産業用蓄電池の導入により、太陽光で発電した電力を有効活用しCO2排出量と電気代の削減、BCP対策まで実現 株式会社森中鋼業様（大阪府）
2023年09月15日 15:22
この記事に書いてあること
金属加工を専門に行う株式会社森中鋼業様は、鉄鋼製品を適切なサイズに切断する鉄鋼シャーリングを得意とし、建設、製造、自動車などの業界に多くの顧客を持たれています。近年は橋梁（きょうりょう）の補修工事に使用する部材や建築物の耐震部材など、一つ一つ異なる製品の受注生産において、高い技術力と生産能力で難度の高い需要に応えています。
今回導入した産業用蓄電池は、以前から導入していた自家消費型太陽光発電システムと連携させることで、最大需要電力のピークカットや電気料金削減、BCP対策などを狙ったものです。
CO₂を大量に排出する業界だからこそ、未来への責任がある
産業用蓄電池の導入を決めた背景には、代表取締役社長である 森中 克幸 様 の強い意思がございました。
「今やどんな企業も、再生可能エネルギーの活用を意識しなければならない時代になっていると思います。ましてや私どもの会社がやっている鉄板を切る作業は、昔からずっとガスをメインに使っており、作業工程でCO2を大量に排出しています。その前の工程である製鋼所も、たくさんの火をたくために石炭を大量に消費しながら鉄をつくります。こうした産業全体が、地球環境に配慮した行動を起こさないといけない時代になったことを近年強く感じています」（森中 様）
株式会社森中鋼業 代表取締役社長 森中 克幸 様
蓄電池導入の狙いは、すでに導入済みだった自家消費型太陽光発電システムと連携して、工場が稼働しない週末などに発電した電力を蓄電池にため、これを最も電力を使う時間帯に利用することでピークカットを図り、CO2排出量の削減につなげること。そして、災害時におけるBCP対策でした。
「会社の中で一番電力を使っているのはプラズマ切断機です。２つの電極間で放電させるアーク放電を利用して金属を切断する機械で、ガスを利用するものより切断速度が速く、この機器のおかげで作業効率が非常に向上しました。ただし、この機械を利用すると瞬間的に最大需要電力の数値が上がってしまうという問題があります」（森中 様）
電気の基本料金は、最大需要電力によって大きく変化します。ピークの数値を下げるためには、電力の使用を一時的にでも調節することが必要です。しかし「厚い板をプラズマ切断機で切っている途中で、最大需要電力を超えないように作業を一時中断させるなどということはできません」（森中 様）というように、省エネだけでは解決できない課題があります。
これを産業用蓄電池の導入で解消しようというのが当初の考えでした。
産業用蓄電池は建物2階の外部に設置されている
蓄電池の導入はBCPの観点からも非常に有効
「知らなかったがゆえですが、蓄電池には少し大きすぎる期待をしていました。仮に電気の供給が途絶えても、蓄電池さえあれば工場を稼働させられるのではないかと思っていたのです。検討を進める中で知りましたが、現時点ではそこまでの電力は蓄えられません。しかしながら、太陽光と蓄電池を組み合わせることで電気代は下がりましたし、省エネ効果は確実に上がっています。
BCPの観点からいえば、現在の容量ではシステムの維持など最低限のことが保証される程度です。しかし、もし入れていなかったとしたら大切なデータが失われる可能性もある。そういった基本的なこともわかりました。また、ここでは水道の代わりに井戸水を使用しています。井戸水はモーターでくみ上げていますので、電気が止まれば即座に断水します。実は先日たまたま停電があったために気付いたことですが、そういう意味でも蓄電池の重要性は強く認識しています」（森中 様）
蓄電池の状況は手元のPCから確認可能
最後に、多くの選択肢がある中で今回の蓄電池をリコージャパンに発注された経緯を森中社長にお伺いしました。
「ずっとコピー機でお世話になっていますが、定期的に訪問してくださる営業の方の言葉や行動に信頼感がありました。トラブルがあってもアフターフォローがしっかりしている。それに、うちの会社のことを考えていろいろな提案もいただいています。リコーさんが照明や電力も扱っていることも、それらのやり取りの中で自然に知りました。そのような経緯から、お願いするのに迷いはなかったですね」と、非常にうれしいお言葉をいただくことができました。
| 会社名 | 株式会社森中鋼業 |
| 本社 | 大阪府堺市南区別所1560-125 |
| HP | https://morinaka-kogyo.com/ |
| 設立 | 1991年11月 |
| 事業内容 | 薄・中・厚板レーザー・プラズマ切断加工・販売、厚鋼板溶接加工・販売、開先加工 |
※本記事に掲載の会社名および製品名はそれぞれの各社の商号、商標または登録商標です。
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