オンラインのセミナー集客、オフラインでやってみた(リコーのDM実践事例)

From: ダイレクトマーケティングラボ

2021年08月17日 00:00

この記事に書いてあること

「マーケティングは大切と言うけど、何から手をつければいいんだろう?」そんな疑問にダイレクトマーケティングのプロがお応え。世の中の販促マーケティングの実例から重要なポイントを分析し、明日から使える実践的ノウハウとしてわかりやすくご紹介します!

オンラインセミナーやイベントの課題って?

リアル開催が難しい状況が続くセミナーやイベント。

オンラインでの開催を検討していたり、既に開催している方もいらっしゃると思います。しかし、いざ開催するとなると、オンラインイベント開催ツールの導入や機材の準備、開催当日もカメラ、音声、チャット対応とテレビ局のように画面には映らない作業が多く、リアル開催と同じくらいに「意外と手間がかかるな」と思う人も多いのではないでしょうか。

一生懸命準備してはみたものの、来場者や出席者の数はリアルほど伸びず、なんてこともあったりして。「地域や場所を問わず、人数制限もせずに開催できる」といったオンラインならではのメリットを享受しきれなかったなんてこともあるかもしれません。

オンラインの集客はオンラインだけとは限らない

オンライン開催のイベントの集客というと、ついついメールマガジンやWEBページ、SNSやWEB広告などを使って宣伝することに意識が向きがちですが、集客方法はなにもオンラインだけとは限りません。

印刷物を利用した、アナログな集客方法を取り入れることでさらに集客率UPを狙うことも可能です。これから、私たちが実際に行ったダイレクトメール(DM)によるセミナー集客についてご紹介します。

リコーのDM実践事例(DMによるオンラインセミナー集客)

【案内するほど落ちていくメルマガ開封率】

リコーでもセミナーの大半は、2週間に一度お届けしているメルマガで集客していました。コロナ禍で対面での営業活動が制限され、リアルのイベントやセミナーも開催できなくなった分、ウェビナー(オンラインセミナー)の開催頻度が上がり、それに伴い、メルマガの内容もウェビナーの案内が増えていきました。

その結果、メルマガの開封率やクリック率はどんどん低下。集客に力を入れようとすればするほどメルマガの反応率は下がり、お客様に情報が届きにくくなっていったのです。今思えばメルマガを受け取るお客様もウェビナーの案内ばかりで食傷気味だったのかもしれません。

【オンラインのセミナー集客にオフラインのDMを使ってみた】

メールマガジンのみでのウェビナー集客が思うようにいかない状況で、私たちが目を付けたのはダイレクトメール(DM)でした。Eメールの一般的な開封率(15~20%)に比べ、DMの開封率は74%(=DMのリーチ力)。また、DMには閲覧した人の6人に1人が何らかのアクションを起こすというコンバージョン力があります。その効果を利用してウェビナー集客にDMを利用することにしたのです。

関連しそうな資料をダウンロードしてくれた方と特定のサイトを閲覧した方にターゲットを絞り、約1000通のDMを送付。また、2021年2月に発売されたRICOH Pro C7200Sシリーズ向けの「ゴールトナー」の魅力がお客様にどう伝わるのか試すために、ABテストも実施しました。ひとつはCMYKの4色印刷、もう1つはCMYK+ゴールドの2パターンのDMを500部ずつ送り、お客様の反応の差を見ることにしたのです。

ABテストで比較したDM

左がCMYK、右がCMYK+ゴールド。ゴールドトナーを使ったDMの方が光沢感とメタル感が若干強い。このわずかな差でどれくらい結果に差が出るのか検証した。

結果は、約1週間で300名近い集客を実現。全集客のうち、DMによる集客は54%、DMのレスポンス率15.4%という非常に高い成果が得られました。DMを送った方への後追いメルマガからの申し込みもカウントすると、全体の約7割がDM(+メルマガ)施策によるものでした。

【ABテストで見えたゴールドトナーの効果】

同時に実施したABテストの結果は、ゴールドトナーを使ったDMの圧勝。DM内に配置したQRコードのクリック率はCMYKの1.9倍。ウェビナーの申込みもゴールドトナーを使用したDMの方がCMYKのDMに比べ1.33倍という結果が得られました。DMにゴールドを使うと、通常のCMYKのDMより効果が高いということが実証できたのです。

金入りDMと4色DM。比較テストの結果

今回のDMはA4サイズで作成しましたが、紙の大きさや、用紙の質感、デザイン(今回のケースではゴールドトナーを使用)でお客様にインパクトを与えられるのも紙DMの魅力かもしれません。

まとめ

実はこの企画、立ち上げからDM発送までは10日ほど。

デザイン会社との打ち合わせ、ラフ案提出、デザイン案決定(発注)、原稿入稿、制作、校正・修正、デザインデータ入稿、色校正、並行してターゲット選定、リスト抽出、リストデータ整備・確認、データ入稿、そして最後にやっと印刷・発送と短期間ではありましたが、

  • WEBセミナーの集客にDMは効果があるのか
  • クリエイティブのABテスト(ゴールドトナーを使ったDMは効果があるのか)

2つの実証実験を行いました。

短期間で施策を実施する上で、POD(プリント・オン・デマンド)機を活用することにより、印刷にかかる日数を最小限度に抑えられた点は非常に大きかったと思います。

今回のリコーのDM施策の成功要因をまとめると、

・DM施策で最も重要な要素であるターゲットの絞り込みをきちんと行ったこと
(「DMを大量にばらまく」のではなく「必要な数を申し込みが見込めそうな方へ届けた」)
・DMの到達精度を上げるためのリスト整備の時間をしっかり確保できたこと
・短納期でもPOD機の活用により、印刷にかかる時間を減らせたこと
・紙DMの到着2日後にeDM(メルマガ)を送付し、興味関心を持った方をスムーズに申込ページに誘導できたこと(クロスメディアの活用)

があげられます。

それ以外にも、紙DMの効果がありました。情報の拡散性と保存性です。DMを送った方からの紹介で申込みをしてくださった方がかなりいたこと、セミナー後、DMを見て「視聴できなかったので、ぜひまた開催して欲しい」といったご要望や問合せを多数いただいたのです(後日、見逃し配信ウェビナーを開催)。まさに紙DMの効果(強み)ですね。

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