自社の意識改革から サプライヤーへ広げる 脱炭素推進の取り組み トーカロ株式会社様(兵庫県)
公開日:2026年10月23日
この記事に書いてあること
「できない」が「できるかも」に変わり、取引先へと広げ始めた脱炭素推進
トーカロ株式会社様は、優れた表面処理技術の総合メーカーとして、半導体製造装置から産業機械、エネルギー分野に至るまで、あらゆる業界の製品・生産設備の耐久性向上や高機能化に貢献しています。
同社が積極的な環境対策に舵を切ったのは近年のこと。
以前は「環境対策は利益を減らすもので嫌いだった」と語る環境推進部長の檜山耕作様に、自社の価値観を転換し、サプライヤーを巻き込む脱炭素プロジェクトを展開するに至った経緯を伺いました。

左から、トーカロ株式会社 管理本部 環境推進部長 兼 環境室長 檜山 耕作様 同 環境室 山脇 友香様 同 環境室マネージャー 林 範和様
自社の意識改革からサプライヤーへの展開へ
STEP1:環境への苦手意識を持ちながらカーボンニュートラルへ挑戦
環境問題に苦手意識を持っていたが、自社の積極的な取り組み方針を機に意識を180度転換。新しい価値観の浸透の難しさに直面しつつ自社で脱炭素推進を開始。
STEP2:「できない」から「できるかも」へと変化
CO2排出量の算定で大きな壁にぶつかる中、リコージャパンの専任担当者やカーボンニュートラル倶楽部※の情報提供、施設見学会を通じて一気に取り組みが前進し、他社の仲間との出会いが生まれる。
リコージャパンが提供する会費無料の法人・団体向けの会員制コミュニティ
(https://www.ricoh.co.jp/about/business-unit/smart-energy/carbon-neutral-club)
STEP3:同じ境遇のサプライヤー担当者を巻き込んだ活動へ
脱炭素に不可欠なサプライヤーの一部担当者にも、かつての自分と同じく強い抵抗感があり、その気持ちに寄り添いながら、リコージャパンの支援でセミナーを企画・開催。共創の輪を広げはじめている。
「環境は苦手」から「一緒にやろう」へ―リコージャパンと築く脱炭素の輪
トーカロ株式会社の檜山様は、自社とサプライヤーにおける脱炭素推進の歩みを次のように語ります。

トーカロ株式会社 管理本部 環境推進部長 兼 環境室長 檜山 耕作 様
環境対策に消極的だった担当者が迫られた、価値観の転換
環境推進の担当になる以前は、利益を生み出すことを優先してきただけに、環境という言葉はむしろ苦手でした。
しかし、地球規模の課題を企業単位で考える時代へと変わりました。
私自身も社会課題の解決に向けた取り組みを会社全体に促す立場となったため、考え方を180度変える必要に迫られました。
当社は直近の経営計画の見直しで「2040年カーボンニュートラル」を掲げました。
気候変動のニュースが当たり前に流れる今、当社のお客様がカーボンニュートラルの実現を希望されるのであれば、自分たちも取り組まなければお客様にご迷惑をかけ、ビジネスの継続にも影響します。
社内浸透の難しさは、これまでの製造業の価値観を変えなければならない状況が次々と現れてくることです。
従来は使える機器を長く使い続けるのが良いことと考えられてきました。
しかし環境を基準にすると、「まだ使える」と思っても、初期費用が多少高くても、省エネ性能が高く新しい機器を選定して適切に切り替える判断へと変わってきます。
「環境推進の立場から課題解決に取り組めば結果的にコストダウンにつながる」という共通認識を広め、現場の経験を活かすことで、社内や各工場の全員で最適な方法を見つけ出す重要性が見えてきました。
「できない」から「できるかも」に変わる
カーボンフットプリント※1の算定などを含む自社の排出量の把握では、社内で完結するスコープ1と2までは取り組めました。
しかし、サプライチェーン上の他社の排出量を含むスコープ3では、原材料に伴う排出量なども一つひとつ算定する必要がありました。
これは無理だろう、と悩んでいた時にリコージャパン兵庫支社の担当者と話をする機会があり、相談すると専任担当者を連れてきてくださり、質問に対して即答してもらえたことで、一気に取り組みが進みました。
「できない」と思っていたことが、「できるかもしれない」に変わる体験を繰り返し、気がつけば周囲からも前進している、と言われるようになりました。
リコージャパンのカーボンニュートラル倶楽部に入会後、毎月届く会員向けメールマガジンを読むと、内容のレベルが非常に高く、実務の見落としを防ぐ情報源にもなっています。
「低濃度PCB廃棄物の処分期限が来年に迫っていますが、大丈夫ですか?」という記事があり、社内に共有したところ、まさに該当する案件が見つかり助かりました。
会員向けに開催されている、御殿場のリコー環境事業開発センターの見学会にも参加しました。
当社は古い施設を抱えているため、築38年の建物をZEB※2化した施設に強く興味を惹かれましたが、ものづくりの現場で働く方々の環境への意識の高さにも強く感銘を受けました。
見学後の懇親会は、他社と悩みを率直に分かち合える非常に貴重な場になりました。
脱炭素という共通課題への取り組みを通じて、異業種でありながら同じ視座を持つ同志と出会え、意識を共有できたことが心の支えになっています。
同行した社員も大きな衝撃を受け、現場での取り組みも加速しました。

