのは現実的ではないことも多いでしょう。そのような場合は、上の例のようにゴルフにかかる費用と同等金額の別メニューを用意するなど、全従業員が対象となる仕組みにしておくことが大切です。

接待ゴルフの経費として認められる範囲や注意点については、次の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

接待ゴルフはどこまで経費になる? 計上できるものや注意点を徹底解説

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交際費の損金算入額上限に注意

交際費の損金算入は無制限に認められているわけではありません。交際費の損金算入額上限は、企業規模(資本金額)によって決められている点に注意が必要です。

交際費の損金算入額上限とは

交際費の損金算入額上限は、資本金が1億円以下の企業と1億円超の企業で基準が異なります。

【資本金1億円以下の企業の場合】
①中小法人に係る損金算入の特例:年間800万円まで
②接待飲食費に係る損金算入の特例:交際費のうち、飲食にかかった費用の50%まで
上記のいずれかが適用されます。

【資本金1億円超の企業の場合】
交際費のうち飲食にかかった費用の50%まで

資本金1億円以下の企業に関しては、かかった経費によって上記2つの特例のいずれを適用するほうが有利になるかが異なります。

例1:交際費(飲食代)が年間900万円の場合

資本金1億円以下の企業で年間900万円の交際費(飲食代)がかかったケースを考えてみます。

  • ①を適用した場合:900万円のうち800万円まで損金算入が可能
  • ②を適用した場合:900万円×50%=450万円まで損金算入が可能

よって、上の例では年間800万円ルールを適用したほうが、より多くの費用を経費として計上できることになります。このように飲食代が年間1,600万円までであれば、800万円ルールを適用したほうが有利になるケースがほとんどです。

例2:交際費(飲食代)が年間1,800万円の場合

では、飲食代が年間1,800万円かかった場合はどうでしょうか。

  • ①を適用した場合:1,800万円のうち800万円まで損金算入が可能
  • ②を適用した場合:1,800万円×50%=900万円まで損金算入が可能

上記のとおり、飲食代が1,600万円を超えているケースでは50%ルールを適用したほうが有利です。

なお、1人あたり1万円以下の飲食費に関しては、このルールによらず全額を損金算入できます(ただし会議費として認められる要件を満たす場合)。したがって、基本的には会食等にかかる費用を1人あたり1万円以下に収めるのが得策です。やむを得ず11万円を超えた分に関しては、年間にかかった費用の合計額が1,600万円を超えているかどうかによって、800万円ルールもしくは50%ルールのいずれを適用すべきか判断するとよいでしょう。

飲食代を経費として計上する際の注意点

会計ソフトに経費を入力する女性

飲食代を経費として計上する際に注意しておきたいポイントを紹介します。税務調査の際に経費として適切かどうか疑義を抱かれたり、否認されたりすることのないよう、日々の経費処理で次の2点を意識しておくことが大切です。

食事をした相手・目的を領収書にメモしておく

飲食代を経費申請する際には、食事をした相手や人数、会食の目的等を領収書に必ずメモしておくことが重要です。領収書に記載されているのは、飲食をした年月日や店名、金額など限られた情報のみとなります。後日領収書と帳簿を照らし合わせた際に、誰と何人で、どのような目的で会食をしたのか、客観的に説明できるようにしておかなければなりません。

経費として認められるかどうかは、合理的な理由が説明できるか否かによって判断されるケースが少なくありません。事業と関わりのない個人的な飲食にかかった費用を経費として計上しているのではないか、といった疑念を抱かれないようにするためにも、領収書にメモを残す習慣を身につけましょう。

法人と個人事業主では基準が異なる

飲食代を損金算入できる金額の基準は、法人と個人事業主では大きく異なります。個人事業主には、損金算入の上限金額そのものが設けられていないからです。

したがって、個人事業主が会議費と交際費のどちらを適用するかは、食事をした目的によって判断する必要があります。たとえば、取引先との打ち合わせが主な目的の場で飲食を伴った場合は会議費、接待を主目的として飲食店等を利用した場合は交際費といった区分けで判断するとよいでしょう。

まとめ

会議費と交際費は、どちらを適用するべきか迷いやすい勘定科目といえます。同じ飲食代であっても、金額や目的、対象者によって会議費と交際費、さらには福利厚生費を使い分ける必要があるからです。今回紹介した具体例を参考に、状況に応じて適切な勘定科目を適用できるよう理解を深めておきましょう。

バックオフィスラボでは、経費で落とせる費用や勘定科目、気をつけるべきポイントをまとめた資料をご用意しております。注意するべき領収書の特徴や、個人事業主が節税のためにできることなどもまとめていますので、ぜひダウンロードしてご活用ください。

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記事執筆

バックオフィスラボ編集部 (リコージャパン株式会社運営

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