Whisperとは? 文字起こしなどの使い方・特徴を徹底解説
2025年06月13日 07:00
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音声認識AI「Whisper」は高精度な音声認識能力と多様な機能を備えており、文字起こしをはじめとした様々な業務の効率化に貢献します。
この記事では、Whisperの特徴や精度、使い方などを詳しく解説し、また参考として他の文字起こしツールもあわせて紹介します。Whisperの導入を検討している方はもちろん、文字起こしツールを比較検討したい方も、ぜひご確認ください。
Whisperとは何か
Whisperは、2022年9月に公開された、OpenAIが開発した高性能な音声認識AIです。オープンソースで提供されているため、誰でも無料で利用できます。
Whisperは、多言語の音声データを高精度でテキスト化できるのが特徴で、MP3やWAVなどの一般的な音声ファイル形式に対応しており、文字起こしや音声翻訳など、様々な用途で活用できます。
Whisperの精度の高さの秘密は、68万時間という膨大な量の多言語音声データで学習されていることにあります。これにより、英語はもちろんのこと、日本語を含む99もの言語の音声を高精度で認識することが可能となりました。
参考: Model Card | Whisper
多くの音声認識システムは特定の言語に特化していることが多いですが、Whisperは多言語対応という点で大きなメリットがあります。グローバルなビジネスシーンや、多言語のコンテンツを扱う際に、Whisperは強力なツールとなるでしょう。
Whisperの特徴
Whisperは、音声認識を必要とするさまざまなシーンで活用できるツールであり、以下のような特徴を備えています。
- ・幅広いファイル形式と言語に対応
- ・日本語を読み取る精度が高い
- ・無料で使える・API連携も可能
それぞれ詳しく見ていきましょう。
幅広いファイル形式と言語に対応
Whisperは、MP3、WAV、M4Aなど、私たちが日常的に利用する音声ファイル形式に幅広く対応しています。音声データの変換に手間取る必要がなく、スムーズにWhisperを利用することができます。
さらに、前述のとおりWhisperは99の言語に対応しています。グローバル化が進む現代において、多言語対応は非常に重要な要素と言えるでしょう。例えば、海外のクライアントとの会議や、多言語で制作された動画コンテンツの文字起こしなど、Whisperは国境を越えて活躍することができます。
日本語を扱う精度が高い
日本語は、文法や発音の複雑さから、音声認識が難しい言語として知られています。しかし、Whisperは長年の研究開発と、膨大な日本語音声データによる学習によって、高い認識精度を実現しました。ビジネスシーンはもちろん、個人の利用においても、ストレスなく利用することができます。
無料で使える・API連携も可能
Whisperはオープンソースで提供されているため、誰でも無料で利用することができます。また、APIを利用する場合でも、比較的導入しやすい低価格に設定されています。
自社システムとの連携や、Webアプリへの組み込みなどにも活用でき、コストを抑えながら音声認識機能を取り入れたい場合に役立つ選択肢となるでしょう。
Whisperの精度
Whisperの大きな魅力の一つは、その高い精度です。研究結果によると、Whisperの日本語音声認識における誤認識率はわずか4.9%という数値を記録しています。
これは、人間が聞き間違える割合とほぼ同等レベルであり、音声認識技術がいかに進化したかを示す好例と言えるでしょう。
さらに、Whisperは日本語だけでなく、英語や中国語、スペイン語など、多様な言語においても高い精度を誇っています。そのため、グローバルなビジネスシーンや、多言語のコンテンツを扱う際にも、Whisperは頼りになる存在となるでしょう。
参考:Whisper|GitHub
参考:Robust Speech Recognition via Large-Scale Weak Supervision | OpenAI
Whisperの使い方
Whisperを使って音声をテキストに変換するには、いくつかの方法があります。プログラミング不要で手軽に使えるWebサービスを利用する方法や、Pythonコードを使って細かくカスタマイズする方法などがあり、目的や技術レベルに応じて選択できます。
以下では、代表的な2つの手順を紹介します。
Whisperで文字起こしする方法その1
まず、簡単に音声をテキストで表示させる方法を解説します。
これは、オープンソースコミュニティの「Hugging Face」でWhisperを使います。手順は下記のとおりです。
- 1.Hugging Faceにアクセスする
- 2.赤枠の「Record from microphone」をクリックして、PCなどに接続されたマイクから音声を直接入力する
- 3.「Stop recording」をクリックして、音声を確認する
- 4.「送信」ボタンをクリックすると文字起こしが出力される
