デジタルマーケティングを成功させるには？事例に学ぶ戦略のコツ

「マーケティングは大切と言うけど、何から手をつければいいんだろう？」そんな疑問にダイレクトマーケティングのプロがお応え。世の中の販促マーケティングの実例から重要なポイントを分析し、明日から使える実践的ノウハウとしてわかりやすくご紹介します！

「デジマ」の略称も一般に浸透しはじめている「デジタルマーケティング」ですが、実際に効果があるかどうかを知りたいというマーケターも多いのではないでしょうか。

デジタルマーケティングとは

デジタルマーケティングとは、インターネットなどのあらゆるデジタルを利用して行われるマーケティングのことです。デジタルマーケティングに利用されるデジタルとは、主に4つの種類を指します。

パソコンやスマホなどの「デバイス」、SEO対策をはじめとする「テクノロジー」、SNSやWEBサイトなどの「メディア」、これらを利用して培われる「データ」の4つです。

デジタルマーケティングでは、蓄積されたデータを利用することで、ターゲットをピンポイントに絞って自社や製品、サービスなどの広告をすることが可能です。これにはITの普及とAI技術の発展により、膨大な量のデータを収集・管理し、高度で正確な分析ができるようになったという背景があります。

デジタルマーケティングの目的

デジタルマーケティングはその特性上、WEBマーケティングとしばしば比較されます。

WEBマーケティングは、主に企業のWEBサイトを使ったマーケティング活動です。一方、デジタルマーケティングは、WEBサイトだけでなく、アプリやSNS、クレジットカードや電子マネーの利用履歴なども視野に入れた、より広範囲なマーケティング活動のことを指します。

デジタルマーケティングを成功へ導くには

デジタルマーケティングを成功させるためには、いくつかのポイントがあります。ここからは、成功のコツやポイントを紹介します。

ターゲット層や目標値を明確にする

マーケティングにおいては、最初にリード（見込客）のペルソナ設定や目標値を明確にするのが基本です。デジタルマーケティングも例外ではありません。マーケティング戦術を練る上で、自社が求める顧客のペルソナ設定はもちろん、どのくらいのアクセス数や収益があればよいかなどの指標を決めることが重要です。

すでに自社で持つ顧客データや購買履歴があれば、それをもとに詳細に分析を行い、ニーズを改めて把握して戦略を練ることができます。

システム部やセールス部と連携する

ビジネスの成功には部門間での連携が重要になります。マーケティングの対象範囲が大規模であるほど、企業全体で戦略に取り組む必要があります。デジタルマーケティングも例外ではなく、さまざまな部署と連携できることが大切です。

マーケティング業務だからマーケティング部門だけで取り組むのではなく、各部門の協力体制が必要になります。業務フローや内容を確かめた上で、WEBページなどの更新・管理はシステム部、顧客対応や営業は営業部など、専門チームで取り組めるように調整しておくことがポイントです。

オートメーションツールの導入

デジタルマーケティングは少なからずコストがかかる施策です。とくに、はじめてデジタルマーケティングに取り組む際には、周囲や上層部の理解が得にくい場合もあるでしょう。しかし最初から多くのコストをかける必要はありません。無料の分析ツールなどを利用してコストを抑えてスタートしていき、徐々に実績をあげていくことで理解を得やすくなります。

デジタルマーケティングの成功事例

すでにデジタルマーケティングを導入し成功している企業も多く存在します。ここからは、デジタルマーケティングの成功事例を見ていきましょう。

アプリで購入前の負担を軽減「無印良品」

無印良品が展開しているアプリ「MUJI passport（ムジパスポート）」では、マイルと呼ばれるポイントを貯めることができます。ユーザーは貯めたマイルを利用して買い物ができる上に、ランク認定やそれに付随したボーナスポイントなどもあるというメリットを得られます。

アプリはポイントによるリピート効果が期待できるなど、店舗にとってもメリットがある手法です。無印良品では、アプリに店舗検索や在庫検索の機能をつけることで、購買行動履歴を可視化できるようにしています。これによりユーザーが何に興味があって、どのようなものを求めているのかをデータ化し蓄積することも可能になりました。その結果、ユーザーに寄り添ったサービスを提供し、ファンを獲得し続けています。

「MUJI passport」とは｜無印良品

WEBを駆使して消費者の意識変化をキャッチ「マンダム」

マンダムは、ニキビなどの肌トラブルを解消したい男性をターゲットとしてきました。しかし現代の男性若年層のニーズが、トラブルのない肌だけでなく見た目や清潔感までを意識していることをいち早く把握して、さらに新しい顧客を生み出しています。

ニーズを把握できた理由は、消費者や市場の意識調査です。あわせてSNSを利用して啓蒙活動も実施し、女性が語る理想の男性像を発信したり、商品の使用方法や男性のスキンケアに関するWEBコンテンツを増やしたりすることで、自社ブランド「GATSBY」の認知・拡大につなげています。

見込み顧客の獲得のみならず育成も行い、より高い確度で顧客を生み出す仕組みを作り上げているのがポイントです。

GATSBY｜マンダム

ファンの心理と行動を分析して収益増「オリックス・バファローズ」

野球球団のオリックス・バッファローズでは、ファンクラブにおけるイベント開催やDM、販促活動などの広報活動は、別々の部門がそれぞれ実施していました。そのため一定の効果はあっても相乗効果が期待できない状況にありました。

そこでCRM（カスタマー リレーションシップ マネジメント）を導入し、チケットやグッズの購入、飲食のデータなど、ファンの行動データを一元的に把握できるようにしました。また、各部門で連携が取れる体制を整えたことで、見えなかった課題を明確化することができました。その結果、チームの勝敗に関わらずスタジアム来場数やグッズなどの購買率を上げることに成功しています。

オリックス野球クラブ株式会社様 Fan-Life Platformの導入事例｜株式会社日立ソリューションズ

リスティング広告を利用したアプローチ「住友ゴム工業」

特殊ゴムを使用した新ブランド「MIRAIE（ミライエ）」にリスティング広告を活用しているのが住友ゴム工業です。

震災などの影響で、住宅の安全性についてより重要視されているなか、住友ゴム工業は特殊ゴムによる安全性を広く打ち出しました。しかし、新ブランドの立ち上げメンバーは数名という規模だったため、営業や広報活動にも限界がありました。そこで、エンドユーザーに直接アプローチする形でリスティング広告を出し、反応をデータ化・収集して活用することにしました。

結果、リスティング広告からサイトへの流入をこれまでより30%～40％伸ばしています。少人数という制限があるなかでも、営業の効率化と広告の費用対効果を向上させることを施策に盛り込み、ブランドの認知と信頼性の双方を上げることに成功した事例です。

デジタルマーケティングは今後どうなるか

デジタルマーケティングにおいては、AIとビッグデータが鍵となります。人が介入せず、AIが自力で学習を進めるディープラーニングの進化により、顧客分析はより一層細分化していくといわれています。

まとめ

デジタルマーケティングは、WEBマーケティングよりもさらに包括的なマーケティング活動が可能になる手法です。成功のポイントはターゲットの明確化やプラットフォームの整備です。まずは自社にとって、どのような戦略が適しているのかしっかり検討しましょう。

リコーのマーケティング支援サービスでは、企業の課題を把握した上で紙・デジタル両方のメディアを活用した施策を企画しています。 デジタルメディアのみの施策では顧客との最適なコミュニケｰションは行えません。高い確率で顧客にリーチし、行動喚起できる紙メディアとデジタルを組み合わせることで更なる効果UPが可能です。

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