接待ゴルフはどこまで経費になる? 計上できるものや注意点を徹底解説

From: バックオフィスラボ

2023年11月27日 06:00

この記事に書いてあること

「接待ゴルフ」という言葉を耳にしますが、取引先や顧客とのゴルフは実際のところどこまで経費として認められるのか、その境目が曖昧な人は多いでしょう。また、経理担当者のなかには「どこまでが経費なの?」と聞かれる機会も多々あると思います。

そこでこの記事では、接待ゴルフではどこまでが経費になるのか、経費に計上できるものや注意点を徹底解説していきます。

ゴルフで経費に計上できるもの5つ

さっそくですが、ゴルフで経費に計上できる例を5つ解説していきます。

1. 接待でのプレー費用

1つ目が、接待でのプレー費用です。取引先や顧客と出かけたゴルフの場合、当日のプレー費などは取引先の接待であり、新規顧客の獲得のための支出という名目があるため「交際費」として計上できます。

2. ゴルフ場までかかった交通費

2つ目が、ゴルフ場までの移動にかかった交通費です。ただしすべての交通費が適用されるわけではありません。取引先や顧客が参加する場合のみ計上できます。仕訳もさまざまで、「自社が主催し、取引先や顧客が参加する」ゴルフコンペに向かうタクシー代は「交際費」とします。

また、「他社が主催する」ゴルフコンペの場合は、接待される側として向かうため「交際費」ではなく「旅費交通費」として処理することに留意しましょう。

3. ゴルフ場での飲食代

3つ目が、ゴルフ場での飲食代です。接待ゴルフをする場合、現地で飲食をすることも多いでしょう。こちらも取引先や顧客が参加する場合のみ該当し、従業員同士やプライベートの場合は適用しないため、注意してください。

4. ゴルフコンペの開催費用

4つ目が、ゴルフコンペの開催費用です。取引先や顧客が参加するゴルフコンペを主催する場合、会場の用意や準備などに費用がかかりますが、こちらも経費として計上できます。

5. 法人でのゴルフ場年会費

5つ目が、法人で契約するゴルフ場の年会費です。こちらは後述するゴルフ会員権のことを意味します。ゴルフ場の会員に登録することで、ゴルフ場によっては予約が優先されたり、当日の参加が可能になったりします。しかし個人名義で契約する場合は該当せず、法人名義での契約かつ接待としての利用が必要になります。

ゴルフ会員権の経費精算の方法

先述したように、法人でのゴルフ場年会費は経費となります。では、そもそもゴルフ会員権とはどのようなものなのでしょうか。法人契約・個人契約の違いや仕訳方法を解説していきます。

ゴルフ会員権とは

ゴルフ会員権とは、名前の通り、ゴルフ場を会員として利用する権利を意味します。会員料金でのプレーができたり、優先的に予約をできたりするメリットがあります。

ゴルフ会員権の経費精算方法

ゴルフ会員権には「預託会員制」、「株主会員制」があります。

「預託会員制」は、ゴルフ会員権を得る際に決められた金額をゴルフ場に預ける制度で、優先的にゴルフ場を利用できる権利と、預託金を返還する権利の取得が可能です。国内のゴルフ場では預託会員制を採択しているゴルフ場が多くあります。仕訳上は「投資その他の資産(会員権)」として処理します。

一方、「株主会員制」は、ゴルフ会場権を購入する方法としてそのゴルフ場を経営する会社の株主となる制度です。購入した株式は資産ともなるため、評価が高いとされていますが、採用しているゴルフ場は「預託会員制」より少ないです。仕訳上は「投資有価証券」として処理します。

法人契約の場合

ゴルフ会員権の法人契約の場合は、無記名式と記名式があります。無記名式の場合は法人に所属している人であれば誰でもプレーできます。記名式の場合は定められた記名者以外は利用できません。

ゴルフ法人権の仕訳方法

法人契約の場合は、経費としての処理が可能です。その場合は、年会費だけでなく、事業目的で使用する場合のロッカー代やプレー代が「交際費」として仕訳されます。もし、特定の役員や従業員が業務外でもプレーする場合には「役員報酬」や「給料手当」として処理しなければなりません。

