AI活用で業務効率化?部門別に“使いどころ”を整理(営業/企画/管理)
公開日:2026年03月30日
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Microsoft CopilotやMicrosoft 365 CopilotをはじめとするAIの活用は、いまや一部の専門分野だけでなく、日常業務の効率化を支える手段として広がりつつあります。情報収集や要点整理をはじめ、文書のたたき台作成やメール対応など、AIを活用することで作業時間を短縮できる場面は少なくありません。
しかし、「AIを業務にどう活用すればよいのか分からない」「どの仕事で役立つのかイメージしづらい」と感じるケースも多いのではないでしょうか。AIはすべての業務を自動化してくれる万能ツールではなく、得意とする領域がある一方で、人が担うべき作業や判断も存在します。
本記事では、AIが業務のどの工程で力を発揮しやすいのかを整理した上で、営業・企画・管理といった部門別の“使いどころ”を分かりやすく解説します。
AIは「作業」ではなく「業務プロセス」に効く

AIの活用というと、特定の作業を自動化するツールのように捉えられることも少なくありません。しかし実際には、AIは特定の作業だけを担うというより、業務を進める中で発生するさまざまな工程を支援する形で力を発揮するケースが多く見られます。
例えば、資料作成やメール対応、企画検討といった業務には、情報収集から要点整理、下書き作成や内容確認といった複数の工程が含まれています。AIはこうした工程の一部を支援することで、作業の効率化や業務の進めやすさにつなげられる可能性があります。
そのため、AI活用を考える際は“どの業務をAIに任せるか”ではなく、“業務のどの工程でAIを活用できるか”という視点で捉えることが重要になります。
AIが得意な領域/苦手な領域
AIはさまざまな業務を支援できる可能性を秘めていますが、すべての作業をカバーできるわけではありません。活用を進める上では、AIが得意とする領域と、人が判断や作業を担う領域を整理しておくことが重要です。
一般的にAIが力を発揮しやすいのは、情報の整理や要約、文章の下書き作成といった作業です。大量の情報を短時間でまとめたり、文章の構成案を作成したりといった場面では、人の作業を補助する形で効率化につなげることが可能です。
その一方で、企業固有の事情を踏まえた判断や重要な意思決定などは、人による確認や調整が不可欠です。AIは一般的な情報をもとに回答を生成する仕組みであるため、社内のルールや取引条件といった個別事情まで十分に把握しているわけではありません。
こうした特性を踏まえると、AIは業務全体を置き換えるものというよりも、業務プロセスの中にある特定の工程を支援するツールと捉えると理解しやすくなるでしょう。
業務効率化につながるAI活用の5つの型

日常業務の多くは、ひとつの作業だけで完結するものではありません。情報収集や整理、文章作成、内容確認、コミュニケーションなど、複数の工程が積み重なって進められています。AIはこうした工程の一部を支援することで、業務全体の効率化につなげることができます。
ここでは、日常業務の中でAIが活用しやすい代表的なパターンを「5つの型」として整理します。自分の業務と照らし合わせながら、どの場面で活用できそうかを考える参考にしてみてください。
型1:情報収集・比較・整理(下調べ/論点整理)
AIを比較的活用しやすいのは、情報収集や比較、整理といった“下調べ”の工程です。特定のテーマについて概要を整理したり、複数の選択肢の特徴を比較したりといった場面において、短時間で情報をまとめるツールとして活用できます。
例えば、新しいサービスの概要を調べる、複数の製品の違いを整理する、検討すべき論点を洗い出すといった作業では、AIを活用することで足がかりを作りやすくなります。人がゼロから調査を行う前の“たたき台”として活用することで、情報整理の効率化につなげられます。
型2:要点整理・要約(長文/会議メモ/メール)
長い文章の要点を整理したり、情報を短くまとめたりする作業も、AIを活用しやすい領域のひとつです。資料や記事の要約、会議メモの整理、長いメールの要点把握など、情報を簡潔にまとめる工程で役立ちます。
例えば、長文の資料を読む前に概要を把握したり、会議メモを整理して要点をまとめたりする際にAIを活用することで、内容の理解を進めやすくなります。最終的な確認は人が行うことを前提に、情報整理の初期段階で活用することで業務効率の向上につながります。
型3:たたき台作成(文章・構成・テンプレ化)
文章作成の初期段階、いわゆる“たたき台”を用意する工程も、AIが力を発揮しやすい場面のひとつです。企画書や報告書の構成案、メールの文面、説明文の草案など、文章の出発点となる案を作る際に活用できます。
文章をゼロから書く場合、書き出しや構成を考える段階で時間がかかることも少なくありません。AIを使って構成案や草案を用意しておくことで、それをもとに人が調整しながら仕上げていく進め方が取りやすくなります。最終的な表現や内容の確認は人が行うことを前提に活用することで、文章作成の効率化につながります。
型4:チェック・改善(表現統一/抜け漏れ/リスク観点)
作成した文章や資料を見直す工程でも、AIは補助的な役割を果たします。誤字脱字の確認や文章の表現を整える、内容に抜け漏れがないかを確認する、別の視点から改善点を提示するなど、さまざまな用途で活用が考えられます。
例えば、文章を読みやすく整える、論点の抜けがないかを確認する、想定されるリスクや注意点を整理するといった場面では、第三者の視点に近い形で内容を見直せるため、自分の固定観念にとらわれないチェックが可能になります。
型5:コミュニケーション補助(言い回し/翻訳/要旨化)
AIはコミュニケーションを補助する用途でも活用が期待されています。メールの言い回しを整える、文章を分かりやすく言い換える、外国語の翻訳や要旨の整理を行うといった場面で活用できます。
例えば、伝え方に迷うメールの表現を整えたり、専門的な文章を分かりやすく言い換えたりする際には、AIを使うことで表現の幅を広げやすくなります。翻訳や要旨整理なども含め、コミュニケーションを支援する場面で役立つツールと言えるでしょう。
部門別:営業の“使いどころ”

