CTAボタンとは?CV改善につながるデザインと成功事例から学ぶ施策のポイント
2019年02月21日 00:00
この記事に書いてあること
【2025年11月14日更新】
Webサイトを運営する上で、成果の目安となるCV(コンバージョン)数やCV率は非常に重要な指標の1つです。ユーザーの行動を促すCTAは、こうした指標に直結する要素といえます。
この記事では、CTAボタンを作成するコツや、CVにつながるCTAボタンのデザイン要素についてわかりやすく解説しています。効果的なCTAボタンの設置が成果につながった事例とともに見ていきましょう。
CTAボタンとは
はじめに、そもそもCTAとは何か、CTAボタンの特徴とあわせて解説します。CTAボタンの改善が重要とされている背景を理解しておくことが大切です。
CTA=Call To Action
CTA(Call To Action)は、日本語では「行動喚起」と訳されます。たとえば、資料請求や商品購入、会員登録といったように、Webサイトを運営する上でユーザーに期待する行動があるとしましょう。この行動を促すための要素がCTAに当たります。
CTAボタンとは、ユーザーにクリックを促すためのボタンのことです。「資料請求はこちら」「商品の詳細を見る」といったように、遷移先のページに誘導するための文言とともに設置されるケースが多く見られます。
CTAボタンの特徴
CTAボタンのデザインに決まりはありません。一般的には、次の要素から構成されたCTAボタンが多くのWebサイトに設置されています。
- ・マイクロコピー:CTAボタンの上部に配置されるテキスト
- ・ラベリング:ボタン上に表示されるテキスト
たとえば、「かんたん10秒・完全無料」というマイクロコピーとともに、「資料請求はこちら」とラベリングを施すことにより、ユーザーが資料を請求する心理的ハードルを下げる効果が期待できます。
CTAボタンの改善はなぜ重要?
CTAボタンは何を設置してもよいというものではなく、そのデザインや表示するコピーを工夫することが重要とされています。これは、CTAボタンのデザインや設置場所によって、CVが大きく変動するケースが少なくないからです。
実際、CTAボタンの設置場所を変更したり、マイクロコピーを変えたりすることで、CVが大きく改善する可能性は十分にあります。もちろんCVは複合的な要因によって変動しますが、CTAがこの中でも重要な要素であることは間違いないでしょう。
CTAボタンを作成する10のコツ

では、CTAボタンを改善するにはどういった点に着目すればよいのでしょうか。取り入れておきたい10のコツを紹介します。
1. 簡潔な言葉で行動を促す
マイクロコピーやラベリングは、できるだけ簡潔な言葉で記載しましょう。多くの要素を詰め込んだり、文字数が多くなりすぎたりすると、かえって伝わりにくくなる傾向があります。CTAはワンメッセージでシンプルに構成するのが鉄則です。訴求すべきメッセージに優先順位をつけ、とくに訴えかけたい事柄を前面に打ち出すことが成功の鍵といえます。
2. ユーザーにとってのメリットを打ち出す
ボタンをクリックすることで、ユーザーがどのようなメリットを得られるのかを具体的に伝えることも重要なポイントといえます。クリックすること自体にはさほど労力がかからないものの、ユーザーは自分にとってメリットが感じられない行動を選択しない傾向があるからです。
たとえば、「商品の詳細はこちら」とだけ表示されていた場合、その商品に強い興味関心を抱いているユーザー以外はクリックしないでしょう。「限定価格10%オフ」「購入者特典を受け取る」など、クリックすることで得られる価値を具体的に伝えることが大切です。
3. 負担感の少ない言葉で導く
CTAボタンをクリックするかどうかをユーザーが判断する際、無意識のうちにその負担感を意識しているものです。「簡単1分で完了」など、ユーザーに負担をかけないイメージを伝える文言を配置しましょう。
また、リンク先の内容がイメージできるよう配慮することも重要です。遷移先がどのようなページなのか想像できないと、ユーザーは不安を感じてクリックを避ける可能性があります。クリックすることで何ができるのか、明確に伝えるのがポイントです。
4. クリックできる箇所であることを明示する
そもそもCTAボタンをクリックできることが伝わっていないと、ユーザーはボタンの存在に気づかず読み流してしまいがちです。マウスオーバーした際にボタンの色が変化するデザインにしたり、物理的なボタンを連想させる立体的なデザインを施したりすることで、クリックできる箇所であることを明示しましょう。
5. 色が与える心理効果を考慮する
