製造業(その他)

新たなビジネス創出に向け、デジタルを活用し、風通しの良い社内改革に踏み出す無機繊維のプロフェッショナル企業 ユージー基材(京都府)

From: 中小企業応援サイト

2025年09月12日 06:00

この記事に書いてあること

制作協力

産経ニュース エディトリアルチーム

産経新聞公式サイト「産経ニュース」のエディトリアルチームが制作協力。経営者やビジネスパーソンの皆様に、ビジネスの成長に役立つ情報やヒントをお伝えしてまいります。

無機物を繊維状に加工した無機繊維は耐熱性、耐久性、不燃性に優れ、乗用車、航空機、スポーツ用品といった様々な製品で活用されている。京都府久世郡久御山町に本社を置き、半世紀を超える歴史を持つユージー基材株式会社は、ガラスを溶融して繊維状にしたガラス繊維を中心に多様な無機繊維の二次加工と販売を営んでいる。無機繊維の業界でオンリーワンの存在となることを目指して設備投資と人材育成に取り組み、デジタル技術を活用することで新たな発想とビジネス創出に向けて社内改革に踏み出す。(TOP写真:新たな発想とビジネス創出に向けて社内改革に踏み出すユージー基材のホームページより抜粋)

無機繊維のプロフェッショナル企業として顧客の課題解決のため、スピードと独創性と真心を大事にする

ユージー基材のコーポレートマーク

ユージー基材のコーポレートマーク

ユージー基材株式会社は、京都府宇治市に事業所を持つ大手繊維メーカー、ユニチカの出身者たちが、1973年に設立した企業だ。社名は、ユニチカ(UNITIKA)とガラス(GLASS)の頭文字にちなんで名付けた。ガラス加工から事業をスタートし、多種多様な工業製品や日用品の素材となる無機繊維を二次加工して大手メーカーに販売するビジネスモデルで事業を拡大してきた。本社と工場は、京都府南部の第二京阪道路と京滋バイパスが交わる久御山ジャンクションに近い産業ゾーンに立地している。

ユージー基材株式会社の柴田登志光代表取締役

ユージー基材株式会社の柴田登志光代表取締役

「スピードと独創性と真心を大事に、半世紀以上にわたって無機繊維の加工に取り組んできました。蓄積してきた実績をベースに的確なご提案、小ロットの受注、短納期といったきめ細かい対応をお客様に提供しています。無機繊維のプロフェッショナル企業としてこれからもお客様の課題解決にしっかりと貢献していきます」。創業者の父親から2012年に事業を承継した柴田登志光代表取締役は、事業に対する意気込みをこのように語った。

ガラス繊維をはじめ、カーボン繊維、断熱材向けのガラス素材など多様な無機繊維を加工

ユージー基材が加工したガラス繊維の製品サンプル

ユージー基材が加工したガラス繊維の製品サンプル

ユージー基材が加工した無機繊維は様々な最終製品となって社会で活用されている

ユージー基材が加工した無機繊維は様々な最終製品となって社会で活用されている

ユージー基材が加工する無機繊維は、細く、長く、屈曲性に富んだ「繊維」と耐熱性、化学的耐久性、防錆(ぼうせい)性を備えた「ガラス」の機能を併せ持つガラス繊維をはじめ、カーボン繊維、断熱材向けのガラス素材など多岐にわたる。同社が手掛ける無機繊維は、タイルカーペット、塩ビタイル、車の内装素材、踏切の単管材、遊園地の遊具、マンホールのふた、バスタブ、電子材料の部材、ビニール傘、食器といった様々な最終製品になって世の中で活用されている。「仕事に対するモチベーションを高めてもらうために、会社で加工している無機繊維がどのように社会で役立っているのかを、折に触れて従業員に伝えるようにしています」と柴田社長は話した。

