コンテンツマーケティングとは?費用感やSNS活用方法を解説
公開日:2025年12月19日
この記事に書いてあること
マーケティング活動においては、すでにニーズが顕在化している層へ訴求するだけでなく、潜在ニーズを抱えている層といかに接点を築くかが重要なポイントとなります。そのための手法として幅広い業種で活用されているのが「コンテンツマーケティング」と呼ばれる手法です。
この記事では、コンテンツマーケティングの具体的な手法例をはじめ、取り入れるメリット・デメリットや基本的な進め方について、わかりやすく解説しています。コンテンツマーケティングを成功させるコツもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを制作し、継続的な発信を通じて見込み客を創出・育成していく手法のことです。これにより、商品の購買やサービスの利用を通してロイヤルティを高め、最終的にはブランドのファンとして定着させることを目指します。直接的に商品・サービスを訴求するのではなく、あくまでもユーザーの視点に立った情報提供に注力する点が広告との大きな違いです。
コンテンツマーケティングの主な種類
コンテンツマーケティングに用いられるコンテンツには、主にテキスト・動画・画像・音声の4種類があります。
- ・テキスト:ブログなど文章が主体のコンテンツ
- ・動画:映像や音楽、ナレーションを駆使したコンテンツ
- ・画像:図解や図表(インフォグラフィック)によって表現されたコンテンツ
- ・音声:インターネットラジオやオーディオブックなど音声を活用したコンテンツ
このように何らかのコンテンツを用いて情報を発信し、見込み客の創出・育成を実現する手法は、いずれもコンテンツマーケティングに含まれます。
なぜコンテンツマーティングが注目されているのか?
コンテンツマーケティングが注目されている背景には、マーケティング環境の変化があります。WebサイトやSNSの利用が拡大したことでチャネルが多様化し、ユーザーが受け取る情報は膨大な量にのぼるようになりました。ユーザーにとって情報は一方的に提供されるものではなくなり、能動的に入手できるものへと変容しています。そのため、企業側の戦略やアルゴリズムにもとづいて表示される広告が敬遠されつつあるのが実情です。
ユーザーにとって役立つ情報を発信し続けることは、SEO(検索エンジン最適化)効果やROI(投資利益率)の改善、さらにはブランディングにもつながります。だからこそ、ユーザーに寄り添い、価値ある情報を提供し続け、潜在顧客の発掘や消費行動への動機づけを可能にするコンテンツマーケティングが注目されているのです。
コンテンツSEOとどう違う?
コンテンツSEOとは、ユーザーの検索ニーズを分析し、多くのユーザーが求めるコンテンツを提供することで検索流入の増加を目指す手法のことです。インターネットの黎明期には、単にキーワードを詰め込んだ記事や自作自演の被リンクといった、ユーザーファーストとはいえない手法でも検索上位を獲得できました。しかし、検索アルゴリズムが高度化するにつれて、こうした施策では上位表示の実現は困難になっています。
そこで、良質なコンテンツを提供してユーザーの検索ニーズを満たし、結果的に検索エンジンの評価を高めるコンテンツSEOが提唱されました。これはコンテンツマーケティングとも重なる発想ですが、コンテンツSEOがSEO施策の1つであるのに対して、コンテンツマーケティングはより広範囲なマーケティング施策を指している点が主な違いです。
コンテンツマーケティングの具体例

コンテンツマーケティング手法は「情報提供型」と「接点構築型」に大きく分けられます。まずは、情報提供型の4つの手法とそれぞれの目的を見ていきましょう。
■情報提供型:ユーザーに価値ある情報を届けることが主目的
| 手法 | 目的 |
|---|---|
| ① オウンドメディア | 自社サイトやブログで継続的に情報を発信し、ユーザーの理解や信頼を深める。 |
| ② ホワイトペーパー | 専門的な情報を資料として提供し、ユーザーの課題解決や意思決定を支援する。 |
| ③ プレスリリース | メディアを通じて広く情報を届け、信頼性のある情報源として認知されることを目指す。 |
| ④ デモコンテンツ | 商品・サービスの一部を体験してもらうことで、理解を促進し、検討材料を提供する。 |