ボタンの色が与える心理効果を十分に考慮しておくことも重要です。一般的に赤系のボタンはインパクトが強く、青系や緑系のボタンは肯定的なイメージや信頼感をもたらす傾向があります。実際、大手ECサービスでは商品によって「カートに入れる」ボタンの色を変えたところ、購入に至る確率が大きく変動したという事例があるほどです。
色による心理効果は解明されていない面も多々あることから、ブランドイメージや商品に適したボタン色はA/Bテストを通じて検証を重ねるしかありません。地道な検証と改善を重ね、最適な組み合わせを模索していくことが大切です。
6. ボタンの存在を際立たせる
CTAボタンの存在を際立たせ、ユーザーの目に留まるようにしましょう。ページ内の他要素にボタンが埋もれてしまわないよう、他の要素とは異なるアクセントカラーを用いるのが得策です。たとえば、ページ全体が青系の色味で統一されているのであれば、CTAボタンにはあえて赤系のデザインを採用する、といった施策が想定されます。
7. 主張のしすぎや唐突感を避ける
CTAボタンを目立たせることは重要ですが、ボタン自体が主張しすぎて統一感に欠ける印象を与えないように注意しましょう。ユーザーにとって、「目に留まること」と「売り込まれていると感じること」は紙一重です。あまりにも奇抜な色を用いたり、ボタンのサイズを大きくしすぎたりすると、かえって一定数のユーザーから敬遠されかねません。成果が出ている他社サイトを参考にしつつ、唐突感のない自然なボタンのデザイン・配置にすることが大切です。
8. 視覚的な要素を強化する
マイクロコピーやラベリングには、テキストのほか画像やイラストを配置することも可能です。文字情報以外の視覚的要素を取り入れることでインパクトが強化され、ユーザーの目に留まりやすくなります。また、ごく短時間のうちに伝わる情報量がテキストよりも増加するため、複雑なメッセージもスムーズに伝わる点が大きなメリットです。
9. サイト全体のイメージと調和したボタン形状を採用する
ボタンの形状がサイト全体のイメージに馴染んでいるかどうかも、重視しておきたいポイントの1つです。たとえば、親しみやすさや温かみを感じさせるサイトイメージであれば、ボタンの形状も角ばったものより丸みを帯びているほうが調和するでしょう。反対に、信頼性や安定感が重要なジャンルであれば、スクエア型のボタンのほうが好ましい場合もあります。訴求する商品・サービスの特性を踏まえて、ボタンの形状を検討することが大切です。
10. ユーザーの視線の動きを考慮する
ユーザーがサイトを閲覧する際の視線の動きを考慮しましょう。基本的に、ユーザーはページを上から下方向へ、左から右方向へと順に見ていきます。この視線の動きの中でCTAボタンがどのタイミングで視界に入ってくるのかを、ユーザーの立場になって検討する必要があります。
たとえば、CTAボタンをコンテンツの冒頭に配置した場合、「資料請求ができるらしい」「このサイトから商品購入ページへ飛べるようだ」と認識してもらうことは可能でしょう。一方で、ユーザーはまだコンテンツに目を通していないため、この時点でクリックしてもらえる可能性は決して高くはありません。コンテンツの中盤や末尾にもCTAボタンを設置することにより、「資料請求をする」「商品詳細ページを閲覧する」といった具体的な行動をあらためて促せるのです。
CV改善につながるCTAボタンのデザイン要素

前述のとおり、CTAボタンのデザインはCVに大きく影響する要素といえます。では、どのようなデザインがCV改善に寄与するのでしょうか。押さえておきたいデザイン要素のポイントを見ていきましょう。
目立つ配色
1つめのポイントは、CTAボタンの「色」です。ユーザーの目に留まりやすくするには、目立つ配色にするのが望ましいでしょう。一般的には、サイト全体のメインカラーに対して補色の関係にあるボタンカラーを採用することで、他の要素よりも目立ちやすくなります。
たとえば、サイトのメインカラーが青系であればボタンは赤系、メインカラーが緑系ならボタンはオレンジ系にすると、CTAボタンの存在が際立つでしょう。
サイズの最適化
ボタンのサイズも慎重に検討しておきたい要素といえます。近年はWebサイトを閲覧する環境が多様化しているため、PCのほかスマートフォンやタブレットでの表示に関しても考慮しておかなくてはなりません。画面サイズごとに最適化されているか、複数のデバイスで表示を確認しましょう。
なお、CTAボタンのサイズは大きければよいというものではありません。不自然に大きいCTAボタンが設置されていると、コンテンツを閲覧しにくくなってしまうおそれがあります。ユーザーはあくまでもコンテンツに関心を寄せていることを念頭に置き、自然なサイズ感を意識することが大切です。