企業の営業活動では、顧客情報の整理や提案資料の準備をはじめ、会議や商談後のフォローなど、多くの業務が発生します。こうした作業の中には、情報を整理する、文章をまとめる、次のアクションを明確にするといった工程が多く含まれています。
AIはこうした工程の一部を支援することで、営業担当者が顧客対応や提案内容の検討といったより本質的な業務に集中しやすくなります。ここでは、営業活動の中でも特にAIを活用しやすい場面として、「提案準備」と「事後処理」の2つの工程に分けて整理します。
提案準備:顧客理解→仮説→提案骨子
営業活動の準備段階では、顧客の状況を整理し、課題の仮説を立てた上で提案内容の方向性を考えていく必要があります。AIは、こうした思考の整理を支援するツールとして活用しやすいと言えます。
例えば、営業先の企業情報や業界動向を整理しながらヒアリング項目を洗い出したり、想定される課題をもとに提案の構成案を考えたりする際に役立ちます。また、提案時に想定される質問を整理し、あらかじめ回答の方向性を考えておくといった準備にも活用できます。こうした“提案の下準備”を支援することで、営業活動の質を高めることにつながります。
事後処理:やること整理→次アクション化
商談や打ち合わせの後には、議事内容の整理や次のアクションの確認といった作業が発生します。AIはこうした事後処理の工程でも活用が期待されています。
例えば、会議メモや打ち合わせ内容を整理して要点をまとめたり、会話の内容から次に行うべき対応を整理したりする際に役立ちます。また、議論の流れを振り返りながら、行うべきタスクを明確にすることで、次の行動につなげやすくなります。営業活動ではこうした整理作業が日常的に発生するため、AIを補助的に活用することで業務の進行をスムーズにすることができます。
部門別:企画/マーケの“使いどころ”

企画やマーケティングの業務では、市場動向の分析や訴求ポイントの検討など、情報を整理しながら資料作成へとつながる工程が多く含まれています。こうした業務では、発想そのものよりも、仮説を整理しながら選択肢を比較し、施策の妥当性を検証していくプロセスが重要になります。
AIはこうした工程を支援するツールとして活用でき、情報を整理して選択肢を広げたり、検討材料を整えたりする場面で効果を発揮します。
ここでは、企画・マーケティング業務の中で活用しやすい場面として、「市場・競合の整理」と「企画資料作成」の2つの工程に分けて整理します。
市場・競合の整理/訴求軸の棚卸し
企画やマーケティングの初期段階では、市場の動向や競合の状況を整理しながら、自社の強みや訴求軸を検討していく作業が発生します。AIはこうした情報整理の工程で活用しやすいツールと言えます。
例えば、市場や競合の情報を整理しながら、考えられる訴求ポイントや検討すべき視点を洗い出す際に役立ちます。AIが挙げた選択肢をもとに担当者が内容を精査し、方向性を絞り込んでいく進め方も取りやすくなります。AIを候補整理の補助として活用することで、検討の出発点を整えやすくなります。
企画書・資料のたたき台/構成最適化
企画書や提案資料を作成する工程でも、AIは資料作成の下準備を支援するツールとして活用できます。資料の構成を整理したり、説明の流れを整えたりといった場面で補助的な役割を果たします。
例えば、企画書の章立てや資料の構成案を整理したり、説明の流れを見直したりする際に役立ちます。AIが作成した構成案や草案をもとに内容を確認しながら、人が表現や論点を調整していく進め方も取りやすくなります。
部門別:管理(総務/人事/経理/情シス)の“使いどころ”