個人契約の場合

ゴルフ会員権は個人契約でも登録が可能です。個人契約の場合は経費になりませんが、個人名義で登録されるためプライベートでもプレーができます。

ゴルフで経費に計上できないもの2つ

続いて、ゴルフで経費に計上できないものを2つご紹介します。

1. 個人の練習代やゴルフ用品

1つ目が、個人の練習代やゴルフ用品です。取引先とのゴルフコンペに向けた練習だとしても、個人で行う以上、経費にはなりません。ゴルフ用品も同様で、たとえ取引先とのゴルフコンペに使うものだとしてもプライベートと兼用する場合は経費にできないため気をつけましょう。もしゴルフ用品を企業として購入する場合は、企業での管理が必要となるうえに、業務に関する範囲でのみの使用に限定されます。

2. ゴルフ保険

2つ目が、ゴルフ保険です。そもそもゴルフは仕事ではありません。そのため、たとえ取引先とのゴルフコンペのための保険金であったり、保険金の受け取り先を企業に設定したりしても経費としては認められないため、注意しましょう。

ゴルフの経費精算における注意点

これまで部分的に解説してきましたが、ゴルフの経費精算においては具体的にどのように気をつけたらいいのでしょうか。この章では、ゴルフの経費精算における注意点を解説していきます。

1. プライベートの領収書が混ざっていないか確認する

まずは、プライベートの領収書が混ざっていないか確認しましょう。プライベートでも日常的にゴルフをする人の場合、接待ゴルフと個人の領収書が混ざり、そのまま経理担当に提出してしまうことも考えられるでしょう。上司や同僚とダブルチェックを行いつつ、日付などと照らし合わせながら接待ゴルフの領収書だけ提出することが大切です。

2. 接待ゴルフの詳細を記録しているか確認する

2つ目が、接待ゴルフの詳細が記録されているか確認することです。税務署では細かい部分までチェックします。万が一のときにも信ぴょう性が増すように、領収書だけではなく、取引先や参加者の氏名など、必要な情報を記録しておきましょう。

接待ゴルフとは? 知っておきたいメリットとデメリット

ちなみにですが、接待ゴルフのメリットやデメリットについてご存知でしょうか。最後にこの章では、経理担当者も知っておきたい接待ゴルフと通常のゴルフとの違いやメリット・デメリットを解説します。

接待ゴルフと通常のゴルフとの違い

接待ゴルフと通常のゴルフとの違いは、取引先が関係しているかどうかにあります。会社のゴルフでもその会社の従業員だけでおこなうゴルフは「通常ゴルフ」となりますが、取引先とのコミュニケーションを目的としたのが「接待ゴルフ」です。

そのため、経費精算する際には、「誰と」プレーをしたのかに気をつけましょう。会社の同僚とだけであれば経費としては認められませんが、社内の年中行事として社内コンペを開催した場合には、要件を満たせば「福利厚生費」で処理できる場合もあります。

接待ゴルフのメリット

接待ゴルフのメリットとしては、先述したようにコミュニケーションの場となることが挙げられます。取引先とのコミュニケーションというと会食が挙げられますが、普段はアポイントを取りづらい重役の人たちとも交流できることがあるのが接待ゴルフのメリットです。そこから良好な関係性を構築でき、業績にもつながることもあるでしょう。

接待ゴルフのデメリット

一方で、接待ゴルフは準備や本番のための練習など個人的に費用がかかることがデメリットとなります。また、企業によっては休日出勤として扱われないこともあるため、働き方改革の観点からも、従業員によっては前向きに取り組めないとも考えられるでしょう。

まとめ

今回の記事では、接待ゴルフのどこまでが経費になるのかを解説していきました。業務に関わるからといってすべてを経費に計上できるわけではありません。経費担当者だけでなく、営業部などよく接待ゴルフを行う従業員も経費として計上できる範囲を把握することで、ミスを減らすことができるでしょう。

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