対象を意識した形状
CTAボタンの形状が、対象となるユーザーにとって受け入れられやすいかどうかも検討しておく必要があります。ターゲットの年齢層や性別、訴求したい商材のイメージなどに合わせてボタンの形状を使い分けましょう。
ただし、ユーザーの嗜好を必ずしも企業側が想定し切れているとは限りません。複数のボタン形状をA/Bテストを通じて検証し、試行錯誤を繰り返しながら改善を図っていくことが重要です。
自然な統一感
CTAボタンを目立たせる必要がある一方で、ボタンだけが不自然に主張しすぎることのないよう注意が必要です。サイト全体のイメージに馴染まない色にしたり、サイズを大きくしすぎたりすることのないよう留意しましょう。
CTAボタンの主張が強すぎるとユーザーが宣伝色を感じ取ってしまい、むしろ敬遠されることにもなりかねません。自然な統一感が保たれているか、複数名の目で確認することをおすすめします。
アニメーションの活用
アニメーション効果を活用したCTAボタンを設置する方法もおすすめです。光や動きのある表現を取り入れることで、ボタンに視線が集まりやすくなります。
具体的には、ボタンが一定間隔で光るデザインや、振動するアクションを加えたデザインなどが想定されます。なお、こうした表現は強いインパクトをもたらすことから、「ボタンの動きが気になってコンテンツが頭に入ってこない」とユーザーが感じることのないよう、十分に配慮しましょう。
インタラクティブな表現
ユーザーの操作に応じてCTAボタンの外観が変化する仕組みにするのも効果的です。よく用いられる手法として、マウスオーバー時にボタンの色が変わったり、動きが加わったりする効果が挙げられます。
こうしたインタラクティブな表現を駆使することで、CTAボタンがクリックできる箇所だと伝える効果が期待できます。クリックされる確率を高めたい場合に、取り入れておきたい手法の1つです。
成功事例から学ぶ施策のポイント

CTAボタンの改善や工夫が、CV向上に寄与した事例を紹介します。
ボタンを押すことへの心理的ハードルを下げた事例
アメリカのオバマ元大統領が献金を募ったサイトでは、メールマガジンへの登録を促すCTAボタンに「LEARN MORE」という表記が採用されていました。これは下記の4パターンをテストした結果、もっとも購読率が高い文言だと判明したからです。
- ・SIGN UP(登録する)
- ・SIGN UP NOW(今すぐ登録する)
- ・JOIN US NOW(今すぐ参加する)
- ・LEARN MORE(もっと知る)
「登録」や「参加」はユーザーに直接的な行動を促すメッセージですが、「知る」だけであればユーザー側に選択の余地が残されています。つまり、「LEARN MORE」はユーザーの心理的ハードルを下げる効果をもたらすメッセージだったのです。直接的な訴求ではなく、最終決定に至るまでのプロセスをより細かく区切ることで、行動の難易度を下げることに成功した好例といえます。
データにもとづく改善が功を奏した事例
中古車の買取・販売を手がける企業では、複数パターンのCTAボタンを用意した上で、データにもとづく改善を試みました。中古車の買取査定を促すメッセージとして「高額査定」「カンタン入力」「買取実績No.1」など6種類のパターンを用意しました。ボタンの色と文言の組み合わせを変えてA/Bテストを繰り返し、もっとも反応がよいパターンを絞り込んでいきました。結果として、クリック率の向上と離脱率の低下を実現しています。
この事例のように、実際のデータを元に改善を重ねていくことは、CTAボタン改善の基本的かつ効果的なプロセスといえます。直感や経験則に従うのではなく、データにもとづく改善が功を奏した好例です。
まとめ
CTAボタンはWebサイト全体に占める面積としては小さいものの、「顧客の心のスイッチ」を押す重要な要素といえます。一般的なCTAボタン作成のコツや効果的なデザイン手法を把握した上で、A/Bテストを繰り返して最適なクリエイティブを目指すことが重要です。
今回紹介したコツやデザインのポイントを参考に、CTAボタンの改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。デザインや設置場所などのわずかな違いが、CV向上につながる重要なきっかけになるかもしれません。
記事執筆
ダイレクトマーケティングラボ 編集部 (リコージャパン株式会社運営)
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