貴重な歴史的建造物を舞台にキュービクルの交換作業を実施し、省エネ効率の向上とCO2排出量を削減 鳩山会館様(東京都)
2023年09月21日 09:42
この記事に書いてあること
鳩山会館様は、第52~54代の内閣総理大臣を務めた鳩山一郎氏が1924年(大正13年)に建てられた私邸です。
大正・昭和初期を代表する建築家である岡田信一郎氏が設計した、当時としては珍しい鉄筋コンクリート造りの洋館は、アダムスタイルの応接室やイギリスの邸宅を思わせる外観など当時の姿をそのまま残す、歴史的にも重要な建造物です。美しい英国風の庭園は、東京の中心部にありながらも豊かな自然を残し、その緑の環境も非常に貴重なものです。
また、この場所は戦後日本の歴史の重要な舞台でもありました。自由党(現在の自由民主党)がここで創設され、鳩山一郎氏が首相として決断した日ソ国交回復の下準備もこの私邸で行われました。
今回リコージャパンが行ったのは、老朽化したキュービクルの撤去と、省エネ性能に優れた新型キュービクルの設置。歴史的な建造物を舞台に、慎重の上にも慎重を重ねた作業が行われました。
建物を維持・管理する際の環境へのインパクトを削減
鳩山会館様では1996年に大規模な修復工事を行い、その際にキュービクルを導入しています。それから25年余りが経過して更新の時期を迎えていましたが、キュービクルは敷地の最も奥まった場所に設置されており、搬出搬入用の車を近づけることさえできなくなっていました。
この状況で新しいものに交換するためには、重量のあるキュービクルをクレーンで吊り上げ、建物の上空を移動させる作業が必要です。
その際、万が一にも貴重な建造物に傷を付けるようなことがあってはなりません。そこで白羽の矢が立ったのが、複合機や電力の供給で信頼関係を築いていたリコージャパンでした。
歴史を感じさせる美しい応接室
二階の大広間
今回設置した最新型のキュービクルは、機器自体が使用するエネルギーの消費効率が、従来のものと比較して約2倍になっています。
鳩山会館様の現在のオーナーである鳩山由紀夫元首相は、首相時代に地球温暖化対策に必要なCO2排出削減のための構想である「鳩山イニシアティブ」を提唱するなど、気候変動対策に積極的に取り組んでおられました。
そのため、機器更新によりエネルギー消費効率が向上し、省エネとCO2排出量の削減につながるメリットをお伝えしてご納得いただき、またご子息の紀一郎様からは「この先何十年も多くのお客様に鳩山会館を楽しんでいただくためにも、最新のキュービクル設備の更新が安心と安全のために必要ですね」とのお言葉をいただきました。
日常の管理業務を担当する支配人は、「この場所を運営していくうえで大切にしているのは、歴史的な建物や貴重な自然をしっかりと維持していくとともに、今回のような機器の交換も含め、新しいものと適切に融合させていくという考え方です。特に自然への畏敬の念、それを支える環境への配慮は、鳩山家の大切な精神である『友愛』にもつながっていくものです」と話してくださりました。
敷地内はもちろん近隣にも配慮して丁寧な交換作業を実施
交換作業が行われたのは休館日である2月某日。作業にあたっては、建造物に破損が起こらないような作業工程の考案、クレーン車を指定の場所まで入れるための導線の確認、近隣への工事の案内文書の作成など、入念な準備がなされました。その上で、強度の弱い排水溝やマンホールの部分は鉄板で養生し、さらに路面を傷めないようにプラスチック養生も行いました。
その結果、作業は滞りなく無事に終了しました。
最新のキュービクルのエネルギー消費効率は、2006年以前の機器との比較で約49%*も向上している * 数値は河村電器産業株式会社提供
作業車のサイズや当日の作業スケジュールは、事前の詳細な調査で念入りに組み立てられた
入念に準備を行う作業スタッフ
クレーンで吊り下げられて移動するキュービクル
| 名称 | 鳩山会館 |
| 住所 | 東京都文京区音羽1-7-1 |
| HP | https://www.hatoyamakaikan.com/ |
※本記事に掲載の会社名および製品名はそれぞれの各社の商号、商標または登録商標です。
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