小さな会社の経理の効率化を助けるアウトソーシング
2022年09月01日 08:00
この記事に書いてあること
昨今、会社の経理部門はいわゆる経理業務にとどまらず、お金を管理する立場から経営をサポートする役割も求められています。
しかし実務に追われている状況では、こうした「攻め」の業務を行うまでに至らないという悩みがあります。特に小さな会社では経理業務を一人が担当しており、他の業務と兼任しているようなケースも珍しくありません。
経理の基本的な業務をミスなく行うだけでもかなり大きな負担であり、それ以外のことに目を向けられる状況ではないというのが正直なところでしょう。しかし、直接的に利益を生み出す部門ではないため、業務を軽減するために人件費を増やすのも難しいのが実情です。
こうした状況を改善させるための方法の一つとして、経理のアウトソーシングが注目されています。
経理のアウトソーシングとは
社内で行っている業務を外部に委託することをアウトソーシングといいます。経理業務の一部または全てを代行してくれるサービスで、事業規模や業務内容に合わせてさまざまな依頼の仕方が可能です。
まずは専門業者がどのような業務を代行してくれるのか、何を頼めば経理業務の効率化が果たせるのか、またそれぞれの業務を依頼した場合どのくらいの費用がかかるのかをしっかり情報収集し、判断していく必要があります。
経理業務としてひとくくりに考えるのではなく、経理にどのような業務が存在しているのかをしっかり認識し、業務ごとに自社にあった委託を検討していく必要もあります。
例えば経理の基本的な業務内容は、以下の通りです。
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記帳業務
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給与計算
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年末調整
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決算申告・決算書の作成
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売掛金ならびに買掛金の管理
経理をアウトソーシングするメリット
経理業務のアウトソーシングは、どのようなメリットをもたらすのでしょう。
時間を作り出すことができる
ルーティン業務を外部に委託することで、「経営戦略の考案」「財務諸表の分析」といった「攻め」の部分に取り組む時間を生み出すことができます。
堅実な品質担保
経理のプロに任せられるため、ミスや間違いの少ない品質の高い経理業務が保障されます。
人的コストの適正化
経理業務には繁忙期と閑散期が存在します。閑散期には人員に余裕ができるというケースも考えられます。
外部委託の活用によってこうしたケースを解消し、必要な時期に必要な人材を確保することも可能で、コスト的にも軽減される可能性があります。
退職リスクがない
小さな会社では経理担当者が一人というケースもあり、業務やノウハウが俗人化している場合も少なくありません。
そのような状態で経理を担当する社員が突然退職することになった場合、担当者が退職するまでの限られた時間の中で、新しい担当者を配置し引き継ぎを行うのが困難になることも考えられます。
また、新しい担当者の採用や育成にもコストがかかります。
アウトソーシングしていれば、こうしたリスクもある程度抑えることができます。
税法や法改正を細かく把握しなくてよい
社会保険や税制に関する法律は、頻繁に改正が行われます。経理担当者は正しい申告を行うため、こうした改正内容を理解して業務に反映することも求められます。
専門のスタッフが対応するアウトソーシングを利用すれば、最新の法律に従った対応が可能です。
経理のアウトソーシングがもたらすデメリット
次に経理業務のアウトソーシングがもたらすデメリットについても見ていきたいと思います。
人材が育ちにくい
完全に経理業務を外部に任せてしまった場合、当然ですが社内で経理の人材を育てることはできなくなります。
社内でも人材を育て、なおかつ効率的な業務委託を行うにはどうしたらよいのかを判断する必要があるでしょう。冒頭部分で申し上げたような「攻め」の経理人材を社内で育てるため、一定のルーティン作業だけを外部に任せるといった判断も必要でしょう。
コストがかかる
アウトソーシングには必ずコストがかかります。どこまで社内で業務を担当し、どこまで外に業務を委託するのか。委託した場合は、余裕ができた社員にどのような役割を担ってもらうのか、その兼ね合いをしっかり判断する必要があります。
機密情報とセキュリティ
アウトソーシングによって財務情報を社外の業者と共有することになります。依頼先の企業の情報管理体制に不備がある場合、会社の大切な情報が漏えいしてしまう可能性もゼロではありません。
迅速な対応が難しい
アウトソーシングの場合、社内の事情の変化に迅速に対応することができない場合も考えられます。またコミュニケーション、打ち合わせといった調節機能も低下するため、従来の方法を変える部分も発生してくることが考えられます。
いかがだったでしょうか。最も大切なお金に関する仕事をアウトソーシングする。これには単純な業務効率化とは違う側面が存在します。
コストや効率化だけでなく、アウトソーシングすることで何を得たいのかをしっかりと見極めることが大切です。
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