損失回避の法則とは?
2017年11月28日 00:00
この記事に書いてあること
得するより損したくない 「損失回避の法則」
こんにちは。職業柄、論理的な人間に見えるのかしら、切れ者だの冷静沈着だのと言われ、そんなことないですよぉへへへと謙遜してみるコピーライター、Kです。
私たちは朝起きてから寝るまで選択をしながら生きています。どの服を着ようか、ランチはどうするか、仕事はどこで手を抜くか、寝酒は日本酒かビールかワインか、考えることはたくさんありますよね。
ところがです。ハーバード大学のジェラルド・ザルトマン教授は長年の研究から「人間の思考や行動の95%は無意識」だと言うんですよ。 考えているようで、実はほとんど考えていない。それには理由があって、いちいち考えていたら脳はかんたんにパンクするからだそうです。
そのため私たちの毎日は、反射的で無難な選択の繰り返しなのだとか。それが進化した人間の姿。私Kもですねえ、「考えているようで考えていない」ことには多少自信があります。
損しないことがいちばん大事!
今回のテーマは「損失回避の法則」です。人は無意識に、得することよりも損することを避けようとします。有名な実験のなかから、ここでは3つご紹介しましょう。はじめの2問は、答えの選択肢が2つあります。あなたならどちらを選びますか?
質問①「利益」の場合
A. 100万円を無条件でもらえる。
B. 200万円を確率1/2でもらえる。
あなたならどちらを選びますか?
ほとんどの人は堅実なAを選びます。何も手に入らないリスクはイヤだ、確実に100万円をもらう方がいい、と無意識に判断するわけです。
質問②「損失」の場合
A. 200万円の借金が半分になる。
B. 200万円の借金が確率1/2で帳消しになる。
あなたならどちらを選びますか?
質問①で堅実なAを選んだ人なら、②でも堅実なAと答えそうですが、実際は多くの人がBを選びます。借金(=損失)が残るのはイヤだ、リスクがあっても帳消しを期待できる方がいい、のですね。
3問目はコイントスです。表が出たらA、裏ならBになります。このコイントスゲームに、あなたは参加しますか?
質問③「利益と損失」の場合
A. コイントスで表が出たら3万円もらえる。
B. コイントスで裏が出たら2万円支払う。
このコイントスゲームに、あなたは参加しますか?
得と損のバランスは明らかに得が上。それでも参加しない人が多数。損への恐怖はそれほど強い。損はイヤなんです。もっとも、得が損の2~2.5倍になると参加希望が半数にまで高まると言われています。あまり高額だと参加意欲は失せますが。
まとめると、私たちは損得を判断するとき、
- ・利益を得られる状況では、利益を逃すリスク(=損失)を回避する
- ・損失を被る状況では、リスクを負ってでも損失を回避する
- ・損得が分かれる状況では、利益を得ることより損失を被ることに敏感になる
はるか昔、不安定な食糧事情や病気、ケガ、天敵、災害から身を守るには、反射的に損失リスクを遠ざけるのが最善だったんでしょうね。
損失回避できると買う気が増す?!
私たちが「つい、買ってしまう」のは、「これ、(今)買わなきゃ損!」と「感じる」ときが多いようです。損失回避ショッピングのトリガーをあげてみましょう。
損失の恐怖を解消するトリガー
- ・効果がない場合は全額返金します!
- ・14日分無料で試せます!
今を逃すと損な気にさせるトリガー
- ・本日限り50%off!
- ・まもなくポイントが失効します!
このままだと損失だと感じさせるトリガー
- ・会員になると30%永久割引!
- ・よく眠れない原因は「合っていない枕」です!
並べてみると、得することができない、損をする、損してる、ってインパクトありますねぇ。我が家の買い物の、ひょっとして半分は損失回避かも?!
損失回避ライフは安全だけれど…
損失回避も行き過ぎると人生の面白みがなくなる気が。そんなことでいいのかキミは!と自問してみたくもなります。パンドラの箱は開けたくないのでやめときますけど。俺、ちぃせぇ…。
では最後に。損失回避の本能に感謝しつつ、大きな人の言葉を噛みしめたいと思います。
「私は、人生の岐路に立った時、いつも困難なほうの道を選んできた」 岡本太郎
「安全にやろうと思うのは、一番危険な落とし穴なんだ」 スティーブ・ジョブズ
「1のリスクしか無い事はしない、10のリスクがある事をする。達成すれば10の成果がある」 矢沢永吉
ノーリスク、ノーライフ。かっけぇ~
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