ディスプレイ広告とは?DSP広告やリスティング広告との違いや効果を高めるポイント
2024年09月03日 07:00
この記事に書いてあること

Web広告には多くの種類があり、手法やメリット・デメリットもそれぞれ異なります。Webサイトやアプリの広告枠に表示される「ディスプレイ広告」も、代表的なWeb広告の手法の1つです。
今回は、ディスプレイ広告と他の広告媒体との違いや、ディスプレイ広告に特有のメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。ディスプレイ広告の効果を高めるためのポイントもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
ディスプレイ広告とは
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリに設置された広告枠に表示される画像広告や動画広告、テキスト広告のことです。バナーで表示されることが多いため、バナー広告と呼ばれることもあります。はじめに、ディスプレイ広告とDSP広告・リスティング広告との違いや、リスティング広告との使い分け方について整理しておきましょう。
DSP広告との違い
DSP(Demand-Side-Platform)広告とは、広告配信仲介システムを活用した広告のことです。広告枠はオークション形式の入札制となっており、課金方式には下記の2種類があります。
- ・CPM課金:インプレッション数に応じて課金される
- ・CPC課金:クリック数に応じて課金される
一般的にCPM課金はブランディング強化に活用されるケースが多く、CPC課金は商品・サービスの販売を強化する際に活用されるケースが多く見られます。ターゲットを絞った上で入札することから、狙ったターゲット層に向けて表示できる確率が高まる点がDSP広告の大きな特徴です。一方、ディスプレイ広告は幅広くさまざまなWebサイトやアプリの広告枠に表示されるため、多くのユーザーの目に留まりやすいという特徴があります。
リスティング広告との違い
リスティング広告とは、検索サイトにおいて検索結果の上部に表示される広告のことです。検索キーワードに連動して表示されることから、検索連動型広告とも呼ばれます。ユーザーが今まさに検索しているキーワードと関連性の高い広告が表示されるため、購買意欲の高いユーザーに訴求できる点が特徴です。
ただし、リスティング広告で表示できるのはテキストのみに限られます。一方、ディスプレイ広告であれば、テキスト以外にも画像や動画など幅広い形式の表現が可能です。ユーザーの目に留まる画像や動画を駆使することによって、必ずしもニーズが高くないユーザーにも訴求できる点がディスプレイ広告の強みといえます。

ディスプレイ広告とリスティング広告の使い分け
ここまでに見てきたとおり、ディスプレイ広告とリスティング広告は特徴が大きく異なります。訴求する対象が異なるため、目的に応じて使い分けていくことが大切です。両者の特徴を踏まえると、下記のように使い分けるのが合理的でしょう。
- ・ディスプレイ広告:潜在層への訴求に活用
- ・リスティング広告:顕在層への訴求に活用

このように、ディスプレイ広告とリスティング広告は優劣をつけられるものではなく、特性が異なる広告手法と捉える必要があります。広告施策の目的や訴求すべきターゲットに応じて適切に活用していくのがポイントです。
ディスプレイ広告を活用する3つのメリット
ディスプレイ広告を活用することによって、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。主なメリットとして下記の3点が挙げられます。
メリット1:潜在層へのアプローチが可能
ディスプレイ広告の最大のメリットは、潜在層にアプローチして商品やサービスの認知を拡大させられることです。まだニーズが明確になっていない見込み客や、自身の課題に気づいていない段階の見込み客に対しても、商品・サービスの存在を知ってもらえます。
実際、将来的に顧客になる可能性があるユーザーであっても、現状自分にとって何が必要なのかを明確に認識していないケースは少なくありません。こうしたユーザーのニーズを掘り起こし、自身の課題や欲求に気づくきっかけになることがディスプレイ広告の大きなメリットといえます。
メリット2:ビジュアルによる訴求が可能

画像や動画といった視覚に訴える効果の高い表現を駆使できることも、ディスプレイ広告の大きな強みです。広告が表示されること自体が訴求につながるため、たとえ広告がクリックされなかったとしてもユーザーの記憶に残る可能性があります。
現状では商品名やサービス名を知らないユーザーであっても、ビジュアルがきっかけで関心を寄せ始めたり、文字では伝わりにくい動きやデザインの魅力に惹かれたりするケースは少なくありません。このように、ビジュアルによる訴求が可能になることもディスプレイ広告のメリットといえます。
メリット3:クリック単価が比較的安価
リスティング広告と比べてクリック単価が比較的安いことも、ディスプレイ広告のメリットの1つです。同じ予算で比べた場合、ディスプレイ広告のほうが多くのユーザーに訴求できる可能性があります。
たとえば、新商品や新サービスをリリースした直後であれば、存在そのものが市場に認知されていないことが想定されます。商品・サービスの具体的な強みやメリットを伝える以前に、まず商品の存在を認知してもらわなければなりません。認知拡大が求められる段階においては、リスティング広告よりもディスプレイ広告のほうが高い費用対効果が期待できるでしょう。
ディスプレイ広告を活用する3つのデメリット
ディスプレイ広告を活用することで多くのメリットを得られる反面、デメリットとなりかねない面もあります。ディスプレイ広告を活用する際には、下記の3点に注意が必要です。
デメリット1:即効性は期待できない可能性がある
ディスプレイ広告は幅広い層に向けた訴求に適している一方で、即効性はあまり期待できない広告手法といえます。リスティング広告と比べてCVR(コンバージョン率)が低くなりやすいため、結果的に1件あたりのコンバージョン単価は高くなりがちです。
ただし、潜在層も含めた幅広いユーザーに訴求したい場合には、この点は一概にデメリットとはいえません。CVRの高さや即効性を求めず、認知拡大に活用するのであれば効果的な広告手法といえます。
デメリット2:効果測定や分析が容易でない