① オウンドメディア
【手法の概要】
オウンドメディアは、自社で保有するメディアの総称です。Webマーケティングの分野では、自社に関する情報を発信するWebサイトや、ビジネスブログなどを指すケースが多く見られます。
【主な目的】
自社製品やその製品と親和性が高いと思われるユーザーにとって役立つ情報を提供し、製品の認知拡大や企業としてのブランド力の強化を図ることが主な目的です。製品・サービスについて紹介するケースも見られますが、あくまでも情報提供がメインとなる点に特徴があります。
② ホワイトペーパー
【手法の概要】
ホワイトペーパーとは、自社の商品・サービスに関連する専門性の高い情報を提供する資料のことです。特定の分野・領域に関する研究資料や、独自の調査レポートなどをダウンロード形式で提供するケースが多く見られます。
【主な目的】
見込み客の情報を収集することが、ホワイトペーパー施策の主な目的です。ホワイトペーパーをダウンロードする際、ユーザーに企業名や自身の所属部署、連絡先などを入力するよう求める手法がよく見られます。こうして取得した見込み客の情報を、以降の関係構築に役立てるのが一般的です。
③ プレスリリース
【手法の概要】
ニュースメディアなどに自社の記事を取り上げてもらうことで、幅広いユーザーに情報を届ける手法です。新製品や新機能のリリース情報のほか、ホワイトペーパーなどに掲載される調査結果の概要を伝える際に用いられます。
【主な目的】
ニュースメディアはすでに一定の読者数を抱えているため、自社でユーザーを集めなくても多くの人に情報を届けられます。また、既存メディアの信頼性やブランド力を借りることによって信頼性の高い情報として認知してもらうことも、プレスリリースを活用する目的の1つです。
④ デモコンテンツ
【手法の概要】
商品・サービスの一部機能を体験版として提供する手法です。実際に利用できる機会を設けることで、購買に向けた具体的な検討材料を提供します。ユーザーが実際に操作できるデモ製品を無償で提供するほか、デモ動画を配信して使い方や利用メリットなどを紹介することも可能です。
【主な目的】
情報提供にとどまらず、商品・サービスを自らの手で操作する実体験を提供することが主な目的です。とくにBtoB商材の場合、導入に際して社内プレゼンが必要となるケースは少なくありません。実際に操作できる製品を提供することは、具体的な検討段階へと歩を進めてもらうための有力な動機となります。
接点構築型の手法は、ユーザーとの関係性を築くことが主目的です。具体的な手法として、次の3つが挙げられます。
■接点構築型:ユーザーとの関係性を築くことが主目的
| 手法 | 目的 |
|---|---|
| ① セミナー | 参加者との直接的な接点をもち、双方向のコミュニケーションを通じて関係性を深める。 |
| ② メールマガジン | 継続的な接触を通じてエンゲージメントを高め、再訪や行動を促す。 |
| ③ SNS | 拡散力を活かして接触機会を増やし、ユーザーとの距離を縮める。コメントやシェアなどの反応も得られる。 |
① セミナー
【手法の概要】
セミナーとは、専門性の高い知見やノウハウを講演形式で提供することを指します。実際の会場で開催されるセミナー(オフラインセミナー)と、Web上でのリアルタイム放送や動画コンテンツの配信によって提供されるオンラインセミナーがあります。
【主な目的】
自社の商品・サービスに関連性の高い情報に関心を寄せるユーザーを集めることが、セミナーを開催する主な目的です。開催前の申込みや終了時に回収するアンケートなどに記載された情報が、以降の関係構築に活用されるケースが多く見られます。
② メールマガジン
【手法の概要】
メール配信を通じてユーザーにとって有益な情報を提供し、エンゲージメントを強化する手法です。低コストで多くのユーザーに情報を配信できることから、長年にわたりコンテンツマーケティングの手法として用いられています。
【主な目的】
メール本文に記載されているリンクからWebサイトを訪問してもらったり、商品・サービス資料やホワイトペーパーのダウンロードページへと誘導したりすることが主な目的です。既存顧客に対しては、継続利用を促すための接点強化や情報提供の場として活用されています。
③ SNS
【手法の概要】
