水銀灯照明のLED化を皮切りにSDGs取組みに合わせた 脱炭素ソリューションを適時導入 藤寿産業株式会社(福島県)
2025年06月26日 13:00
この記事に書いてあること
藤寿産業株式会社様は、福島県郡山市に本社を構える集成材*1メーカーとして今年創立50周年を迎えられた設計、製造、施工の一貫生産体制が特徴の、木造施設造りの総合プロデュース企業です。
最近では世界最大規模の木造建築として話題の大阪・関西万博の大屋根リングにも藤寿産業様の集成材が採用されています。このような大規模な非住宅木造建築の骨組みとなる柱や梁になる高品質な木製品を高度な生産技術を背景に供給されています。
また、同社は地域木材を活用した高付加価値の木製品の開発・製造・供給事業を柱に持続可能な社会の実現を目指しておられます。
自社の業務が脱炭素に貢献している事について総務部の市川部長にお話をお伺いしました。
*1 板と板を接着材で貼り合わせた建築資材
自社の業務が脱炭素社会へ貢献
「”間伐や植林を通じて森林はリサイクルされ循環する” 当社はそこから発生してくる木材を事業に活用する立場に有り、それがSDGs達成に貢献できると考えています。」と市川様は自社の事業とSDGsへの貢献について語ってくださいました。
また藤寿産業様は木造建築の普及促進に取組まれており、2019年度には「第1回こおりやまSDGsアワード」を受賞されました。
脱炭素社会の実現に向けた木材利用への関心と期待が高まる中、集成材メーカーに対する大手ゼネコンからの環境情報開示の要望もあり、2024年には業界団体である日本集成材工業協同組合が木材の集成材原単位(1㎥当たり製造までに係る温室効果ガスの環境負荷)をまとめ、集成材による環境負荷削減効果を公表*2しています。
このような業界全体での環境問題に対する意識が高まる中、藤寿産業様の関連会社である株式会社ウッドコア様では、2025年に環境負荷の評価と認証の仕組みであるEPD認証*3の取得をいたしました。このEPD認証取得企業は集成材業界では現状はまだ少ないのですが今後は認証取得する企業が増える見込みと言われています。
*2 日本集成材工業協同組合|国内で生産されるJAS構造用集成材の国内で生産されるJAS構造用集成材の排出原単位構築排出原単位構築報告書報告書
*3 製造のライフサイクル全体における環境負荷を定量的に評価し第三者機関により検証・認証する仕組み
最近の実績例 大阪・関西万博の大屋根リング

総務部 部長 市川 克典様
水銀灯の生産中止がLED化のきっかけ
LED導入にあたっては、”2021年水銀灯の生産中止”がキーワードとなりました。
工場には水銀灯が多く、福島県の省エネ補助金などを活用し、4年にわけて200台以上をLEDに置き換えられました。
「工場には業務性質上木くずが多量に発生します。水銀灯からLEDに更新するにあたり熱による発火の懸念事項があったのですが、”LEDは発熱しない”旨をリコージャパンの担当者からの説明を受けて安心しました。」と市川様は語られます。
導入効果として、工場作業員からは、水銀灯と比較して“すぐに点灯”や”明るい”と好評です。更に照明の消費電力も80%の削減となりました。

LEDに変えて工場内も早く点灯 更に明るく
更なる安心安全とCO2削減への貢献
また市川様からは「当社の業務は、”大型機械を使用して木材の加工”業務がメインになるので、どうしても電力使用量は多くなってしまいます。また物件ごとの個別生産対応になるため、加工機器の節電やデマンド調整が難しい状況にあります。短期的なCO2削減対策は、事務所などで昼休み時の消灯や、エアコンの設定調整など手近にできるところからの対応になります。
長期的には、設備更新などハード面の対策が懸案事項になっていました。キュービクルについては導入から20年以上経過しており、”設備の老朽化”と”波及事故”について電気保安業者からの指摘もあって、設備更新を決断いたしました。リコージャパンさんに発注をした理由はスケジュール管理を含めた「進捗状況のしっかりとした説明」に他社にはない安心感があったからです。LEDの補助金申請の際に必要書類を都度手配して頂いたことも助かっています。
また電力は他社と契約をしていましたが、関連会社を含め6拠点を「リコー再エネスタンダード100*4」に切り替えました。業務性質上“電気の使用量が多い“ので、シミュレーションの結果、電気料金は年間約9百万円の削減を見込んでいます。併せて、脱炭素への貢献にもなると判断をしました。」とお言葉をいただきました。
*4リコー再エネスタンダード100は、非化石証書(再エネ指定)を用いて、実質再生可能エネルギー100%および二酸化炭素実排出係数をゼロにするプランです。環境省の電気事業者別排出係数の調整後排出係数はメニューBとなります。

新しく設置したキュービクル
SDGs、CSRの周知活動
市川様は自社の事業の意義と社員教育についてこのように語られておりました。
「木造建築は鉄筋・コンクリートに比べ製造時にCO2排出量が少ないこと、木材はCO2を吸収し長期間貯蔵することができること、木を伐採した後に植林をすることで新しい木が育ち、若い木はCO2をより多く吸収することなど、木材は脱炭素に貢献し、循環できる持続可能な資源として世界的に注目されており、非住宅の中大規模木造建築物が全国に増えてきています。当社はこのような木材を加工する業務がメインとなるので、社員各自がSDGsの意義や自社のCSRを理解し行動しなければならないことを定例の会議や安全大会などを通じて社員に継続して啓発をしています。
また、社会見学として自分達が作りだす部材で、どのような建物ができているのかを現場を視察することにより体感し、社員のモチベーションを上げるようにしています。」
藤寿産業様は他にも、地域の工業団地内の清掃活動にも参加をしており、社会全体の環境保全に貢献しながら地域活動にも積極的に取り組んでおられます。
最後に、「社員が増えて事務所が手狭になってきているため、将来的には事務所の建て替えを検討している。その際には、新社屋の設備などについてもリコージャパンに提案をお願いしたい。」との嬉しいお言葉も頂戴いたしました。
| 会社名 | 藤寿産業株式会社 |
| 本社 | 福島県郡山市田村町上行合字西川原35 |
| HP | https://toju.co.jp/ |
| 設立 | 1975年6月 |
| 事業内容 |
中大規模木造建築・木造施設造りの総合システムメーカー 大断面集成材・耐火集成材・オーダー集成材など高品質な木製品を供給 木造建築の計画段階での提案、技術サポート(構造設計等)を実施 |
※本資料に掲載のその他の会社名および製品名、ロゴマークは各社の商号、商標または登録商標です
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