学校

「子どもたちに向き合う時間を増やしたい」 教育、保育を充実させるためICTを積極活用 社会福祉法人こどもの国 まあや学園(兵庫県)

From: 中小企業応援サイト

2022年09月16日 06:00

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社会福祉法人こどもの国は、兵庫県の南西部、たつの市揖保川町の自然豊かな田園地帯で幼保連携型の認定こども園、まあや学園を運営している。まあや学園は、1977年に設立された浄土真宗本願寺派の流れを汲む保育園を前身とし、その園名は釈迦の生母、マーヤー(摩耶)夫人に由来する。クラウドネットワークや保護者向けの情報伝達アプリといったICTを活用しながら「心」を大事にした教育、保育を展開している。

子どもたちは可能性の宝庫 幼保連携型の認定こども園に移行

まあや学園の園舎や園庭では、140人の子どもたちが日々、元気いっぱいに過ごしている。「子どもたちはみんな可能性の宝庫です。一人ひとりに親のような愛情を注いで、その成長をゆっくり見守ることを運営方針にしています」。自然の趣にあふれた園庭で、駆け回る子どもたちの姿を見守りながら堀良尚理事長はそう話した。

幼保連携型の認定こども園は、幼稚園と保育園の両方の機能を併せ持つ施設。幼稚園から保育園、保育園から幼稚園への転籍がしやすいので、保護者の就労状況に振り回されることなく、子どもたちが施設に通い続けることができる利点がある。まあや学園は2009年に幼保連携型の認定こども園に移行した。移行を決断した背景には、子どもたちの成長のためにより充実した環境を整えたいとの思いがあったという。(TOP写真:自然の趣にあふれたまあや学園の園庭)

「お参りの時間」で心を落ち着かせる

園内の多目的ホールには浄土真宗の本尊、阿弥陀如来像が大切に祀られ、コロナ禍前は、毎週月曜日に0歳から5歳までの園児全員が集まって15分程度の「お参り」を行ってきた。現在は、地域のコロナの感染状況を確認しながら感染防止対策をしっかり行った上で行うようにしている。

お参りの時間に活用する多目的ホール

お参りの時間に活用する多目的ホール

「変化のスピードが速いデジタル化が進む時代だからこそ、静かに正座をして心を落ち着かせる時間を持つことは、子どもたちにとって大きな意味があると思っています。言い聞かせなくても、大人がしっかり正座をしている様子を見ることで、子どもたちも自然な流れで正座して話を聞くようになっていきます。幼いころから正座の習慣を持つことは姿勢を良くすることにつながりますし、子どもたちが成長した時、必ず役に立つはずです」と堀理事長。自らも幼いころ、父親が創設した前身の保育園で愛情を受けて育ったこともあり、認定こども園の運営をはじめとする子どものための社会福祉事業に熱い思いを持っている。

堀良尚理事長

堀良尚理事長

まあや学園は、保育園として運営していた時代から、子どもたちに様々なことに挑戦してもらおうと、英語、体育、音楽といった教育活動に力を入れてきた。充実した教育に取り組んでいたことで幼保連携型認定子ども園への移行もスムーズに進めることができたという。

クラウドで二つの認定こども園の情報を共有。スムーズな運営が可能になった

社会福祉法人こどもの国は、2020年4月、まあや学園に続く二つ目の認定こども園「あそびの丘」をたつの市内に開設した。複数施設の運営は法人として初めての挑戦だった。あそびの丘では、活動の予定を細かく設定する「まあや学園」と異なり、子どもの自主性を尊重する自由保育のスタイルを取り入れている。子どもたちの成長を見守る上で多彩な選択肢を保護者に提供したいと考え、あえて方針を統一せずにそれぞれの施設を運営することにしている。

まあや学園の事務所の様子

まあや学園の事務所の様子

数キロ離れた両施設を効率的に運営する上で効果を発揮しているのが、2022年5月に導入したクラウドネットワークだ。NAS(ネットワーク接続型ストレージ)に保存している園児や保護者、スタッフの情報、勤怠や給与に関する文書、年中行事や活動の実績、保護者向け伝達事項のテンプレートといった様々な資料を二つの施設で共有できるようにしている。また、Web会議システムなどを活用してコミュニケーションを取るようにしている。

開設当初は二つの施設を運営していくことに多少の不安があったが、ネットワークで結ぶことで同じ施設で一緒に働いているような感覚で日々の仕事ができるので、スムーズな運営が可能になっている。コロナ禍において接触の機会を減らすことにもつながっているという。「保育、教育は人間だからこそ担うことができる仕事です。ICTを活用して事務作業にかかる時間を削減することで、スタッフが子どもたちに向き合う時間をより多く確保することができます」と堀理事長は思いを語った。

VPNからクラウドへの移行でバックアップ体制を強化

クラウドを導入する前、二つの施設のネットワークはVPN(仮想専用回線)で接続し、データや資料はNAS(ネットワーク接続型ストレージ)に保存していた。だが、NASでは容量に限界があり、破損などトラブルが発生した際の備えも兼ねて情報を無制限で保管できるクラウドに移行することにした。「VPNからクラウドに移行しても使い方は全く変わらないので、ストレスなく移行することができました。NASとクラウドの両方でデータや資料の保存ができるのでバックアップ体制を強化することができました」と堀理事長は話した。それぞれの施設では見守りのために複数のカメラも設置している。

園内を見守るためのカメラからの映像

園内を見守るためのカメラからの映像

コロナ禍で役立った保護者向けの情報伝達アプリ。緊急連絡やお便り、アンケート他、情報更新の度に通知が届くので喜ばれる

まあや学園の正門

まあや学園の正門

クラウドは保護者向けにデジタルサービスを提供する上でも効果を発揮している。その中の一つが、4年前から導入している保護者向けの情報伝達用アプリだ。アプリは施設からの緊急連絡や、お便り、アンケートの受信のほか、施設側が撮影した動画や写真の閲覧ができる機能を備えている。保護者はスマートフォンからクラウドを通じてサービスを利用し、情報更新の度に通知が届く仕組みになっている。スマートフォンを所有していない保護者には、アプリの導入前と同じように紙のプリントでお知らせするようにしている。

「お知らせを紙でする場合、文書を作成してから印刷、配布するまで最低でも1日は必要ですが、アプリを使えばメール配信のように迅速に情報提供できます。コロナ禍では緊急にお知らせしなければならないケースも多いので、非常に役立っています。動画や写真を通じて、子どもたちの様子をお知らせする取り組みも好評です。コロナ禍において、不安な気持ちを抱いている保護者の方々へのきめ細かな対応が必要な状況下、ICTは本当に役に立っています」と堀理事長は話した。

ペーパーレス、デジタル教材など子どもたちの成長に寄与できるICT活用の可能性を探る

自然に囲まれた環境

自然に囲まれた環境

堀理事長は、文書や資料のデジタル化によるペーパーレスの推進やデジタル教材の活用にも関心を持っている。幅広く情報収集して、子どもたちにどのようなメリットがあるかを基準にして導入を判断したいという。心を大事にした教育、保育とICTを組み合わせることで、子どもたちの成長にどのような効果が生まれるのか。社会福証人こどもの国の取り組みにこれからも注目したい。

事業概要

法人名

社会福祉法人こどもの国 認定こども園まあや学園

本社

兵庫県たつの市揖保川町二塚385-1

電話

0791-72-4630

設立

1977年4月

従業員数

40人

事業内容

認定こども園での教育、保育業務

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