Copilot+ PCとは?できること・要件・対応CPUの見方
公開日:2026年03月30日
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AIは情報整理や文章作成、要約など、日常業務を支援するツールとして急速に活用が広がっています。そうした潮流の中で、Microsoft CopilotやMicrosoft 365 CopilotをはじめとするAI機能を業務の中で使う場面も増加傾向にあり、AIをより快適に活用するためのPC環境にも注目が集まるようになりました。
こうした背景の中で登場したのが、AI処理に優れた「Copilot+ PC」です。従来のPCと比べてAI処理に特化した設計が取り入れられており、AI機能をよりスムーズに利用できるPC環境として注目されています。
本記事では、Copilot+ PCの定義・要件・できること・対応CPUの見方を整理します。PC選定の判断材料としてお役立てください。
なお、AIを業務で活用する際の部門別の使いどころについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
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Copilot+ PCはMicrosoftが定義したPCのカテゴリー

Copilot+ PCとは、特定の製品名やアプリケーションを指すものではなく、Microsoftが定義した“新しいPCのカテゴリー”です。Microsoft CopilotやMicrosoft 365 CopilotをはじめとするAI機能を日常的に活用することを前提として設計されており、一定の性能要件を満たしたハードウェアと最新のWindows 11の機能を組み合わせたPCを指します。
これまでのPCは、CPUやメモリといった基本的な性能を中心に選ばれることが一般的でした。しかし、AI機能を活用する場面が増えるにつれて、AI特有の処理に適した仕組みを備えたPCの需要が高まっています。
Copilot+ PCは、こうしたAI時代の利用環境を前提として定義されたPCであり、AI機能をよりスムーズに活用できるよう設計されている点が特徴です。
Copilot+ PCが“PCのカテゴリー”として定義される理由
Copilot+ PCが新たなカテゴリーとして定義された背景には、AI機能をPC上で快適に動作させるために、従来とは異なるハードウェア構成が求められるようになってきた点が挙げられます。
そのためCopilot+ PCでは、AI処理に適したハードウェア要件を満たしたPCをひとつのカテゴリーとして定義し、Windows 11と組み合わせることでAI機能を快適に活用できるPC環境を実現しています。
まずは “40 TOPS以上のNPU” が条件になる

Copilot+ PCの要件として中心に置かれているのが、NPU(Neural Processing Unit)の性能です。MicrosoftはAI機能をPC上で快適に利用するにはAI処理専用の演算能力が必要としており、その基準として「40 TOPS以上」が定められています。
ここでは、AIの演算能力を表すTOPSの考え方や、メモリ・ストレージなど、Copilot+ PCに求められる基本的な要件について整理します。
最低要件チェック(NPU / メモリ / ストレージ)
Copilot+ PCの要件を満たすためには、NPUの性能だけでなく、いくつかのハードウェア条件を満たす必要があります。AI機能をPC上で快適に動作させるためには、PC全体の性能バランスも重要になるためです。
例えば、AI処理を担うNPUに加え、16GB以上のメモリ容量や256GB以上のSSDを搭載するなど、Microsoftが定めた基本要件を満たす構成が求められます。こうした条件を満たすことで、AI機能をローカル環境で実行しやすくなり、よりスムーズな操作体験につながります。
そのためCopilot+ PCを選ぶ際には、搭載されるCPUやPCのブランドだけで判断するのではなく、NPU性能やメモリ構成など、AI処理に関わる要件も含めて検討することが重要になります。
Microsoftが定めるCopilot+ PCの主な最低要件は以下の通りです。
- ・NPU:40 TOPS以上
- ・メモリ(RAM):16GB以上
- ・ストレージ:256GB以上のSSD
- ・OS:Windows 11
Microsoft公式のシステム要件はこちら
「40+ TOPS」って結局なに?
Copilot+ PCの性能を説明する際によく使われる「TOPS」という言葉は、AI処理の演算能力を示す指標です。TOPSは「Tera Operations Per Second」の略で、1秒間にどれだけ多くの演算処理を実行できるかを表しています。例えば、1秒間に1兆回の演算処理が行える場合、その性能は「1TOPS」と表されます。
Copilot+ PCでは、このAI処理性能の目安として、1秒間に40兆回以上の演算処理を行える「40+ TOPS以上」が条件として示されています。これは、PC上でAI機能をスムーズに実行するために必要とされる演算能力の基準と考えると理解しやすくなるでしょう。
ただし、TOPSはあくまでAI処理性能のひとつの目安であり、実際の演算処理速度はCPUやメモリ、ソフトウェアの最適化など複数の要素によって決まります。
Copilot+ PCで“できること”は何か