SNSに自社アカウントを開設し、継続的に投稿していく手法です。アカウント開設のみであれば、ほとんどコストをかけることなく実践できるケースが少なくありません。アカウント開設後は自社内で運用するほか、運用そのものを外注する場合もあります。
【主な目的】
SNSの拡散力を活用することが、この手法の主な目的です。ユーザーが関心を寄せるコンテンツを発信できれば、ごく短期間のうちに多くのユーザーの目にふれることも十分にあり得ます。SNSプラットフォームごとにユーザー層が異なることから、自社のターゲットに応じてSNSを使い分けることも可能です。
コンテンツマーケティングのメリット・デメリット
コンテンツマーケティングには、メリット・デメリットの両面があります。マーケティング手法としての特性を理解した上で、自社にとって取り入れるべき施策かを判断することが大切です。
メリット
- ・自社の資産になる:制作したコンテンツが蓄積され、継続的に集客効果を発揮する
- ・広告費削減につながる:単発の広告と比べて中長期的な成果につながりやすい
- ・信頼性が高まる:有益な情報を提供している企業として信頼度が向上する
- ・拡散される可能性がある:良質なコンテンツはSNSなどで拡散される傾向がある
実際、オウンドメディアの知名度が高まったことにより、「〇〇というサイトを運営している会社」として広く認知されている事例も見られます。一度こうしたポジションを築けば、新規見込み客との接点を創出する「入口」として効果的に機能し続けるでしょう。
デメリット
- ・制作に時間がかかる:良質なコンテンツの制作には多くの時間と労力を要する
- ・即効性は期待できない:商品を直接訴求しないため、短期的な成果にはつながりにくい
- ・成果が見えにくい:直接的な効果を把握するための手段が限られている
コンテンツマーケティングはあくまでも中長期的な効果を狙う施策のため、制作に費やす時間や労力に対して、目に見える効果を実感しにくい面があります。広告のように短期的に成果を得やすい施策とは特性が異なる点を理解した上で、中長期計画を立ててじっくりと取り組むことが重要です。
コンテンツマーケティングの進め方

コンテンツマーケティングの基本的な進め方を紹介します。制作するコンテンツの種類によらず、次に挙げる手順に沿って進めていくことが大切です。
① ペルソナ設計・コンセプト策定
はじめに、情報を届けたい相手(ペルソナ)とコンテンツの方向性(コンセプト)を決めます。誰にどのようなコンテンツを届け、何を解決するのかが不明確なままスタートしてしまうと、施策そのものが迷走しかねないからです。
「製造業の購買担当者」といった大まかなターゲットのみ設定した場合、対象が広すぎて結果的に誰にも響かないコンテンツになるおそれがあります。ペルソナはできるだけ具体的に、実在し得る人物を想定しておくのがポイントです。
② カスタマージャーニーの設計
次に、コンテンツとの最初の接触から優良顧客化に成功するまでの道筋を、ユーザーインサイトとともにまとめていきます。自社側が望んでいるカスタマージャーニーを設計するのではなく、あくまでもユーザーの視点に立って検討することが大切です。
たとえば、制作したコンテンツの1つを目にしただけでは、即時購買にはつながらないでしょう。繰り返しコンテンツに接触してもらうにはどうすればいいか、その過程でどのようなことがきっかけとなって購買を検討し始めるのか、ユーザーの心理や感情を深掘りしていく必要があります。
③ コンテンツ設計
想定されるユーザーインサイトを元に、検索キーワードの候補を挙げていきます。単に検索数が多い/少ないといった数値のみに着目するのではなく、検索意図をじっくりと考えるのがポイントです。
一般的に、検索意図には「Know(知りたい)」「Do(実行したい)」「Go(行きたい)」「Buy(買いたい)」の4タイプがあるといわれています。基本のスタンスとしては「Know」クエリを満たすことが先決ですが、興味関心を寄せたユーザーをいかにして「Do」や「Buy」へと導けばいいのか、キーワード選定の段階から十分に検討しておくことが大切です。
④ KPIの設定
前述のとおり、コンテンツマーケティングは具体的な成果を測るための指標を設定しにくい面があります。そのため、集客・育成・拡散の各フェーズにおけるKPIを定めておくことが重要です。
