【簡単】文章要約のコツ・やり方とは？｜基本的な書き方とポイント

小説であれば物語の厚みや深みを高めるために文章量が多いことは自然なことですが、ビジネス文章はできる限り短い文章で情報をまとめることが重要です。会議の議事録作成やインタビューの記事制作などで要約作業が必要になりますが、要約する担当者によって仕上がりが変わることが多々あります。この記事では、ビジネスシーンにおいて質の高い要約を作るコツを解説します。

要約とは？

「要約」とは、文章の要点をまとめる作業のことです。
ビジネスや学術などの分野において目を通す文書は、小説作品のような豊かな描写や叙述的表現は避けられます。なぜなら、その文書を読む根本的な目的は「必要な情報を正確かつ効率的に把握すること」であり、小説のようにじっくりと読者を楽しませる必要はないからです。
例えば、会議で録音や録画、文字起こししたテキストデータを残したとします。しかし、それをそのまま社内で共有すると、必要な情報が埋もれてしまい、内容の把握に時間がかかります。会議の重要な部分だけを抽出して要約した「議事録」という形式に加工し共有することで、会議に参加しなかった人も短時間で重要な情報を把握することができます。

要約の書き方のコツ

ビジネス向で文章を要約する場合、「ただ内容を短くまとめる」だけでは不十分なケースがあります。
例えば、会議の議事録のように重要な情報を含む文書では、立場や前提知識が異なる複数の関係者が読むことを想定し、誰にとっても理解しやすい、質の高い要約文にまとめる能力が求められます。ここでは、質の高い要約文をまとめるコツについて解説します。ぜひ参考にしてください。

自分の言葉でまとめる

ビジネス文書に要約する場合は、「自分の言葉でまとめる」ことを意識してください。
要約作業において大切なことは「伝わりやすさ・読みやすさ」です。文字起こしなどの文章表現を原文のまま使用すると伝わりにくくなってしまいます。
そのため、要約作業では原文を読み解いて重要な要素を抽出し、それを多くの人にとって読みやすい形に加工することを意識してまとめることが求められます。
要約元の原文をそのまま引用するのではなく、要点が伝わるよう自分の言葉てまとめなおすことが重要です。

明確で具体的な表現を使う

ビジネス文書に要約する場合は、「明確で具体的な表現を使う」ことを意識してください。
あいまいな言葉を避け、正確かつ具体的な表現を選ぶことが重要です。
要約の目的は「短時間で内容を理解する」ことであるため、小説で使われるようなじっくりと読ませる表現では重要情報を理解するのに時間がかかります。
クリエイティブな作品のように奇をてらった表現は使用せず、誰が見ても同じ意味で解釈できるようなわかりやすい表現だけ使用して要約することが重要です。

重要なキーワードを含める

ビジネス文書に要約する場合は、「重要なキーワードを含める」ことを意識してください。
要約に必要なキーワードや専門用語を適切に盛り込むことで、要約文の質が高まります。要約文は全文が短いことが重要ではありますが、端折りすぎては目的にかないません。
要約文は「短い中に必要な情報が漏れなく入っている」ことが求められるため、要約元の文章で重要な意味を持つキーワードを積極的に盛り込むことで、読み手が要点を正確に把握できる要約に仕上がります。

主張や結論を明確にする

ビジネス文書に要約する場合、「主張・メッセージや伝えたい結論を明確にする」ことを意識してください。会議で行われた議論の主張やメッセージ、結論を要約に含めることで、わかりやすい要約文につながります。
仮に自身が出席していない会議の議事録のために要約するとしても、録音や記録から何が話されたのかをしっかり読み解き、主張やメッセージ、結論を抽出し、まとめることを心がけましょう。

情報を適度に抽象化する

ビジネス文書に要約する場合、「情報を適度に抽象化する」ことを意識してください。
先ほど「キーワードを含める」という話をしましたが、要約前の文章にあるキーワードや情報をそのままの形で要約文に含める必要はありません。要約前の文章がコンパクトにまとまっていたらそのまま記載してもよいのですが、必要な情報を入手できれば良いのですから、長い文章や冗長な情報であれば、繰り返されたり複数個所で似た情報や要素を抜き出し、それら以外は省略して記載すれば十分でしょう。
可能な範囲で詳細な情報は省略し、主要なポイントに焦点を当てることが重要です。

PREP法などのフレームワークを活用する

ビジネス文書で要約する場合、「PREP法」などのフレームワークを活用することも検討してみてください。
PREP法とはPoint（要点）・Reason（理由）・Example（例）・Point（要点）4つの順番で整理する技法です。この技法は何かを説明する時の文章の基本形の１つで、多くのビジネス文書で採用されている形式であるため、この形式を取り入れた要約文は読みやすくなると考えられます。

過度な情報を削除する

ビジネス文書を要約する場合「過剰な情報は削除する」ことを意識しましょう。
本質ではない細部や繰り返しを見つけ、省くことでスリムな文章に仕上げることができます。
要約文は完結で短い文章にまとめることが求められるため、重要度の低い部分を含める必要はなく、冗長な文章は避けましょう。
全文の文字量をおさえるためにも、重要度の高い情報に文章を割くようにしましょう。

