請求書業務のクラウド化・データ化を行う際の注意点
2019年10月01日 08:00
この記事に書いてあること
電子ベースによる請求書送付は、元々紙ベースの請求書を送付するためにWordやExcelで作成していた請求書データをPDFにしてメール送信するだけのため、比較的簡単に導入しやすい施策ですが、いくつか注意すべき点があります。
請求書業務のクラウド化・データ化を行う際の注意点
月末・月初の経理部門の経理業務負担減・業務効率化やコスト削減を目的として、取引先企業への請求書送付を紙ベースではなくPDFなどの電子データやクラウドサービスを使って行う企業が増えてきました。
請求書を電子データ化することのメリット
- 1.
印刷・押印・封入・投函作業を無くすことができる
- 2.
紙代・印刷代・郵送代・人件費などのコストを抑えることができる
- 3.
月初に経理部門に集中する業務負荷を分散し、働き方改革につなげられる
- 4.
送信履歴を確認することができる
特に電子ベースによる請求書送付は、元々紙ベースの請求書を送付するためにWordやExcelで作成していた請求書データをPDFにしてメール送信するだけのため、比較的簡単に導入しやすい施策ですが、いくつか注意すべき点があります。
PDFの請求書をメール送信する際に気を付けるべきこと
- 1.
請求書を送信する「宛先」を間違えないようにする
- 2.
PDFで請求書を発行する際は、必ずパスワードを設定し、編集禁止にしたうえで送信する
- 3.
メールの件名に【請求書添付】などの記載をして注意喚起をする
- 4.
事前に取引先の承認を得る
メールを送信する宛先を間違えてしまったり、PDFで発行した請求書にパスワードを設定せずに送信してしまったりすると、情報漏洩のリスクが高まります。特に請求書には取引内容や金額が書いてあるため、情報漏洩が起きないよう注意が必要です。
企業によっては、紙ベースの請求書しか受領しない場合や、受信メールの添付ファイル容量制限をかけている場合もありますので、紙ベースから電子ベースの請求書に変更する際は、必ず事前に取引先の承認を得るようにしましょう。
請求書への押印については法的拘束力がありません(押印していなくても法律上は問題ありません)が、証憑の信頼性を高めるという意味では、押印してあったほうが良いでしょう。ただし、毎回実際に押印した書類をスキャンすると手間がかかるため、社印をスキャンして電子データ化しておくことをおすすめします。
請求書をクラウド化することのメリット
PDFの請求書をメール添付で送信するのではなく、クラウドサービスを使って送信するという手段もあります。
請求書をクラウド化することのメリット
- 1.
メール添付による請求書送信よりも、さらに情報漏洩リスクが低くなる
- 2.
見積書、発注書、納品書、請求書、領収書などを一元管理できる
- 3.
取引先が請求書を開封した日時を確認できる
- 4.
口座連携により入金消込がカンタンになる
- 5.
会計士や税理士にもデータ共有ができるため、会計処理スピードが高まる
- 6.
顧客別、商品別累計売上などを分析できる
請求書のクラウドサービスを使えば請求書自体の送信をしなくなるため、さらに情報漏洩リスクを低くすることができます。また、見積書から領収書までをWeb上で一元管理できるため、過去に作成した書類を探すことなども必要なくなります。
ネットバンキングとの口座連携により入金消込を自動的に行えば、「支払期日を過ぎているが、まだ入金がない案件」などだけを抽出することができるため、毎月行っている入金消込が非常に楽になります。
請求書のクラウドサービスを比較選定する際の注意点
請求書のクラウドサービスを選ぶ場合の注意点としては、
- 1.
自社が使っているサービスやシステムと連携できるかを確認する
- 2.
基本機能だけでなくオプション機能とその費用も確認する
- 3.
セキュリティ対策が行われているかを確認する
- 4.
サービス提供企業の持続性(倒産やサービス休止などがないか)を確認する
請求書の クラウドサービスについている各機能は素晴らしくても、自社が利用しているサービスやシステムと連携ができないと、効率化にはつながりません。また、基本機能だけでなくどのようなオプション機能があるのかもしっかりと確認をすべきです。
請求書のクラウドサービスを利用し始めた企業からよく聞かれるのが、「取引先が紙ベースの請求書も送付してほしいと言っているが、対応できる人員がいない」という声です。クラウド請求書のオプション機能に「紙ベース請求書の発送代行」などがついていると安心ですね。
請求書のクラウド化・データ化は加速する
仮に毎月500通の請求書を紙ベースで送付する場合、郵送コストに@120円、作業時間に@5分かかるとすると、それぞれ6万円、約42時間もかかってしまいます。請求書のクラウドサービスを利用すれば、サービス利用料以外に郵送コストはゼロ、作業工数も数時間で終えられるため、人件費もかなり削減することができます。
政府の方針や法律改正などもあり、請求書をクラウド送信化する流れは今後ますます加速するでしょう。ぜひ自社にあったサービスを見つけてみてください。
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