太陽光発電システムと再エネ電力でCO2排出量実質ゼロを達成 将来を見据えて、蓄電池とEV用充電器も同時に導入 株式会社アイミクロン様(愛知県)
2023年10月04日 15:17
この記事に書いてあること
株式会社アイミクロン様は、長らく自動車部品の製造に携わってこられましたが、近年はその高い加工技術を活かして医療機器の分野に進出。眼圧や眼軸の測定機器、白内障の手術用機械などの部品製造に高い評価を得て、大きな成長を続けています。
2020年1月には新工場での業務をスタートさせ、その2年後には太陽光発電システムを導入。太陽光が生み出す電力だけでは足りない部分には再エネ電力を利用することで、電力需要におけるCO2排出量実質ゼロを実現しました。
SBT(Science Based Targets)認定を取得し、温室効果ガスの削減にコミット
「新工場建設を検討し始めた頃には、すでにCOP21やSDGsなどが大きな話題となっていました。そのため、新たに建てるからには電力消費量を減らすなど、環境面に配慮した施設にしなければならないという意識は当初からありました」
こう話してくださるのは、株式会社アイミクロン 代表取締役 長谷川 功 様です。「そこには企業価値を高める、という狙いもありました。私どもは小さな企業ですが、環境面にしっかり取り組んでいると胸を張って言える会社にしたいですし、社員にも誇りを持ってもらいたい。脱炭素に対する取り組みは企業として負荷になる部分もありますが、今後お客様からの要求が高くなることは目に見えています。取引を続けるためには各種指標を達成することが求められるようになるでしょう。そうなる前にきちんと進めておこうという思いもありました」
そのような考えから、太陽光発電システムにとどまらず、蓄電池、EV充電器を同時に導入することに決めたのです。

株式会社アイミクロン 代表取締役 長谷川 功 様
太陽光パネルの設置は2022年中に完了し、2023年1月から稼働を開始しました。稼働後は、工場内で利用する電力の60%以上を太陽光から賄うことができるようになり、外部から購入する電力を大きく削減することができました。さらに、購入分をリコージャパンが提供する「リコー再エネスタンダード100」*1に切り替えることで、CO2の排出量を実質ゼロにしています。
アイミクロン様はSBT(Science Based Targets)*2認定も取得しており、持続可能な社会の構築に寄与するため、温室効果ガスの削減目標も自ら定めました。
長谷川社長がこれほど熱心に環境対策に取り組まれる背景には、古くから付き合いのある会社の存在もあります。「以前からのお客様なのですが、中小企業として日本で最初にSBTを取られたのです。そのお話を聞いて、これは負けていられないと思いました。企業ブランドを向上させるためにも有効な取り組みです」
1 「リコー再エネスタンダード100」:非化石証書(再エネ指定)を用いて、実質再生可能エネルギー100%及び二酸化炭素実排出係数をゼロにするプランです
2 SBT:パリ協定が求める⽔準と整合した、企業が設定する温室効果ガス排出削減⽬標のこと

屋上に敷き詰められた太陽光パネルが、工場内で使用する電力の60%以上を発電している
EV充電器はマイカーの充電にも使ってもらう予定
太陽光発電システム導入の主目的はCO2排出量の削減と省エネの実現ですが、電力使用量のピークを抑えることで、電気代の基本料金を節約するという目的もありました。また、同時に設置した蓄電池は、BCPの観点から導入しました。しかし、現在利用している蓄電池はそれほど容量が大きくはないため、いざという時に最低限の電力を得られる安心感はあるものの、週末に発電した分の多くは無駄になっている状態だそうです。
この点について長谷川社長は、「将来は工場の稼働の一部分を補えるくらいの蓄電池を導入し、しっかりしたBCPを実現したいですね」とおっしゃいます。

パワーコンディショナー

蓄電ユニット
今回2台を設置したEV充電器も先を見据えた投資です。EV充電器の導入を決めた時点では営業車は全てガソリン車でした。現在も4台のうち1台がハイブリッド車に置き換わっただけで、現時点でEV充電器が活躍する場面はありません。しかし、2024年に発売が予定されている商用EVに切り替えることを見越して先行導入しました。また、工場の立地上、社員のほとんどが自動車で通勤しているため、個人でEVを購入したときにも会社のEV充電器を使ってもらおうと考えています。
「弊社は少数精鋭で回しているため、一人一人が大きな役割を果たしています。大切なスタッフが働きやすい環境を作ることが私の仕事ですし、みんながストレスを感じることなく、省エネや脱炭素に貢献できるようにすることが大切だと考えています」(長谷川社長)

2台導入したEV充電器のうちの1台。今後の活躍が期待される

| 会社名 | 株式会社アイミクロン |
| 本社 | 愛知県豊田市本町寺田48 |
| HP | https://imicron.co.jp/ |
| 設立 | 1976年(昭和51年) |
| 事業内容 | 医療機器部品など精密切削加工部品製造 |
※本記事に掲載の会社名および製品名はそれぞれの各社の商号、商標または登録商標です。
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