省エネと働きやすさの実現を目的に、オフィスフロア全体の照明を最適化 日本設備工業株式会社 様(東京都)
2023年08月03日 14:45
この記事に書いてあること
「setsubism(セツビズム)~いい環境がいい未来をつくります」をモットーに掲げる日本設備工業株式会社様は、空調や給排水衛生設備などの設計・施工を中心に幅広い事業を展開する、建設設備の総合エンジニアリング企業です。SDGsに資することを目的にRICOH Smart MESを導入し、照明制御機能による約50%の省エネと快適なワークプレイスの構築を実現しました。
※MES(Managed Energy Service)
SDGsに向けた取り組みの一環として
オフィス照明用エネルギーの半減に挑戦
導入のきっかけは、リコー環境事業開発センターへの訪問でした。リコー環境事業開発センターは、「脱炭素社会」「循環型社会」を実現するための課題に取り組むリコーの拠点です。自ら足を運ばれた 日本設備工業株式会社 代表取締役社長 稲上 直人 様 は、ここでの経験に大いに刺激を受けたと語ります。
「それまでオフィス機器の会社というイメージしかありませんでしたが、脱炭素社会の実現に向けて、石油由来プラスチックに代わる新素材や次世代太陽電池の開発、リチウムイオン電池のリユースなど、さまざまな取り組みをされていることに驚きました。私たちは建設設備の会社として、エネルギー利用の効率化や産業廃棄物の削減など、SDGsに向けた取り組みを進めたいと考えています。そんなときにご紹介いただいたのが、快適なビジネス空間と省エネを両立するためのエネルギーマネジメントシステムでした。高効率なLEDライトへの交換と組み合わると電力の消費量を半分以下に減らせるといいます。より良い未来に向けてできるところから取り組むべきと考え、まずはこのシステムを導入することに決めました」
日本設備工業株式会社 代表取締役社長 稲上 直人 様
RICOH Smart MESはセンシング技術とクラウド管理により、電力や照明・空調などの使用状況を「見える化」し、エリア単位で最適化・自動制御するシステムです。照明制御機能においては、事前の設定に従って調光率を変化させるだけでなく、外光を有効活用したり、人のいない場所の照明を自動消灯したりして、きめ細かくエネルギー使用量の削減を図ります。
人間のバイオリズムに合わせて自動調光することで
働きやすさと省エネを同時に実現
オフィスに設置された680本のLEDライトは時間帯に合わせて自動制御されており、始業前から午前中いっぱいは照度を上げて仕事に向かう気持ちを高め、昼休みには照度を大幅に下げて気分転換を促進。午後には再び照度を上げますが、午前より1段階低くして、夕方に向かうにつれてさらに低くなるようにセッティングしています。
「人のバイオリズムに合わせてスケジューリングしてもらいました。快適に働けますし、生産性も高まるといわれています。夕方に向かって少しずつ照度が下がることで、早く帰るために効率的に仕事を進めようというモチベーションにもつながっているようです」(稲上様)
午後8時以降は基本的に全エリアが消灯されますが、どうしても残業が必要な場合は人がいる小さなゾーンだけが点灯。人感センサーによる自動オン・オフとあわせ、エネルギーの無駄を徹底的に省いています。
時間帯による照度変化の例
左上:午前中(調光率45% 色温度6000K)右上:昼休み(調光率10% 色温度3200K)
左下:13時以降(調光率45% 色温度4000K)右下:17時半以降(調光率20% 色温度3500K)
オフィス作業の生産性を上げるため
パーティションの代わりに明かりの色(色温度)でゾーニング
オフィスには社員どうしのコミュニケーション促進を考慮してパーティションを設置せず、ワークエリア、ミーティングエリア、リフレッシュエリアなどは明かりの色でゾーニングしました。ワークエリアは白色系、リフレッシュエリアは暖色系にすることで、メリハリのある空間を演出しています。見通しの良いオフィスでは異なる部署にも簡単に相談に行くことができ、落ち着いて話し合いたいときには空いているスペースをすぐに見つけることができます。
オフィスレイアウトの検討にも、RICOH Smart MESは寄与します。全ての設定とセンサーデータをクラウド上で確認できるため、どのスペースの利用頻度が高いのか、逆に頻度が低いところがどこなのかなど、細かな情報を入手可能です。当初に考えていたスペースの使い方と実際の使い方の差を発見することで、より効率的なレイアウトへの変更を検討することができます。
ワークエリアは白色系を基調とし、業務への集中度を高めている
日本設備工業株式会社様は、SDGsに向けたアクションの一つとしてRICOH Smart MESを選択しました。導入後の使用電気量は、導入前の同期比比較(2022年5月~12月)平均50.9%の削減率を記録するなど、想定どおりの成果を得ています。
「将来的に本社以外の事業所にもこのシステムを導入すれば、エネルギー削減はもちろん、各事業所のレイアウトの考え方や、社員の働き方なども改善できるのではないかと考えています。事業所ごとに借りている建物の条件が異なるため一律には進められませんが、今回こちら(本社)のビルオーナーに説明したところ、省エネ性能をご認識いただき、当ビルのテナントで初のシステム採用であったにもかかわらず、導入に関しても非常に協力的でした。多くのビルオーナーが興味を抱いてくれるのではないかと思います」と、稲上様は今後への期待を寄せてくださいました。
日本設備工業株式会社様が入居されているDaiwaリバーゲート
※本記事に掲載の会社名および製品名はそれぞれの各社の商号、商標または登録商標です。
会社名 | 日本設備工業株式会社 |
本社 | 東京都中央区日本橋箱崎町36-2 |
HP | https://www.nihonsetsubi.co.jp/ |
設立 | 1966年9月 |
事業内容 | 空気調和及び給排水衛生設備の設計・施工、冷凍設備の設計・施工、公害及びビル災害防止設備の設計・施工、電気及び通信設備の設計・施工、建築物内装設備の設計・施工並びに厨房機器・消火設備機器・ガス器具の製造・販売 |
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