保険・証券

地域に密着して幅広いサービスを提供する保険代理店 顧客情報を守るためネットセキュリティを強化 すまいる88(香川県)

From: 中小企業応援サイト

2024年08月21日 06:00

この記事に書いてあること

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産経ニュース エディトリアルチーム

産経新聞公式サイト「産経ニュース」のエディトリアルチームが制作協力。経営者やビジネスパーソンの皆様に、ビジネスの成長に役立つ情報やヒントをお伝えしてまいります。

保険会社から委託を受け、顧客(保険契約者)に保険商品を販売する窓口となっている保険代理店。損害保険を中心に、インターネットを介して顧客と保険会社が直接契約する「ダイレクト型」の保険商品が普及する中、保険代理店の強みとなっているのが、人間が携わるからこそ提供できるきめ細かなサービスだ。

香川県中西部の丸亀市にて保険代理店を営む、すまいる88(はちはち)株式会社は、保険商品のきめ細かな説明、ニーズに合わせた契約内容の提案、ライフプランの組み立て、契約後のサポートまで幅広く対応することで地域から根強く支持されている。顧客情報を守ることを重要視し、UTM(統合脅威管理)機器の導入をはじめとするセキュリティ分野でデジタル技術を積極的に活用している。(TOP写真:すまいる88丸亀店の店内)

損害保険3社、生命保険3社の業務を担う「頼りになる身近なプロ代理店」

すまいる88の近藤哲二代表取締役

すまいる88の近藤哲二代表取締役

すまいる88は、複数の保険会社の保険商品を扱う乗合代理店だ。香川県丸亀市内の幹線道路沿いに一連のサービスを対面で提供する保険ショップを兼ねた店舗を構えている。5人の従業員で損害保険会社3社、生命保険会社3社の代理店業務を担い、扱っている保険商品は数百種類にのぼる。「頼りになる身近なプロ代理店」を掲げ、損害保険トータルプランナーなど様々な資格を保有している。

「スピード感を大事にしながらお客様のニーズを先読みし、お客様に喜ばれるプラスアルファの情報を提供することを心がけています。お客様が安心して日々の生活を送ることができるようしっかりサポートさせていただきます」とすまいる88の近藤哲二代表取締役は明るい表情で話した。

「地域社会に貢献できる企業でありたい」 2024年7月にSDGs行動宣言

様々な取り組みを明記したすまいる88のSDGs行動宣言

様々な取り組みを明記したすまいる88のSDGs行動宣言

すまいる88は、「地域社会に貢献できる企業でありたい」との思いから国連のSDGs(持続可能な開発目標)に強い関心を持ち、2024年7月にSDGs行動宣言を行った。具体的な取り組みとして、ペーパーレス化の推進、県内で開催されるイベントへの協力、働き方改革の推進、全国社会保険労務士会連合会の認証制度「職場環境改善宣言企業」の認定、健康経営の推進、コンプライアンス教育の徹底などをあげている。

「88」は四国八十八ヶ所霊場にもちなんだ会社を象徴する数字 「すまいる」に顧客を笑顔にしたいという思いを込めている

すまいる88のロゴマーク

すまいる88のロゴマーク

故郷の香川県を離れて広告業界で働いていた近藤社長は2005年、香川県に戻って保険代理店を開業した。社会人としてキャリアを積む中で、故郷の活性化に貢献したいとの思いが次第に強くなったことがUターン起業につながったという。その後、父親が1975年から経営していた保険代理店との合併などを経て、2017年8月に現在のすまいる88株式会社を設立した。

「88」は、近藤社長の誕生月と会社の設立月が8月であることや四国八十八ヶ所霊場にちなむ会社を象徴する数字だ。顧客を笑顔にしたいという思いを込めた「smile」と合わせて社名を「すまいる88」にしたという。コーポレートカラーには喜び、親しみ、幸福感といったポジティブな印象を与えるオレンジを採用。ロゴマークは笑顔をモチーフに顧客と従業員同士が向き合い、手を取り合う姿を表現している。顧客は個人から法人まで幅広く、父親の代からの得意先も多いという。

地域の様々な事業所とのネットワークを生かして顧客の幅広い要望に応える

すまいる88のオフィスの様子

すまいる88のオフィスの様子

「保険の提案だけでなく、生活に関連した様々な要望にもしっかりと耳を傾けています。お客様の必要なタイミングで最適なサービスを提供できるように地域の様々な事業所とネットワークを形成しています」と近藤社長。特に自信を持っているのが、自動車保険の契約者が交通事故に見舞われた後のきめ細かな対応だ。自動車整備会社、レッカー業社、レンタカー会社や弁護士など士業関係者との幅広いネットワークを生かして、保険金に関連した業務だけでなく、ドライブレコーダーの分析、自動車の修理や事故をめぐる係争の解決といった幅広い要望に応えている。

急速に進む保険業界のDX 保険会社の動きに合わせてデジタル技術に着目

人口減少に伴う市場縮小や競争激化といった環境の変化を見据えて、保険業界のDXは近年、急速に進んでいる。その中で、すまいる88もデジタル技術の活用に動いている。「取引先の保険会社と連携していく上でデジタル技術は欠かせないものになっています。営業、契約管理、事務処理などでどのようなICTやデジタル機器が使われているのか、しっかりとアンテナを張って情報を集めています」と近藤社長は話した。