総務・人事・経理・情報システムといった管理部門では、社内文書の作成や問い合わせ対応など、社内の業務を円滑に進めるための情報整理や文書作成の作業が多く発生します。こうした業務では、内容を分かりやすく整理したり、文章を整えたりする工程が日常的に発生します。
AIはこうした整理の工程を支援するツールとして活用でき、社内文書の下書きを整えたり問い合わせ内容を整理したりすることで、担当者が判断や確認といった本来の業務に集中しやすくなります。
社内文書・規程・申請を分かりやすく整える
管理部門では、社内規程や申請手続き、制度説明など、多くの社内文書を扱います。こうした文書は内容が複雑になりやすく、読み手にとって分かりにくくなる場合も少なくありません。
AIは、文章の要点整理や説明文を分かりやすく整えることを得意としています。こうした特性を活用することで、社内文書を整理する工程を進めやすくなります。例えば、社内規程の内容を要約して説明文を作成したり、申請手続きの流れを整理したりする際に役立ちます。
ただし、制度や規程に関する記述の最終的な判断は、担当者による確認が欠かせません。AIはあくまで文書整理の下準備を支援するツールであり、担当者が必ず確認しながら活用していくことが重要です。
問い合わせ対応の下書き/分類/ナレッジ化
社内から寄せられる問い合わせ対応も、管理部門の日常業務のひとつです。制度の確認や手続きの問い合わせなど、似た内容の質問が繰り返し発生するケースも少なくありません。こうした問い合わせ内容の整理や回答文の下書き作成といった工程においても、AIは補助的なツールとして活用できます。
例えば、問い合わせ内容を分類して整理したり、回答文のたたき台を作成したりすることで対応方針を整理しやすくなります。また、よくある質問と回答をまとめておくことで、社内ナレッジとして蓄積していく際にも役立ちます。
失敗しない進め方|小さく始めて、品質とルールを固める

AIの活用を業務に取り入れる際は、いきなり全社的に展開するのではなく、まずは身近な業務から段階的に進めていくことでスムーズな導入につなげられます。実際の業務の中で使いながら、運用ルールや確認方法を整理していくことで、無理のない形で定着させやすくなります。
また、重要になるのは「情報の扱い」と「回答の品質」をどのように管理するかという点です。AIは便利なツールですが、出力結果の正確性や取り扱う情報の範囲については、あらかじめ基本的なルールを決めておく必要があります。
ここでは、業務でAIを活用する際に押さえておきたい最低限のポイントとして、「情報入力のルール」「確認フロー」「運用の仕組み」の3つの観点を整理します。
ルール:入力してよい情報/NGな情報を決める
AIを業務で活用する際には、どのような情報を入力してよいかをあらかじめ整理しておくことが重要です。機密情報や個人情報、取引先との契約内容など、取り扱いに注意が必要な情報については、社内ルールにもとづいた判断が必要になります。
ただし、すべての情報入力を一律に禁止するのではなく、どの範囲までであれば利用可能なのかを明確にしておくことで、現場での迷いを減らしやすくなります。まずは最低限のルールを決め、実際の利用状況を見ながら調整していくようにしましょう。
品質:確認フロー(根拠確認・レビュー・差戻し)
AIが生成する回答は、必ずしも正確とは限りません。情報の不正確さや表現の揺れが含まれる可能性があるため、結果をそのまま利用するのではなく、人による確認を前提とした運用が求められます。
例えば、重要な資料や社外向けの文書に利用する場合には、根拠となる情報を確認した上で、担当者や上長によるレビューを行うといった確認フローを設けておくと安心です。また、AIの回答には一定の品質のばらつきがあることを前提に、差し戻しや修正ができる仕組みを整えておくことで、品質を保ちながら活用しやすくなります。
定着:プロンプトより“テンプレと運用”を作る
AI活用を定着させるためには、個人の工夫に頼るだけでなく、業務の中で使いやすい形に整えていくことが重要です。とくに効果的なのが、よく使う用途についてテンプレートを用意しておく方法です。
例えば、会議メモの要約、メールの下書き作成、資料構成の整理など、繰り返し発生する業務については、基本となる入力パターンをテンプレートとして整理しておくことで、誰でも同じように活用しやすくなります。個別のプロンプトを覚えることよりも、業務に組み込みやすい運用方法を整えておくことが、AI活用を継続させるポイントです。
AI活用が増えるほど「体感」と「安定性」が必要に