要約の書き方の手順

これまで要約作業に携わってこなかった方は、どうやって要約すれば良いのかわからず困惑してしまうのではないでしょうか。質の高い要約文を作成するためには、要約の基本を押さえておくことが大切です。
ここからは要約の書き方の手順を下記の5つに分けて解説します。

• ・文章全体の理解
• ・内容の区分け
• ・要点とキーワードの抽出
• ・要点の整理
• ・要約の作成

それぞれ見ていきましょう。

文章全体の理解

まずは、要約元の文章全体をしっかりと理解しましょう。
要約したいテキストの主題や目的を把握し、全体像を捉えることが要約作業の第一歩となります。要約では「自分の言葉で説明する」ことが重要だと説明しましたが、そのためには要約元の文章が何を説明したいのか、何に重点を置いてテーマを説明しているのかを理解しなければなりません。
ただ文章を読み進めるのではなく、その文章の意図する内容に基づいて、関係者が把握すべき情報を抑えましょう。

内容の区分け

次に、要約の構成を作ります。要約したいことを内容で区分けする作業です。
要約文は、ただ情報を羅列しただけでは読み手が短時間で理解することができません。
関係者が把握すべき情報を分かりやすい単位、例えば段落やセクションで分けることが必要です。
また、より理解してもらいやすくするために、区分けをおこなった後、内容の構成を論理展開の順や自然な流れに整理することも検討しましょう。読み進めてもらうことで理解される情報構成をつくることが求められます。

要点とキーワードの抽出

次に、要点とキーワードを抽出します。
要約元の文章の各セクションから重要なポイントやキーワードを見つけ出し、必要に応じて箇条書きなどの形でまとめ、後で使えるようにしておきましょう。要約文は重要なキーワードを適切に盛り込むことで、伝えたい内容をしっかりと伝えやすくなります。
要約元の文章が全体で何を言いたいのかを把握して、それを伝えることができる適切なキーワードを抽出しましょう。

要点の整理

要約元から要点やキーワードの抽出が完了したら、それらを論理的な順序や読み手が分かりやすい順序で並べ替える作業を行います。
仮に要点を漏れなく抽出できたとしても、それらの展開順序のやり方ひとつで伝わりやすさが大きく変わります。重要なことはキーワードを羅列することではなく、そのキーワードを用いながらしっかりと意図が読み手に伝わるように展開を工夫することです。
読み進める順序を意識して、説明が成立するように要点を記載する順番を考えましょう。

要約の作成

これらの準備が整ったら、いよいよ要約文の作成作業に入ります。
要約文は「自分の言葉で簡潔にまとめる」ことを意識して、明確で読みやすい文章を作成することを心がけましょう。会議の議事録であれば読み手は社内の人に限定されますが、基本的には「誰が見ても同じ水準で理解できる文章」を構成することが求められます。
要点を盛り込みながらも、順番の調整や表現を練り、わかりやすい明確な文章にまとめることを念頭に置いて作業しましょう。

ビジネスでの要約の必要性

会議の議事録や商談の内容を要約することはそれなりの手間がかかりますし、様々な読み手の利害や考えを意識しながら作成するので、神経をすり減らしながら作業しなければならない場面もあります。
それでも、ビジネスにおいて要約がなぜ必要なのかを下記の3つの観点から解説します。

• ・意思決定の迅速化や根拠の記録
• ・コミュニケーションの効率化
• ・時間とコストの節約

それぞれ見ていきましょう。

意思決定の迅速化や根拠の記録

ビジネスにおいては様々な議論や検討を重ね、契約や決裁など意思決定を行います。これには、スピードが求められたり、意思決定の経緯の記録が必要な場合があります。
例えば会議や商談であれば、録音すれば記録は残せます。しかし、長時間の会話や文字起こしデータでは確認のための時間が膨大となってしまい、ビジネスシーンでは実用的ではありません。
読み解くのに時間がかかる文章でも要約をすることにより、重要な情報を短時間で把握できるようになるので、社内で情報共有しやすくなり迅速な意思決定が可能になったり、記録・根拠としての活用もしやすくなります。

コミュニケーションの効率化

ビジネスにおける要約は、社内でのコミュニケーションを効率化するために必要な作業です。
会議のように会社でも重要度の高いやり取りの記録は社内で共有する必要がありますが、要約されていない元の情報のままだと、読み解きに手間がかかり時間が無駄になるだけでなく、読んだ人によって異なる解釈になってしまうリスクもあります。
要約した文章であれば関係者全員が重要なポイントを簡単に共有できるようになり、また、簡潔に情報をしぼることにより誤解を防ぐ効果も期待できます。

時間とコストの節約

ビジネスにおける要約は、従業員の貴重な時間とコストを節約することにもつながります。
社内で共有される情報が、その内容を把握するために時間がかかるものだと、本来の業務に使える時間を奪ってしまいますし、人件費が余計にかかる可能性もあります。
長い文章や会議の内容を短く要約することで、読み手の時間と不要なコストをおさえることができ、生産性向上につながります。

会議の議事録などの要約はツールを活用しよう！

要約のコツを押さえることで、会議の議事録などの質を高めることができるでしょう。
会議の議事録の作成をサポートしてくれるツールとしては「toruno」がおすすめです。
torunoは会議を自動で文字起こしするツールです。文字起こし結果に重要・決定事項・ToDoといったタグ付けができ、音声を聞きながら重要さを再確認もできるので、効率的な要約作業を行うことができます。