大容量のNASを導入して社内の情報を共有化

すまいる88は、2018年8月、大容量のNAS(ネットワーク接続型ストレージ)を導入し、約1,500件の顧客情報を一元管理できるようにした。以前は従業員一人ひとりが使うパソコンにそれぞれが担当する顧客データを保存していたので、担当外の顧客データを確認する際、時間と手間がかかっていた。NASのおかげで社内全体の情報共有が進んだことで仕事の属人化の解消や、顧客データの確認に使っていた時間の削減を実現できたという。

UTM機器やクラウドサービスを使って情報の多重防御体制を構築

大量の情報を保存するNASはサイバー攻撃の標的になることがある。NASの導入と合わせて取り組んだのが情報セキュリティの強化だ。それまでパソコンに導入していたウイルス対策ソフトに加え、更に強固な防御体制を構築するために2019年11月、多種多様なセキュリティ機能を備えたUTM機器を導入した。

UTM機器は、アンチウイルスをはじめ、第三者からの不正侵入を防ぐファイアウォール、不正侵入を検知して除去するIDS・IPS、危険性があるサイトへのアクセスを遮断するWebフィルタリングといった情報を守る様々な機能を一台で備えている。管理に手間がかからないことに加え、新しい保護機能が定期的に自動更新されるので常に最新の対策を取ることができる。 2021年にはメールの送受信のセキュリティ機能を強化する保険代理店専用のクラウドサービスも導入した。標的型攻撃対策、添付ファイルの自動暗号化、誤送信防止、アカウントロックなどの機能を活用できるので、より安全に保険会社や顧客とメールのやりとりができるようになった。

2023年4月には、多重防御体制を更に整えるため、NASをより大容量でセキュリティ機能を強化した機種に変更した。「情報が漏洩(ろうえい)したり破壊されたりすると保険会社やお客様に大変な迷惑をかけてしまいます。安心と安全を確保するためにセキュリティは強化するに越したことはありません」と近藤社長は表情を引き締めた。管理する情報はこれからも増え続けるので、これからも従業員一人ひとりがリスクに対する高い意識を持ち続けることを肝に銘じているという。

守りだけでなく攻めでもデジタル技術を活用していく

更新するホームページの内容をチェックする様子

更新するホームページの内容をチェックする様子

すまいる88は、これまで主に守りの面でデジタル技術を活用してきた。今後は、業務効率化を通じた営業活動や顧客サービスの強化、新規顧客の開拓といった攻めの面でもデジタル技術を活用していきたいという。

現在のところ、すまいる88は、代理店業務を担っている保険会社それぞれの基幹システムと個別にネットワークを結んで顧客情報や契約情報の入力・管理を行っているが、新しいシステムを活用することでこれらの業務を効率化できないか考えている。業務効率化によって生まれた時間を、顧客とのコミュニケーションや新規顧客の開拓に使うようにしたいという。顧客向けのWeb面談の充実やホームページ・SNSを通じた情報発信の強化、社内の情報交換を活発にするためのグループウェアの活用も考えている。

デジタルだけでなく信頼をベースにしたアナログの取り組みも大事に

「デジタルネイティブ世代の若いお客様が増える中で、保険に対するニーズも多様化、高度化しています。ペーパーレス化や労働時間の削減を進め、従業員のスキルアップを図って高品質で均一なサービスを提供し、営業活動や業務プロセスを可視化していく上で、デジタル技術の活用は欠かせません。その一方でこれまで培ってきた信頼をベースにしたアナログの取り組みも大事にしていきたいと考えています」と近藤社長は先を見据える。

地域のための業界組織の活動にも注力

近藤社長は、地域の損害保険代理店の業界組織、一般社団法人香川県損害保険代理業協会の常務理事を務め、保険代理店に携わる人材の教育・研修、学校への働きかけをはじめとする啓発・宣伝、地域社会貢献、地球環境保全など様々な活動に携わっている。「将来の担い手の確保につながるよう若い人に保険代理店の仕事の魅力を伝えていきたい」と近藤社長。協会で運営するeラーニングシステムを積極的に活用して若い人材の育成に取り組んでいきたいという。

強みを強化してデジタル技術で活路を開く

すまいる88丸亀店の外観

すまいる88丸亀店の外観

顧客を大切にするアフターフォロー体制、長年にわたる地域とのつながり、従業員の高い知識力を強みに、あらゆる相談に応じるトータルリスクコンサルティングを志向するすまいる88。業界を巡る環境は大きく変化しているが、守りに加え、攻めにもデジタル技術を活用することで、着実にこれからのビジネスを拡大していくに違いない。

企業概要

会社名

すまいる88株式会社

丸亀店

香川県丸亀市田村町445番地3

HP

https://smile88.co.jp

電話

0877-35-8873

FAX

0877-35-8874

設立

2017年8月

従業員数

5人

事業内容

損害保険・生命保険代理店・住宅ローン取次店(自動車保険・火災保険などの個人保険、個人事業主・法人への業務災害保険などの労働関連保険、個人・法人への生命保険、住宅ローン利用者へのフラット35取り次ぎ)

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