AIの活用が広がると、業務の進め方にも少しずつ変化が生まれます。資料作成の補助や情報整理、文章の下書き作成など、AIを利用する場面が日常業務の中に増えていくためです。
こうした使い方が定着すると、作業の途中でAIを呼び出したり、複数のアプリケーションを同時に利用したりする機会も多くなります。その結果、操作の待ち時間や処理の重さといった“体感的な快適さ”が、業務効率に影響する場面も出てきます。
AIを業務に取り入れていくほど、作業をスムーズに進められる環境や、安定して動作するPC環境の重要性が意識されるようになります。
同時並行が増えると「待ち」や「重さ」が出やすい
Microsoft CopilotやMicrosoft 365 CopilotなどのAIを活用した業務では、ひとつの作業だけを行うのではなく、複数のアプリケーションやツールを同時に使いながら作業を進めるケースが増えていきます。例えば、ブラウザで調査を行いながら資料を作成し、AIに要約や文章の下書きを依頼するといった使い方です。
こうした作業が重なると、アプリケーションの切り替えや処理の待ち時間が発生しやすくなり、作業のテンポが落ちることがあります。とくにAIを利用する場面では、回答の生成やデータ処理が加わるため、PCの動作の快適さや安定性が業務効率に影響するケースも少なくありません。そのため、AIを日常業務で継続的に活用していくほど、スムーズに作業を進められる環境の重要性を実感しやすくなります。
よくある質問
ここでは、AIを業務で活用する際によく挙がる疑問を取り上げ、実務で押さえておきたいポイントを整理します。活用を検討する際の参考として確認しておきましょう。
Q:どの業務から始めると効果が出やすい?
A:まずは“5つの型”の中から、頻度が高い業務から始めるのがおすすめです。
AI活用を検討する際には“どの業務から取り入れるべきか”で迷うケースも少なくありません。こうした場合は、記事内で紹介した“5つの型”の中から、日常業務で頻繁に発生する作業を選ぶと取り組みやすくなります。
例えば、情報整理や要約、文章の下書き作成などは、多くの業務で共通して発生する工程です。まずはこうした作業からAIを試してみることで、業務への取り入れ方や効果を実感しやすくなります。
小さな業務から活用を始め、使い方や運用方法を整理していくことが、無理なく定着させるポイントと言えます。
Q:出力をそのまま使っていい?
A:そのまま利用することは適切ではありません。確認フローを前提に活用することが重要です。
AIが生成する回答は、あくまで作業の出発点や検討材料として提示されるものです。情報の不正確さや表現の揺れが含まれる可能性があるため、内容を確認せずにそのまま利用することは適切とは言えません。
とくに社外向けの資料や重要な意思決定に関わる文書では、事実関係の確認や根拠の裏付けを行うことが欠かせません。AIの回答を参考にしながら、人が最終確認や判断を行うという運用を前提にすることが、業務品質を保ちながら活用するポイントになります。
まとめ|部門別の“使いどころ”が見えると、AI活用は現場で回り出す

Microsoft CopilotやMicrosoft 365 CopilotをはじめとするAIツールは、業務全体を置き換えるものではなく、業務プロセスの中にある特定の工程を支援する存在です。「どこで使えるのか」を部門・業務ごとに整理することが、現場での定着への第一歩となります。
本記事では、AIが活用しやすい業務パターンとして「情報整理」「要約」「たたき台作成」「チェック」「コミュニケーション補助」の5つの型を紹介しました。営業・企画・管理それぞれの使いどころと合わせて、自分の業務に当てはめながら活用を始めてみてください。
AIの出力はあくまで提案です。確認フローと情報管理のルールを整えながら小さく使い始めることで、AI活用は「特別な取り組み」から「日常業務の一部」へと変わっていきます。
AI活用を業務で実践するためのPC環境の整え方については、以下の記事もあわせてご覧ください。
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