Whisperで文字起こしする方法その2
次に、より本格的に活用したい方向けの方法を解説します。
「Google Colaboratory」というサービスを使用します。これは、ブラウザ上でPythonというプログラミング言語を記述・実行できる環境を提供するサービスです。無料で利用できますが、利用にはGoogleアカウントが必要です。
- 1.Google Colaboratoryにアクセスする
- 2.「ノートブックを開く」が開くので、左下の「ノートブックを新規作成」する
- 3.テキストエディタが出てるので、print("hello Python")と入力して、セルを実行する
- 4.hello Python と出力されることが確認できたら、次に画面右上の「接続」を選択する
- 5.「接続」の箇所が「RAM」と「ディスク」の表示になったら、再度クリックし、右下の「ランタイムのタイプを変更」を選択する
- 6.「ハードウェアアクセラレータ」を「T4 GPU」に変更して保存する
- 7.テキストエディタに !pip install git+https://github.com/openai/whisper.git と入力してセルを実行する
- 8.新しいソースコードを作成し、 import whisper と入力する。その後、実行が完了したら、画面左側のファイルを選択する
- 9.ファイルを選択して、content と書かれたファイルを開く
- 10.content 配下に、PCから音源をアップロードする
- 11.下記のソースコードを入力して、アップロードした音声ファイル名を変えて実行する
model = whisper.load_model("base")
result = model.transcribe(“アップロードした音声ファイル名”)
print(result["text"]) - 12.テキストが生成されたら成功
Whisper以外の文字起こしツール
Whisper以外にも、様々な文字起こしツールがあります。ここでは、代表的なツールをいくつかご紹介します。
toruno
torunoは、AIによる音声認識・文字起こし、議事録作成・編集・共有機能を備えた文字起こしツールです。Whisperと同様に、AI技術を活用して音声をテキスト化します。日本語に特化しており、話し言葉や専門用語にも対応しています。また、話者分離機能やタイムスタンプ機能など、編集作業を効率化する機能も充実しています。
1クリックでAIが会議やセミナーの発言・会話をすぐにテキスト化して表示し、まるごと記録!会議やセミナーの振り返りや共有が劇的に変化します!
Notta
Nottaは、グローバルビジネスにおすすめのAI文字起こしツールです。日本語はもちろん、英語や中国語など、50以上の言語の音声を高精度で認識し、テキスト化することができます。会議やインタビューの音声をリアルタイムで文字起こしできるだけでなく、議事録作成を効率化する機能も充実しています。
Nottaの詳細はこちら
スマート書記
スマート書記は、AIの力で議事録作成を効率化する文字起こしツールです。単に音声をテキスト化するだけでなく、AIが会議の内容を分析し、重要なポイントを自動で要約してくれる機能があります。これにより、長時間の会議でも、要点がまとまった簡潔な議事録をすぐに作成・共有することができます。
スマート書記の詳細はこちら
Rimo Voice
Rimo Voiceは、日本語の文字起こしに特化したAIツールです。会議やインタビュー、講義など、さまざまなシーンで録音された音声を、高精度でテキスト化することができます。日本語特有の言い回しや表現にも対応しています。
Rimo Voiceの詳細はこちら
文字起こしはAIツールの活用がおすすめ
WhisperをはじめとしたAI文字起こしツールは、従来の手作業による文字起こしに比べて、大幅な時間短縮とコスト削減を実現できます。
特に、会議や商談の記録を効率的に管理したい場合は、録音・文字起こし・議事録作成・メンバー共有までを一括で行える toruno のようなオールインワンツールがおすすめです。文字起こしだけでなく、情報の整理や共有までスムーズに進められるため、業務の生産性向上につながります。
AIツールごとの特徴を把握し、用途に応じて適切なツールを使い分けるようにしましょう。
※商標について
※本記事に掲載のその他の会社名および製品名、ロゴマークは各社の商号、商標または登録商標です。
会議まるごと記録サービス(toruno)
文字起こし&議事録作成なら「toruno(トルノ)」がおすすめです。
torunoはリコーが開発・提供しているツールで、Web会議や対面会議を録音・文字起こしできます。また、音声ファイルや動画ファイルのアップロードによる文字起こしもできます。議事録作成の効率化や、情報共有の効率化に利用できます。操作もかんたんで、誰でも利用しやすいのが大きな特徴です。
無料でお試しもできるので、ぜひ一度、詳細をチェックしてみてください。
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