社員の転勤・引越で総務がやる仕事
2022年11月17日 08:00
この記事に書いてあること
ある程度の規模の会社であれば「転勤」はつきもの。その際には引越を伴うケースも多いでしょう。社員の転勤・引越には総務も無関係ではありません。
保険関係の手続きはもちろん、業務としての引越には費用面でも会社負担の部分が発生します。今回は転勤、引越にまつわる総務の役割についてまとめてみました。
従業員の引越、総務の仕事は?
従業員の引越に伴って必要となるのが、社会保険(健康保険・厚生年金保険)や労働者名簿などの住所変更です。
社会保険(健康保険・厚生年金保険)その他保険の手続き
社員の住所の変更があった場合は「健康保険・厚生年金保険被保険者住所変更届」を所轄の年金事務所に届け出る必要があります。
また、国民年金第3号被保険者(被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者で、年収が130万円未満の人)である被扶養配偶者(妻)が一緒に引越をする場合は、被扶養配偶者の住所変更も同時に届け出る必要があります。
「雇用保険」に関しては従業員の住所を登録しないため、住所の変更に関する手続きはありません。また「労災保険」についても、企業が保険料を負担しているため従業員の住所変更は必要ありません。
税務関係の手続き
住民税」を給与から天引きで徴収しているケースでは、1月1日から12月31日までの1年間分全額を、その年の1月1日に居住していた自治体に会社から納付することになっています。転勤などにより年の途中で社員が転居した場合には、その年の「給与支払報告書」を旧住所の自治体に提出しておきます。
労働者名簿の更新手続き
会社では各事業場ごとに「労働者名簿」を作成し、氏名や生年月日、住所などを記入することや、変更があった場合はすぐに訂正しなければならないことが義務付けられています。
ほかにも社内で使用している「従業員名簿」や「緊急連絡先名簿」「住所録」などの変更も行います。
引越し費用のうち、会社負担になるケース
引越に関する費用には、会社で負担するものと個人が負担するものがあります。会社負担になる費用について見ていきましょう。
引越費用
引越自体に関わる費用全般は会社負担となるケースが多いようです。
ただし、会社によっては上限がある場合や、指定の引越業者を利用すること、事前に見積書を提出することなどを規則にしている会社が多いようです。
賃貸住宅の修繕費用
賃貸住宅を転居する際に支払う部屋の原状回復費用を会社側で負担するケースもあります。
交通費や宿泊費
住民税」を給与から天引きで徴収しているケースでは、1月1日から12月31日までの1年間分全額を、その年の1月1日に居住していた自治体に会社から納付することになっています。
転勤などにより年の途中で社員が転居した場合には、その年の「給与支払報告書」を旧住所の自治体に提出しておきます。
一時金
引越では、引越費用以外にも何かとお金がかかるもの。その助けとして「一時金」を支給する会社もあります。
引越し費用のうち、個人負担になるケース
個人負担となる費用を見ていきましょう。
新たな電化製品や家具の購入など
引越先の部屋のサイズなどに合わせて、新たに電化製品や家具を買い替えることもあると思います。窓の数やサイズに合わせたカーテンを新調する必要もありそうです。この場合、基本的には自己負担になることが多いようです。
ただし、家具などを運ぶことが難しい海外などへの引越の場合、会社が負担するケースもあります。
特別なものの運搬
ピアノや自家用車、バイクなどは特殊な運送方法が必要となり、通常の引越費用とは別に料金がかかります。
会社によっては一部を負担するケースもありますが、基本的には本人負担となる場合が多いようです。
ただし、家具などを運ぶことが難しい海外などへの引越の場合、会社が負担するケースもあります。
荷造り・荷解き
引越業者によっては、引越時の荷造りや荷時きもサービスとして行っています。ただ費用面では通常よりも高くなってしまうため、このオプション的なサービスは自己負担となることが多いようです。
転勤は期初、期末に集中しがちです。引越準備にもある程度の期間が必要ですので「内示」のタイミングなども含め、混乱がないよう、しっかりと規則を作っておく必要があります。
引越には、引越先の状況や決まりごとに左右される面もあり、さまざまなイレギュラーな案件も発生します。その際にどのような対応が必要であったかも記録として残し、規則作成の一助としていくことも良いでしょう。
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