ガラス繊維の加工に強みを持ち、長繊維の取り扱いが7割を占める

加工を施したガラス繊維のサンプル

加工を施したガラス繊維のサンプル

ユージー基材は無機繊維の中でも強化プラスチックの技術革新に大きな役割を果たしてきたガラス繊維の加工に強みを持っている。ガラス繊維には2種類あり、ひとつは、ガラスの原料を溶融し、糸状に引き伸ばした長繊維(グラスファイバー)。もうひとつは、粉砕したガラスを高温で溶融し、高速回転で綿状にした短繊維(グラスウール)だ。ユージー基材は、長繊維の取り扱いが7割を占め、一定の大きさにカットする「チョップ」、統一された幅にそろえる「スリット」、巻き返し、形状切り抜きといった多様な技術を駆使して加工に取り組んでいる。

今後の断熱材の需要拡大を見越して新工場設立 屋根には太陽光発電パネルを設置し熱効率を高めモデル工場となる

2024年7月に完成したユージー基材の新工場の外観

2024年7月に完成したユージー基材の新工場の外観

ユージー基材は事業拡大に向けて積極的な設備投資を行っている。2024年7月には、本社に隣接した約1000平方メートルの敷地で、断熱材向けの二次加工品を生産する新工場を完成させた。社会の脱炭素化の動きに伴って今後、冷暖房の効率を高める断熱材の需要が拡大することを見越して先手を打ったという。

新工場の屋根に設置している太陽光発電パネル

新工場の屋根に設置している太陽光発電パネル

ユージ―基材は、非化石証書(再エネ指定)を用いて社内で使用する電力を実質的に100%再生可能エネルギーでまかなう電力プランを活用している。また、平屋建て一部二階建ての工場の屋根には太陽光発電パネルを設置しており、今後も増設する方針。

設立60周年に向け、家電業界など新規の取引先の開拓を通じて得た新たな知見を生かして事業の幅を広げる

新工場の完成と併せてユージー基材は、設立60周年に向けた会社の新たなビジョンを策定した。これまで蓄積している無機繊維の加工技術の更なる向上と、住宅業界など新規の取引先の開拓を通じて会社の収益力強化を目指す方針だ。「既存事業と新規事業の相乗効果で事業の幅を広げていきたいと考えています。無機繊維の業界でオンリーワンの存在となることを目指して、開発力、提案力、営業力を三位一体でレベルアップしていきたい」と柴田社長は意欲を示した。

蓄積してきた技術の伝承と更なる高みを目指すため、人材の採用と育成、独自の評価システムを採用

ユージー基材は、試行錯誤しながら独自に設備の改良や治具の製作に取り組むことで、取引先からの要望や発注に対する迅速で丁寧な対応を実現してきた。蓄積してきた技術とノウハウを着実に次の世代に伝えていくことと更なる高みを目指すため、人材の採用と育成を重視し、働きやすい職場環境の整備と福利厚生に力を入れている。客観的な評価項目を設けて従業員の成果やスキルを可視化する双方向型の人事評価制度を導入。すべての従業員を対象にしたスキルアップ支援や、異業種から転職してきた従業員のためのリスキリング支援も行っている。

働きやすい職場づくりのため、通信インフラ整備、入出荷管理、グループウェアによる情報共有・チャット・スケジュール・勤怠管理を実施

空調設備を整えた本社と工場全体に通信ネットワークを構築し、どこでもパソコン、タブレット端末、スマートフォンを使って事務仕事や作業に取り組めるようにしている。「これから先も進化したデジタル技術を活用することで、より快適な環境で従業員が仕事に取り組めるように常に職場環境の改善を図っていきたい」と柴田社長は話した。

デジタル機器やデジタルサービスを導入する際は、スマートフォンなどのデジタル端末になじみが薄いベテラン従業員でも使いこなせることを考慮して可否を判断している。入荷管理、出荷管理、スケジュール管理、従業員同士の連絡、決裁に、企業向けのクラウド型ビジネスチャットツールを活用。また、勤怠管理システムを独自で作成し、据付型のタブレット端末で出退勤時の記録を行っている。