従来のPCでは、AI機能の多くがクラウド上で処理され、PCはその結果を表示する役割を担うことが一般的でした。ローカルでAI処理を行う場合は、CPUやGPUが演算を担うため処理負荷が高くなり、待ち時間や動作のもたつきを感じることも少なくありません。
一方でCopilot+ PCでは、搭載されるNPUを活用することで、AI処理の一部をローカル環境で実行できるようになります。これにより、従来はCPUやGPUが担ってきた処理を分散しながら実行できるようになり、AIを利用する際の待ち時間や処理負荷を抑えつつ、よりスムーズな操作体験が期待できます。
ここでは、Copilot+ PCによって体感しやすい変化として“業務中の快適さ”と“新しいPC体験”という2つの視点から整理します。
業務で効果的なポイントは待ち時間・作業中断の減少
Microsoft CopilotやMicrosoft 365 CopilotなどのAIを業務で活用する場面では、資料作成や調査、メール対応など、複数のアプリケーションを同時に利用するケースが多くなります。こうした作業では、AIの処理待ちやPCの動作負荷によって作業のテンポが崩れることも少なくありません。
Copilot+ PCでは、一部のAI処理をPC本体で実行する「ローカルAI」を活用できるようになります。これにより、AI処理を担うNPUがCPUやGPUの負荷を分散しながら処理を行えるようになり、情報収集や資料作成、要約といった作業を並行して進める場合でも、業務全体のテンポを保ちやすくなります。
AI活用による業務効率化の部門別の使いどころについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
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Copilot+ PCならではの体験とは?
Copilot+ PCでは、AI処理をPC本体で実行できることを前提に、従来のPCにはなかった新しい機能が提供されています。代表的なものとして以下の3つが挙げられます。
- ・リコール
PC上での過去の作業内容をAIがスナップショットとして記録し、後から自然言語で検索・呼び出せる機能です。「あのとき見ていたファイルはどれか」といった場面での情報の手がかりとして活用できます。 - ・ライブキャプション
音声や動画のリアルタイム字幕生成をオフライン環境でも動作させる機能です。会議や動画コンテンツの内容把握を補助します。 - ・クリエイティブ機能(コクリエイター / 画像生成など)
ペイントアプリやその他のツールで、AIを活用した画像生成・編集を行える機能です。プレゼン資料の素材作成など、クリエイティブ用途での補助として利用できます。
このほかにも、NPUを活用したAI機能は今後も順次拡張されていく予定であり、PCを使った作業そのものをよりスムーズに進められる環境が整えられています。
Copilot+ PC対応CPUの見方「どれが要件を満たすのか」

