サービス業

社内サーバーからクラウドストレージに一気に転換 容量無制限がもたらす新たな可能性 セキヤ(香川県)

From: 中小企業応援サイト

2022年03月08日 06:00

この記事に書いてあること

制作協力

産経ニュース エディトリアルチーム

産経新聞公式サイト「産経ニュース」のエディトリアルチームが制作協力。経営者やビジネスパーソンの皆様に、ビジネスの成長に役立つ情報やヒントをお伝えしてまいります。


イベント空間をデザインすることに強みを持つ香川県の企業、セキヤがICT導入に力を入れている。クラウドストレージ(インターネット上にあるデータ格納庫。社内のパソコンやサーバーだと社外から見るための設定が必要だが、クラウドストレージなら導入した日から、いつでもどこでも、認証をもっていればファイルの読み書きが可能)の導入を皮切りに、空間設計という創造性の高い仕事にデジタル技術を積極的に活用していくことで新しい可能性を広げようとしている。

イベント主力。コロナ禍で受注激減、しかし!

様々なイベントのデザイン・施工を行っている

様々なイベントのデザイン・施工を行っている


セキヤは、イベントや店舗デザインの企画から設計、運営、演出までを総合的にサポートする企業だ。パネルやパーテーション、棚、什器類、マネキンなどのファッション関連品、ショーケース、テーブル、イスといったイベントに欠かせない備品を豊富にそろえ、レンタル事業も展開。店舗、オフィス、住宅の内装向けにオリジナルのデザインや写真を印刷する「デジタルプリント壁紙」の販売も行っている。

「社員は財産(たから)なり」を企業の柱とし、イベント会場の設営に必要な業務管理士・電気工事士、内装工事では建築施工管理士の資格取得や研修の費用を補助するなど社員教育にも力を入れている。

新しいことへのチャレンジを重視し、その姿勢はコロナ禍においても発揮されている。 2020年、新型コロナウイルスの急速な感染で、展示会が中止・延期となり、イベント需要が激減するという非常事態を迎えたが、2021年になり、社会的ニーズが高いワクチン接種 やPCR検査会場向けのセパレーションパネル、消毒液、検温器などの商材を提供することでコロナ禍においても受注が確保出来た。おかげで、コロナ以前に迫る業績をあげることが出来た。

ワクチン接種やPCR検査の会場のパーテーションや機材の提供を行った

ワクチン接種やPCR検査の会場のパーテーションや機材の提供を行った


まさに、ピンチをチャンスに変えたが、これはやはり日ごろから、社員が機敏に動き、新しい情報を共有しながら機動力を持って事に当たるという風土があるからで、どの会社でも出来るものではない。

大型プリンタでの出力サービスも始めた

大型プリンタでの出力サービスも始めた

過去の膨大なデータを新しい仕事に活用する


セキヤにとって、商品のプロモーションや展示会、セレモニー、セミナーなどなどさまざまなイベントを請け負った際に作成した会場の図面やデザイン、写真、動画などのデータは競争力の源泉といえる大事な資料だ。その量は増えることはあっても減ることはない。

2021年12月にシステムパートナーのアドバイスを受けて、法人向けの容量無制限のクラウドストレージを導入した。その背景には、データ保管に充分な容量を確保すると同時に膨大な過去のデータをこれからの仕事のために活用しやすくするという狙いがあった。

「以前は社内のサーバーやハードディスクに過去のデータを保管していたのですが、3年ほど前からイベント会場で動画を使うケースが増えたこともあって、保管しなければならないデータ量が一気に増えました。サーバーを増設してもこれから先のデータ量の増加には対応できないと考え、クラウドストレージの導入に踏み切ることにしました。本格的な5G社会の到来を見据えた先行投資と考えています」。香川県高松市内にあるセキヤの本社でクラウド化プロジェクトを担当した足達光宏デザイン部長はこのように説明した。

足達光宏部長がWebでインタビューを受けている様子

足達光宏部長がWebでインタビューを受けている様子

アナログ重視だったからこそ一気にクラウド化できた


社員は50代以上が5割を占めている。「仕事の進め方はどちらかといえばアナログを重視していたこともあり、これまで積極的なICT導入はしてきませんでした。だからこそ一気にクラウド化という大胆な手を打てたのだと思います。会社を少しずつデジタル化に対応した体制に変えていきたいと思っています」と足達部長は話す。

クラウドストレージの選択にあたっては、しっかりとしたセキュリティと使いやすさを兼ね備えていることを重視した。「検討の最初の段階ではシステムが一新されることで社員の間でハレーションが起きないかと心配したのですが、これまでの仕事の進め方を変えなくても利用できることがわかったので、スムーズに移行を決断することができました」(足達部長)。

10年分のデータが自在に活用できる

セキヤが所有している什器、パネルなどの備品が並んでいる倉庫

セキヤが所有している什器、パネルなどの備品が並んでいる倉庫


クラウドを導入してから早速、過去10年分2千数百件にのぼるイベントのデータを移管した。「クラウドに移行したことで社外からでも、見る事ができるようになりました。本社に戻らなければできなかった業務をこれからは現場で済ませることが可能になります。お客様との大容量データのやりとりもこれからはスムーズにできそうです。資料をわざわざプリントアウトして外部に持ち出す必要もなくなるのでペーパーレス化も進められそうです」と足達部長はさまざまなプラス効果をうれしそうに話した。

検索機能の向上で業務の効率化を図る


検索機能が向上したことで、時期やイベントの種類を打ち込めば過去のデータを短時間で見つけることができるようになった。「これまで以上に過去のデータを活用しやすくなりました。今後も社員みんなが使いやすいデータベースとしての機能を強化していきたいと考えています。新入社員でも過去のデータから似た案件を探して参考にすることで、業務を効率的に行えるようにしていきたい。グループウェアを活用して営業、デザインなどの部局をこえた社員同士の情報の共有や交換、スケジュール確認もできるようにしたいですね。複数が参加する商談などのスケジュール調整もしやすくなりそうです」と足達部長はこれからの活用方法について話した。

パソコンや複合機を使って仕事をしているオフィス

パソコンや複合機を使って仕事をしているオフィス

万博がもたらす大きなチャンス メタバースにも関心

セキヤの本社

セキヤの本社


今後もICTの活用を検討している。そのひとつが、展示会場で行うセミナーなどを動画配信するサービスの展開だ。「オンライン配信はコロナ禍が収まった後も大きな需要があると思うのでしっかりと準備していきます。アナログとデジタルをバランスよく組み合わせた提案力を強化する一方、ホームページを充実し、独自の情報発信にも取り組んでいきたい」と足達部長は語った。

現実に近い体験ができる仮想空間として注目を集めているメタバースにも関心を持っている。2025年に開催される国際的なビッグイベント、大阪・関西万博もビジネス拡大の大きなチャンスだ。「万博を目標にイベントなどで情報発信に取り組むお客様をしっかりとサポートしていきたいですね。革新的な技術が次々に登場しているのでしっかりと情報収集していくつもりです」と足達部長。ドローンや360度カメラといった進化が著しい技術を活用することで、リアルとバーチャルを組み合わせた新しい展示サービスを生み出すことができるかもしれない。セキヤのICT活用の取り組みに大きな将来性を感じた。

会社概要

会社名

株式会社セキヤ

本社

香川県高松市春日町705-1

電話

087-843-1020

設立

1968年12月

従業員数

24人

事業内容

ディスプレイ什器レンタル・製作、商空間設計・施工・管理、イベント設営・企画・運営、サイン計画・製作・施工

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