電子黒板をスケジュール管理&勉強会とフル活用 メイトエンジニアリング(兵庫県)
2023年05月16日 06:00
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非破壊検査業の新光検査株式会社(兵庫県明石市)から独立してできた株式会社メイトエンジニアリングは、非破壊検査に付帯する業務も担って姫路にある大手化学会社の検査事業を30年来引き受けている。堅実な経営の一方で、ホワイトボードに記してきた社員のスケジュール管理は2022年7月の本社新設と同時にクラウド型業務支援ソフトに代え、電子黒板も導入して大きな効果を上げた。(TOP写真:本社移転と同時に新システムを導入した新山勝男代表取締役)
新光検査の姫路事業所が独立して創業
株式会社メイトエンジニアリングの母体は新光検査姫路事業所。新光検査は非破壊検査専業で非破壊検査を主業務としていたが、非破壊検査に付帯する工事等及び高圧ガス関連検査工事もすべて請け負うべく1995年、メイトエンジニアリングが設立された。
ガスタンクなどの開放検査
その際にメイトエンジニアリングに転籍したのが、新山勝男代表取締役ら新光検査姫路事業所の社員。兵庫県加西市の新光検査の工場を間借りするなどして事業を始めた。
非破壊検査関連以外の業務も開始
非破壊検査専業の新光検査に対し、メイトエンジニアリングは非破壊検査関連に付随する事業も展開。主な業務は姫路にある大手化学会社のタンクなどの定期点検だったが、新光検査時代に行っていた非破壊検査だけでなく、足場の組み立てや弁類の整備点検などを一手に引き受け始めた。堅実な仕事で点検業務を請け負い続け、耐圧試験や気密試験など、関連する事業も始めて徐々に幅を広げていった。
耐圧・気密試験の様子
2010年化学肥料メーカーの設備の定期点検関連業務も担当
定期点検業務を中心に堅実に仕事をこなす中、2010年化学肥料メーカー(兵庫県播磨町)のアンモニア設備定期自主検査の工事も請け負うことになった。設備関連の定期点検に伴う工事は中小企業が行うことが多く、その中でもメイトエンジニアリングの堅実な仕事ぶりが評価された。
2022年の新社屋完成時にICT導入 日々の予定管理や設備管理を全社員で共有できるようになった
新入社員の確保がなかなか進まない中ではあったが、仕事は順調に請け負えてきた。そんな中、新山社長が2019年に代表取締役就任。社員の利便性を高めるため、本社と工場の移転を計画した。
2022年に新設されたメイトエンジニアリングの本社工場
本社新設と同時に導入を考えたのがICT。20年以上の付き合いがあるシステム支援会社に相談し、提案されたのが、クラウド型業務支援ソフトによるスケジュール管理と電子黒板の導入だった。
それまで同社では、日々の予定管理や設備管理などを社内に設置している手書きのホワイトボードで行っていた。当然、社内でしか見ることができず、外部から確認するには電話を入れて社内にいる人に教えてもらうしかなかった。
電子黒板に表示されている社員のスケジュール。社内でも外出中でもリアルタイム情報が確認できるようになった
オフィスに設置された電子黒板には全社員のスケジュールが表示されている。今では、電子黒板でもパソコン、携帯電話でも全員の予定を知ることができ、いつどこで何をしているかがすぐにわかるようになった。整頓され、広々としたオフィスは社員に好評だ。
広々としてきれいなメイトエンジニアリングのオフィス
電帳法関連の書類はクラウドで管理
「やるからには最先端で」(新山社長)との意気込みをもって取り組んできたため、電子帳簿保存法改正に伴う納品書などのデータはクラウドでの保存にも対応している。
社員のスキルアップのため、資格試験対策に電子黒板を活用
普段はスケジュール表示に使っている電子黒板だが、勉強会にも活用している。非破壊検査などには様々な資格が必要で、新規取得の場合はもちろん、資格更新の際にも勉強が必要になるためだ。新山社長は「図面などのデータ表示だけでなく、手書きで書き込めるのも便利。アナログとは違う」と話す。
超音波検査装置。資格試験に備えて常時使えるようにしている
常に勉強が欠かせない同社にあって、本社会議室に常に置かれているのが超音波検査装置。装置は、超音波で部材の内部状況を画像として浮かび上がらせるが、その画像を見てクラックや気泡があるかどうかを判断するのはなかなか難しく、時間のある時にいつでも使えるようにして、判断能力を高めてもらっている。
今後の事業拡大と人員増に備え、工場を広々と整備 X線検査も実施
工場内でバルブ整備を行う社員ら
検査工事は現場で行うことが多いが、バルブの整備や単発の非破壊検査などは工場内で実施。X線発生装置は工場内の鉛製の仕切りの中に置かれ、溶接部分のクラックや気泡の有無を検査している。
X線発生装置。鉛製仕切り板に囲まれている
新山社長は「10年、15年経つと、工場の設備に必要な定期点検を請け負える会社が足りなくなるのではないか」と業界の状況を心配している。そのためにも、メイトエンジニアリングでは、最先端のICT導入と活用、そして社内の活発な情報交換や勉強会を進めている。将来への手を打っているメイトエンジニアリングなら、様々な企業のニーズに応えながらこれからも成長していくと確信した。
事業概要
会社名
株式会社メイトエンジニアリング
本社
兵庫県姫路市網干区興浜907番146
電話
079-274-2965
設立
1991年3月28日
従業員数
22名
事業内容
非破壊検査全般、危険物貯槽やガスタンクなどの開放検査、各種弁類整備点検工事、耐圧、気密試験
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