Copilot+ PCを選ぶ際に多くの人が迷いやすいのが、「どのPCが対象になるのか」という点です。Copilot+ PCは特定の製品名ではなく、Microsoftが定めたハードウェア要件を満たしたPCのカテゴリーであるため、同じCPUブランドでもシリーズや世代によって対応状況が異なります。
そのため、PCを選ぶ際には「Copilot+ PC対応モデル」といった表記だけで判断するのではなく、搭載されているCPUの種類や仕様を把握することが重要になります。
ここでは、Copilot+ PCに対応する主なCPUの種類と、PC選定時に押さえておきたいポイントを整理します。
対応CPUの種類(2026年3月時点)
Copilot+ PCに対応するCPUは、現時点では主に以下の3系統に分類されます。
- ・インテル® Core™ Ultra プロセッサー (200Vシリーズ、シリーズ3)
- ・AMD Ryzen™ AI 300シリーズ
- ・Snapdragon® Xシリーズ
これらのCPUはいずれも、AI処理を担うNPUを搭載している点が共通しています。なかでもインテル® Core™ Ultraシリーズは、従来からWindows PCで広く採用されてきたCPUの流れを引き継ぎながらAI機能への対応を強化したモデルであり、Windows環境との高い親和性を持つ点が特徴です。また、国内外を問わず多くのPCメーカーで採用が進んでいることから、Copilot+ PCを検討する際にも有力な選択肢のひとつと言えます。
実務の落とし穴:CPU名だけで選ぶとズレるポイント
Copilot+ PCを検討する際、前述したCPUのブランド名だけで判断してしまうと、実際の使用感と期待がずれるケースがあります。同じシリーズのCPUでも、世代やモデルによってNPU性能やメモリ構成、放熱設計などが異なるためです。
例えば、インテル® Core™ Ultra プロセッサーの場合、シリーズ3とシリーズ2の200Vモデルのみが40 TOPSを満たしており、Copilot+ PCの要件に対応しています。一方で、200Vモデル以外のシリーズ2製品やシリーズ1では、NPU性能が40 TOPSを満たしておらず、Copilot+ PCの要件には対応していません。
そのため、Copilot+ PCを選ぶ際は、CPU名だけを見るのではなくNPU性能やメモリ構成、PC全体の設計といった要素も含めて確認しましょう。
企業利用なら必ず見る「アプリ互換・周辺機器・運用」
企業でCopilot+ PCを新たに導入する場合には、ハードウェア性能だけでなく、既存のIT環境との互換性も重要になります。とくに業務アプリケーションや周辺機器、社内で利用しているツールとの互換性を事前に確認しておくことが大切です。
例えば、利用している業務アプリケーションがWindows 11環境で問題なく動作するか、社内システムやドライバとの互換性に問題がないかといった点は、導入前に確認しておきたいポイントです。また、既存PCの管理ツールやセキュリティポリシーとの整合性も考慮する必要があります。
こうした運用面の確認をあらかじめ行っておくことで、Copilot+ PCを業務環境にスムーズに組み込めるようになります。
よくある質問
ここでは、Copilot+ PCの導入やPC選びを検討する際によく挙がる疑問を取り上げ、押さえておきたいポイントをQ&A形式で紹介します。
Q:Copilotが使えればCopilot+ PCは不要?
A:用途によって変わります。
Microsoft CopilotやMicrosoft 365 Copilot自体は、Copilot+ PCでなくても利用できます。ただし、演算処理の一部をPC本体で実行するAI機能や、安定した動作環境を重視する場合には、Copilot+ PCを検討する価値があります。AIを日常業務で頻繁に利用するほど、PC性能による体感差を感じやすくなるケースが多くなります。
Q:要件を満たせば、どの端末でも同じ?
A:必ずしも同じとは限りません。
Copilot+ PCは一定のハードウェア要件を満たすPCを指しますが、実際はCPUやNPU性能に加えて、メモリ容量、放熱設計、ソフトウェアの最適化などによって動作の快適さが異なることもあります。また、AI機能の提供状況や利用条件も、OSの更新状況や言語設定などによって変わる場合があります。
まとめ:Copilot+ PCは「業務でAIを回すためのPC要件」

Copilot+ PCは、Microsoft CopilotやMicrosoft 365 CopilotなどのAI機能をPC上で快適に活用することを前提に設計された、新しいPCのカテゴリーです。AI処理を担うNPUを搭載し、一定の性能要件を満たすことで、従来のPCよりもAI機能をスムーズに利用できる環境が整えられています。
本記事では、Copilot+ PCの概要をはじめ、NPU性能の目安となる「40 TOPS」の意味や、対応するCPU、実際の業務で感じやすい体験の違いなどを整理しました。こうしたポイントを理解しておくことで、AI時代のPC選びの基準が見えやすくなります。
重要なのは、単にAI機能が使えるかどうかだけでなく、日常業務の中でAIをどの程度活用するかという点です。AIを業務で継続的に活用していくほど、PCの処理性能と安定性が業務効率に直結します。端末選定の際はスペックだけでなく、業務環境との整合性も含めて確認することをおすすめします。
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