2026年春にリニューアルされたリコー環境事業開発センター
サプライヤーに寄り添う、脱炭素へのアプローチ
お客様の期待に応えるためには、スコープ3排出量の削減が不可欠であり、その実現には、サプライヤーの皆様とともに取り組むことが欠かせません。しかし、取引先に対して取り組みをお願いし始めると、やはり環境に苦手意識を持つ方が現れます。
製造現場の多くでは、環境対策は利益を減らすものとして捉えられがちで、以前実施したアンケートでは「環境は嫌いです」という回答が寄せられるほど、抵抗感が強いのが実情です。
環境への取り組みについて、何をどのタイミングで始めるかは各社の判断ですが、実現に向けてお手伝いをするのは私たちの役割です。
かつては私自身も環境対策に対する苦手意識があったからこそ、当時の気持ちを思い返しながら情報提供を続け、「やっておいて良かった」「付き合って本当に良かった」と将来思っていただけるように、互いにプラスとなる関係を築きたいと思います。
リコージャパンと創り上げた、サプライヤー向けセミナー
御殿場での施設見学後、スコープ3への具体的な取り組みとして、サプライヤー向けにセミナーを開催しました。
企画段階でセミナー内容や会場の手配を相談したところ、リコージャパンからセミナーへの講師派遣をご提案いただき、神戸三宮のオフィス(ViCreA※3神戸)を提供してもらえることになりました。
リコージャパンの担当者に相談しながら、環境に苦手意識がある方でも興味を持てるプログラムが構築できました。
その結果、参加者の中からは、「期待以上」という評価もいただき、セミナー開催への大きな手応えを感じています。
今回のセミナーのきっかけを作ってくださったリコージャパンや、アドバイスをいただいたすべての方々には感謝の言葉しかありません。
同じ志を持つ仲間たちからの刺激を力にしながら、これからも取り組みを進めていきたいと思います。

リコージャパンの神戸三宮オフィスで開催された サプライヤー向けセミナー
1.製品・サービスのライフサイクル全体での温室効果ガス排出量をCO2排出量に換算した値。企業活動全体の排出量を示すスコープ1~3の算定と密接に関わる
2.ネット・ゼロ・エネルギー・ビル:省エネや創エネにより年間消費のエネルギー量が大幅に削減された建物
3.リコージャパンの社員が働き方を実践する見学可能なライブオフィス(※要予約)
| 本社所在地 | 兵庫県神戸市中央区港島南町六丁目4番4号 |
| 設立 | 1951年 |
| 従業員数(連結) | 1,573名(2026年3月期) |
| 事業内容 | 溶射をはじめとした表面改質技術による、各種産業向け部材への高機能な表面処理加工 |
金属やセラミックスなどの材料を吹き付ける「溶射」の高い技術を持つ表面処理加工の総合メーカー。半導体製造装置から産業機械、エネルギー分野に至るまで、あらゆる業界の製品や生産設備向けに高機能皮膜を形成する表面改質技術のリーディングカンパニーである。


トーカロ、TOCALO、TOCALOロゴおよび表面カエル戦隊カエルンジャーロゴは、トーカロ株式会社の商標または登録商標です。
本事例カタログに記載のその他の会社名および製品名、ロゴマークは各社の商号、商標または登録商標です。
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