広告の効果測定や分析の難易度が高いことも、ディスプレイ広告のデメリットの1つです。アプローチ可能な層が幅広いことに加えて、広告クリエイティブの改善ポイントが多岐にわたることが、コンバージョンにつながる要素の特定を困難にしている主な原因といえます。
裏を返すと、これは数値に表れていないところで広告効果がもたらされるディスプレイ広告の強みでもあります。たとえば、商品・サービスの画像や映像が広告枠に表示された時点でユーザーの目に留まる可能性があるからです。ディスプレイ広告の効果測定をできるだけ高精度で実施したい場合には、広告効果測定ツールの活用なども視野に入れて検討することをおすすめします。
デメリット3:広告費の消化ペースが速い
多くのユーザーに向けて訴求できる反面、広告費の消化ペースが速いこともディスプレイ広告のデメリットといえます。ターゲット外のユーザーに対して広告が表示されることも多く、コンバージョンにつながらないクリックが多発する可能性があるからです。
広告施策の費用対効果がシビアに問われるようなケースや、広告予算が限られているようなケースでは、ディスプレイ広告を活用すべきか慎重に判断する必要があるでしょう。CVRを重視するのであれば、リスティング広告のほうが適している場合があります。
ディスプレイ広告の主要なサービス
ディスプレイ広告の主要な配信媒体を紹介します。広く知られている配信媒体として挙げられるのは、グーグル合同会社と LINEヤフー株式会社が提供しているサービスです。
GDN(Googleディスプレイネットワーク)
GDNとは、Google関連のサービス上に広告が配信されるネットワークのことを指します。YouTubeやアメブロといったポータルサイトをはじめ、ブログページの広告枠などへの配信も可能です。
Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)
Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)とは、Yahoo!関連のサービス上に広告が配信されるネットワークのことを指します。Yahoo! JAPANのほか、Yahoo!ニュースやYahoo!メールといったYahoo!の提携サイトにも広告を配信できる点が特徴です。
ディスプレイ広告のターゲティング機能例
ターゲティング機能とは、ディスプレイ広告を掲載するWebサイトを決めるための機能のことです。ターゲティング機能によって、狙ったユーザー層に対して効果的に商品・サービスを訴求できます。複数の要素を組み合わせることで、目的に応じてターゲティングを行うことも可能です。ここでは、GDNとYahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)のターゲティング機能例を紹介します。
GDNのターゲティング機能例
Googleディスプレイネットワークにおけるターゲティング手法は多岐にわたります。そのうち、主なターゲティング手法は下記のとおりです。
【コンテンツターゲティング】
Webサイトの内容(コンテンツ)に対応したターゲティング方法として、次のような項目を設定できます。

【オーディエンスターゲティング】
ユーザーの特性や属性、興味関心などを絞って広告を配信する方法です。一度Webサイトを訪れたユーザーを追跡して広告を表示するリマーケティングなどが、オーディエンスターゲティングの手法として挙げられます。

Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)のターゲティング機能例
Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)のターゲティング方法は下記の5つです。

ディスプレイ広告の効果を高めるためのポイント
ディスプレイ広告の効果を高めるには、どのような点を意識しておく必要があるのでしょうか。とくに重要度の高い3つのポイントを紹介します。
広告を配信する目的を明確にする

ディスプレイ広告は幅広いユーザーへのアプローチが可能な広告手法のため、配信する目的を明確にしておくことが大切です。広告を目にしたユーザーにどのような判断や行動によって誘導先へと到達するのかをデザインし、導線を構築しておくことが求められます。
目的が漠然としている状態でディスプレイ広告を配信すると、広告費に見合った効果が表れない状況に陥りがちです。ターゲットを明確に絞り、誰に何を訴求したいのか、どのように行動してほしいのかを絞り込んでおきましょう。
クリエイティブにはインパクトをもたせる
ディスプレイ広告の成否を分けるのは、表示された広告が目に留まるかどうか、クリックしたくなるかどうかにかかっているといっても過言ではありません。インパクトを重視した広告クリエイティブで、ユーザーの興味を引きつけましょう。
実際に広告が表示される際のサイズを考慮することも大切なポイントの1つです。広告枠によってはサイズが小さく、想定していたよりもインパクトに欠けることもあり得ます。制作時にはさまざまなサイズでプレビューを表示し、ユーザーにどう映るのかを確認しておくことが重要です。
プレースメント(配信面)を絞り込む

広告の配信先についても慎重に選定しておく必要があります。配信先によってはコンバージョンにつながりにくかったり、自社のブランドイメージに合わないWebサイトに表示されてしまったりする可能性があるからです。
たとえば、自社の商品・サービスと明らかに関連性が低いWebサイトや、ブランドイメージと大きく異なるジャンルのWebサイトに関しては、配信先から除外しておくべきでしょう。配信先を完全にコントロールすることはできないものの、可能な限り広告費の浪費を防ぐための対策を講じておくことが重要です。
ディスプレイ広告の特性やメリットを活かした施策を講じよう
ディスプレイ広告はWebサイトやアプリなど多岐にわたる広告枠を活用できることから、幅広い潜在層に訴求できる可能性のある広告手法です。一方で、ディスプレイ広告の特性やメリットを理解した上で運用しなければ、十分な効果が得られない可能性があります。今回紹介したディスプレイ広告のメリット・デメリットや効果を高めるためのポイントを参考に、商品・サービスの認知度を高めるための施策を講じましょう。
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