ただし、施策を実行し始めた当初は、具体的な集客効果が数値として表れない可能性があります。はじめは制作点数や公開数といった行動ベースのKPIを設定し、徐々にPVや読了率、LPなどへの送客数、CVといった成果ベースのKPIへと移行していくのも1つの考え方です。
⑤ コンテンツ制作
ペルソナにとって有益な情報を届けるためのコンテンツを制作していきます。検索ニーズやユーザーインサイトに立ち返り、ニーズに応えるコンテンツを常に目指すことが重要です。
商品LPや資料ダウンロードページなどへ誘導するためのCTA(Call To Action)を設置する際には、リンク先との関係性が高い場所に設置することをおすすめします。「誘導したい」のは、あくまでも企業側が望んでいることにすぎません。ユーザーが興味関心に沿って自然な形でリンク先を参照できるよう、導線を設計しましょう。
⑥ 公開・調整
コンテンツを公開した後は、検索順位や流入数、クリック数/率などを分析し、改善を図っていきます。記事コンテンツであれば定期的にリライトしたり、メールマガジンであれば配信する曜日・時間帯を変えたりするなどして、改善を重ねていくことが重要です。
こうした調整を行う際には、データにもとづいて判断するのがポイントです。どのような改善策を講じたことで結果がどう変わったのか、ノウハウが蓄積されていくことで再現性の高い施策を講じやすくなっていくでしょう。
コンテンツマーケティングを成功させるコツ

コンテンツマーケティングを成功させるには、いくつか意識しておきたい点があります。次に挙げる3つのコツを押さえて、求める効果が得られる施策を実現しましょう。
費用対効果を見誤らないようにする
コンテンツマーケティングを無理なく継続するには、費用対効果を適切に見極めることが大切です。費用をかければ成功率が高まるというものではないため、中長期的な視点でかけるべき費用・削るべき費用を判断する必要があります。
一般的な費用の相場として、オウンドメディア(Webサイト)運営のケースを紹介します。
- ・Webサイト制作:初期費用100〜300万円、月額費用3〜20万円
- ・コンテンツ制作:5〜20万円/本
- ・分析・改善:20〜40万円
上記はあくまでも一例のため、制作するコンテンツの種類や運営するメディアの規模などによって変動する可能性があります。ただし、一般的な相場と比べてあまりにも高い/安い場合には、費用感を再検討しておく余地は十分にあるでしょう。
継続的な情報発信が可能な体制を整える
良質なコンテンツを発信し続けていくには、安定した制作が可能な体制を整える必要があります。可能な限り、コンテンツマーケティング専任の責任者・担当者を配置するのが望ましいでしょう。
他業務と兼務せざるを得ない場合には、一人あたりの業務量に留意しなければなりません。本来の担当業務が多忙で、コンテンツマーケティングまで手が回らないといった状況に陥ることのないよう、業務量を適宜調整することをおすすめします。
SNSを有効活用する
すべてのコンテンツマーケティング施策において、SNSの活用が重要な鍵を握っています。SNSの拡散力を効果的に活用して、自社メディアの知名度向上を図りましょう。
たとえば、コンテンツ内にSNSシェアボタンを設置したり、自社のSNSアカウントで新規コンテンツを紹介したりすることで、ユーザーとの接触機会を拡大できます。必要に応じてSNS広告を出稿するなど、流入経路を多角化していくことが大切です。
ターゲットのニーズを優先したコンテンツ作りが成功への近道
コンテンツマーケティングに活用できる媒体は数多くありますが、どの手段を選ぶ場合も重要視しておく必要があるのは「ターゲットのニーズに応えること」です。ユーザーファーストでコンテンツ制作を進めていくことが、信頼されるメディアの構築につながります。今回紹介したコンテンツマーケティングの進め方と成功させるコツを参考に、ユーザーにとって有益な情報を提供し続けるメディアの構築を目指してください。
記事執筆
ダイレクトマーケティングラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営)
「ダイレクトマーケティングラボ」では、デジタルと紙の特性を理解しているリコーが、販売促進やマーケティングに携わるすべての方に、企業と顧客との最適なコミュニケーション施策のヒントをお届けします。
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