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金属資源のリサイクルを通じて経済と環境の両面で社会に貢献 社内情報の保護に複数のセキュリティ機器を導入 高木商店(香川県)

From: 中小企業応援サイト

2025年06月03日 06:00

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現代社会の基盤を支える鉄、銅、アルミといった金属資源のリサイクルは、資源が乏しい日本にとって経済と環境の両面で重要な取り組みだ。香川県坂出市に本社を構える株式会社高木商店は、1980年の設立以来、地域に根差して主に金属を中心とした産業廃棄物の中間処理施設を運営し、資源の再利用に大きな役割を果たしてきた。長期にわたって蓄積している幅広い取引先の情報を守るために、複数のセキュリティ機器を導入し、社内情報の多層防御体制を構築している。(TOP写真:パワーショベルを使って金属スクラップをトラックに積み込む様子)

香川県坂出市で金属スクラップを中心とした産業廃棄物の中間処理施設を運営

高木商店は、香川県坂出市の坂出港に近い工業地帯の一画で、金属スクラップを中心とした産業廃棄物の中間処理施設を運営している。本社と併設した約3300平方メートルの処理施設内では、収集もしくは事業者から持ち込まれた金属スクラップなどが一時保管され、再利用できるものとできないものに仕分けされた後、リサイクル施設や最終処分場などに搬送される。

金属や金属製品の製造現場、建設現場、解体工事現場などから産業廃棄物として発生する金属スクラップは、リサイクル処理を行って再生することで、新しい金属を生産するコストの削減、資源の有効活用、環境保護、エネルギー消費量の削減に役立てることができる。高木商店は、金属スクラップをはじめとする多種多様な産業廃棄物の中から再利用できるものを選別、運搬する作業を通じて、リサイクルの推進と最終処分場の負荷軽減に大きな役割を果たしている。

収集、運搬、選別を迅速に行うためにパワーショベル、トラックなど数十台の重機、車両を備える

高木商店が所有するパワーショベル

高木商店が所有するパワーショベル

高木商店は、金属を圧縮、切断する設備と共に、様々なアタッチメントを備えたパワーショベル、フォークリフト、トラックなど数十台の重機や車両を所有している。「お客様の要望に応えることを第一に考え、金属スクラップの収集、運搬、選別を迅速に行うために設備投資には力を注いできました。天然資源が少ない日本にとって有用な金属資源を再生する大事な役割を担っていることを誇りに思いながら事業に取り組んでいます」と本社で取材に応じた高木佳彦代表取締役会長は話した。

株式会社高木商店の高木佳彦代表取締役会長と高木陽子代表取締役社長

株式会社高木商店の高木佳彦代表取締役会長と高木陽子代表取締役社長

現在82歳の高木会長は、父親が創業した高木商店の経営を30代で引き継いだ後、半世紀にわたって多種多様な金属を扱いながら事業を継続してきた。2023年5月に代表取締役社長の役職を娘の陽子さんに譲ってからは、会長の立場で経営に携わっている。家族経営で勤続歴の長い従業員が多いこともあって社内は、お茶の間のようにアットホームな雰囲気に包まれている。「社員はみんな家族と思っています。取引先をはじめとする多くの方々に支えていただいたおかげで、ここまで事業を営んでくることができました。なんでも話し合える社風を大事に、これからも自然体で仲良くやっていきたいですね」と高木会長は穏やかな表情で話した。

中間処理施設の出入口に埋め込み型のトラックスケールを導入して産業廃棄物を迅速かつ正確に計測

トラックスケールにトラックを停車して重量を計測する様子

トラックスケールにトラックを停車して重量を計測する様子

四国と本州を結ぶ瀬戸大橋が通り、四国の玄関口となっている香川県坂出市周辺は瀬戸内海に面して工業地帯が広がり、大型から小型まで多種多様な工場が集積している。その中で、高木商店は数百件の取引先から産業廃棄物を定期的に収集している。金属スクラップを中心に、プラスチック、紙、木、繊維、ゴム、ガラス、コンクリート、陶磁器などの廃棄物やがれき類も受け入れている。年間に処理する金属スクラップの重量は1万トンを超えるという。

トラックスケールと連動したデータプロセッサ

トラックスケールと連動したデータプロセッサ

高木商店は、収集もしくは持ち込まれる産業廃棄物を迅速かつ正確に計測するために中間処理施設の出入口に埋め込み型のトラックスケール(大型車両用計測器)を導入している。トラックスケールは、60トンの重さまで計測することが可能で、計測したデータは社内に設置したデータプロセッサに送信される。トラックが中間処理施設に入る際と出る際に、廃棄物を積載した状態と積載していない状態をそれぞれ計測することで正味の重量を算出し、金属の種類ごとの単価を掛け合わせて金額を算出している。伝票もプリンターを使ってすぐに印刷できる。トラックスケールは、毎日の業務に必要不可欠な設備になっているという。

取引先の情報を守るため複数のセキュリティ機能を一つにまとめたUTM機器を活用

高木商店本社のオフィスの様子

高木商店本社のオフィスの様子

中小企業をターゲットにしたサイバー犯罪は増加傾向にある。無差別攻撃に加え、ネットワーク管理の脆弱な企業に標的を絞るなど手段は多様化かつ巧妙化している。システムに悪影響を与えることなく情報を盗み出し、情報の流出が判明してからはじめて被害に気がつくケースも多い。この状況下、高木商店は、取引先の情報を守るためのセキュリティ体制の構築とデータのバックアップに力を入れている。

2019年から活用しているのが、複数のセキュリティ機能を一つにまとめたUTM(統合脅威管理)機器だ。一台で複数のセキュリティ対策ができるので、管理の手間やコストを削減できる。 高木商店が導入したUTM機器は、不正アクセスを防御するファイアウォール、コンピューターウイルスを検知・防御するアンチウイルス、スパムメールの受信を阻止するアンチスパム、社内ネットワークから外部ネットワークへのアクセスを制限するWebフィルタリング、不正侵入の検知・防御といった機能を備えている。

2024年にはサイバー攻撃への出口対策を追加 「安全な通信はない」という前提に立って多層的に対策を講じる

高木商店は、「安全な通信はない」という前提に立って対策を講じるゼロ・トラストの考え方を大事にしている。2024年6月には、万が一、システムにコンピューターウイルスが侵入したとしても、社内ネットワークから外部への危険な通信を検知して遮断する機能を備えたセキュリティシステムを新たに導入。入口だけでなく出口でも多層的にサイバー攻撃への対策を講じたことで、システム全体の安全性は更に向上した。「社内情報の流出は発生してから気付いても手遅れです。お客様に迷惑をかけないように更にしっかりとしたセキュリティ対策を整えました。余計な心配をすることなく安心して日々の仕事に専念できるのが、本当にありがたいと思っています」と高木会長は話した。

これからも金属再生のエキスパートとして事業に取り組む

高木商店の本社の外観

高木商店の本社の外観

信用と信頼に基盤にした長期的な取引を大事にしている高木商店。エコノミーとエコロジーの両面を重視した持続可能性が高い社会を構築する上で、金属資源のリサイクルの役割は今後、ますます高まることが予想される。その中で、高木商店はこれからも循環経済の成立に欠かせない金属再生のエキスパートとして事業に取り組んでいく。

企業概要

会社名

株式会社高木商店

本社

香川県坂出市大屋冨町1799-10

電話

0877-47-0585

設立

1980年8月(1967年創業)

従業員数

18人

事業内容

産業廃棄物中間処理業、産業廃棄物収集運搬業

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