企業成長に欠かせない情報セキュリティ 複合機を活用して情報保護とペーパーレス化、更にセキュリティー対策も実施

複合機のアプリケーション機能を活用する様子

複合機のアプリケーション機能を活用する様子

複合機のアプリケーション機能を活用したペーパーレス化を進めると同時に、パソコンからの印刷の指示をそれぞれの従業員ごとに振り分けて複合機に蓄積し、複合機の印刷パネルで確認してから印刷することでミスプリントを防ぐ仕組みを整えている。また、情報セキュリティーのために多種多様な防御機能を備えたUTM(統合脅威管理)機器を活用していることに加え、情報のバックアップ体制を強化するために2025年1月にNAS(ネットワーク接続型ストレージ)を新たに導入した。

従業員のモチベーション向上と働きやすい環境整備のためのオフィスリノベーションは、人材採用にも効果を生んだ

リノベーションしたユージー基材のオフィス。モニターで全体のスケジュール把握

リノベーションしたユージー基材のオフィス。モニターで全体のスケジュール把握

2023年には、デジタル時代に対応したワークプレイスデザインで実績を持つシステム支援会社に依頼してオフィスと会議室のリノベーションを行った。壁紙を新しく貼り換えた上で、配線をすっきりと整え、デザインと機能性を兼ね備えた机とイスを配置した。原料の入出荷の状況を映し出すモニターも新たに設置。パソコンも処理能力が高い新しい機種に切り替えた。「リノベーションで、オフィスと会議室は生まれ変わったようになりました。従業員のモチベーション向上はもちろん、取引先からの評判も上々で、人材募集で面接に訪れた人にも明るい会社の雰囲気をアピールできるといった様々な効果が生まれています」と柴田社長はうれしそうに話した。

リノベーションを施した会議室

リノベーションを施した会議室

福利厚生のため、確定拠出年金制度の導入、法人名義でのフィットネスクラブとの契約、健康に配慮した弁当(200円で提供)などを整備

従業員の健康に配慮した取り組みを可視化するために様々な公的認定を受けている

従業員の健康に配慮した取り組みを可視化するために様々な公的認定を受けている

福利厚生では、確定拠出年金制度を導入して、運用を行う原資となる掛金を毎月、従業員の年金口座に拠出しているほか、法人名義でフィットネスクラブと契約し、従業員が仕事帰りや休日などに自由に利用できるようにしている。また、従業員の健康づくりを重視し、一連の活動を可視化するために2021年、全国健康保険協会京都支部が実施する「京(きょう)から取り組む健康事業所宣言」の取り組みに参画。2024年には働きやすい職場づくりに取り組んでいる企業を対象にした京都府の「京都で働く人の応援団」の認定を受けた。

工場2階に設けている休憩室

工場2階に設けている休憩室

また、健康に配慮した弁当を専門の調理業者から毎日調達し、1食200円で従業員に提供している。落ち着いた雰囲気の中で昼食中に休憩してもらえるように本社に併設した工場の2階には休憩室を設けている。「在職中はもちろん、定年退職した後も元気いっぱいに人生を楽しんでほしいので、従業員の健康づくりには会社としておせっかいを焼いていきたいと思っています」と柴田社長は笑顔を見せた。

ホームページによる情報発信力強化や生産性向上のため原価・生産管理システムの強化を通じて、顧客にとっての縁の下の力持ち的存在へ

ユージー基材の本社の外観

ユージー基材の本社の外観

2024年12月にはホームページをリニューアルし、ガラス繊維をはじめとする無機繊維の特徴や加工技術、加工事例を豊富な写真とともに掲載。採用情報専用のページを設けて、募集している仕事の職種と内容、従業員の声、福利厚生などを説明している。「不確実性が高い時代だからこそ柔軟な発想力を養うことを大事にしています。プロ集団だからこそ可能な無機繊維の提案をこれからも積極的に行っていきます」と柴田社長は抱負を述べた。原価管理システムや生産管理システムにも関心を持ち、将来はバーコードで出荷を管理できるように体制を整えたいという。設備投資と人材育成を通じて無機繊維の業界での高度な対応力を磨いているユージー基材。縁の下の力持ちとしてこれからも日本の産業を支え続ける。

企業概要

会社名

ユージー基材株式会社

本社

京都府久世郡久御山町市田新珠城36

HP

https://www.ugkizai.co.jp

電話

0774-43-1850

設立

1973年6月

従業員数

26人

事業内容

ガラス繊維・機能繊維の加工及び販売

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