建設業(設備)

創業は明治元年 機電事業と建設事業 異なる事業で景気変動に強み、次の時代に備え新たな融合体制へ オキナヤ(埼玉県)

From: 中小企業応援サイト

2025年10月27日 06:00

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電機・電子機器、FA機器などの産業機械を幅広く取り扱う「機電事業」と建築、土木、設備の各種工事を手掛ける「建設事業」。埼玉県北部の熊谷市に本社を置く株式会社オキナヤは、業態の異なる二つの事業部門を持つことで景気の変動に対して強みを発揮してきた。そして顧客工場の新たな生産性改革のため、この二つの強みを生かすことで取引先への提案を始めた。

米穀商、翁屋として1868(明治元)年に創業して以降、160年近い歴史の中で、精米機の製造、農機具の販売、鉄加工、インフラ構築、電気自動車など多種多様な事業を社会の要請に応えながら形にしてきた。二つの事業部門の連携を促進するためのツールとしてデジタル技術に着目し、社内で蓄積してきた技術、知識、ノウハウの更なる融合を図ろうとしている。(TOP写真:オキナヤのホームページ)

強さとしなやかさを兼ね備えた企業として社会の変化を恐れず、常に前向きに挑戦し続ける

オキナヤの本社ロビーに展示されている戦前の屋号を染め抜いた織物

オキナヤの本社ロビーに展示されている戦前の屋号を染め抜いた織物

昭和時代初期に製造されたオキナヤの技術を物語る掛け旋盤

昭和時代初期に製造されたオキナヤの技術を物語る掛け旋盤

オキナヤの本社は、埼玉県熊谷市内の交通インフラや生活基盤が良好な江南地域にある。本社のロビーには会社の年表をはじめ、戦前の屋号を染め抜いた織物や昭和時代初期に製造した掛け旋盤といった会社の文化資産のほか、事業として取り組む電気自動車のサンプルを展示している。オキナヤの歴史は日本の近現代史の縮図といえる。

オキナヤは「最大の誠意、最大の努力、最大の協調」を社是としている。「社会の変化を恐れず、常に前向きに挑戦し続けることを大事にしています。多種多様な高品質の商材を扱い、組み合わせによって、お客様のニーズをかなえる提案力を持ち味に、強さとしなやかさを兼ね備えた企業であり続けたいと思っています」と取材に対応した強瀬憲治取締役・管理本部長はオキナヤの特色を説明するとともにこれからの抱負を語った。

米穀商として創業し、約160年の歴史の中で、現在の機電と建設の二大事業を育成

1868(明治元)年に米穀の卸売から事業をスタートしたオキナヤは、約160年の歴史の中で樹木が成長して枝葉を広げるように事業領域を拡大してきた。精米機や精麦機の製造に取り組んだことが、様々な産業機械を扱うビジネスを展開する上での礎になったという。太平洋戦争末期に本社と工場が空襲で焼失するという大きな被害を受けたが、戦後間もない時期に事業を建て直した。1957年に会社組織を現在の株式会社オキナヤに。地域のインフラを整える水道工事や土木工事を手掛け、産業機械を収める建物の建設や建材の販売に事業領域を広げていった。地域とともに歩み続け、これまでの取引社数は延べ1万社を超える。

機電事業部は、工場設備の省力化、自動化、長寿命化に対する強い提案力が持ち味 建設事業部は、資材の手配から設計、施工、メンテナンスまでワンストップで対応する体制を整えている

産業機械分野の商社として事業を展開する機電事業部は、工場設備の省力化、自動化、長寿命化に対する強い提案力を持ち味にしている。産業用ロボットを始め、バラ積みピッキングシステム、自動検査装置、各種クレーン、レーザー加工システム、画像検査システム、電力監視システム、太陽光発電、燃料電池、コージェネレーションシステムといった多種多様な商材を取り扱っている。取引先の潜在的なニーズを読み取って、最適な生産設備、機器をコーディネートして提案することを大事にしている。AI、様々な機器類をインターネットに接続するIoT、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、DXの社内勉強会の開催や情報収集に取り組み、デジタル技術を活用して工場内の課題解決を図る提案営業にも力を入れている。

建設事業部は、多種多様な建設現場で培ってきた施工力を競争力の土台にし、資材の手配から設計、施工、メンテナンスまでワンストップで対応する体制を整えている。道路、河川、橋梁などの公共工事をはじめ、官公庁、企業の様々な施設、住宅の建設、設備工事のほか、ゼネコンや工務店に対する建築資材の卸売も手掛け、建物の耐震や老朽化についての調査、診断、補修も行っている。

高い専門性を備える機電事業部と建設事業部の連携を強化するために2024年9月に総合営業部を新設 二つの事業部が連携した受注件数の拡大を新たな成長のエンジンに

オキナヤが現在重視しているのが、それぞれが高い専門性を備える機電事業部と建設事業部の連携強化だ。産業機械を販売するだけでなく、機械を据え付ける建物の設計から施工、アフターメンテナンスまでまとめて請け負うことができる体制は、ビジネスチャンスを拡大する上での大きな強みとなっている。例えば、ある企業が大型機械を導入する場合、オキナヤに依頼すれば、機械の選定から設置場所の検討、ピットの設計・施工までワンストップで対応してもらうことが可能だ。

オキナヤの強瀬憲治取締役・管理本部長

オキナヤの強瀬憲治取締役・管理本部長

「二つの事業部はそれぞれの専門性が高いため、事業部の垣根を超えて人事異動や交流を行うことが難しいという課題があるのですが、うまく連携を強化できればこれまで以上の大きな相乗効果が期待できます。二つの事業部が連携した受注件数の拡大を新たな成長のエンジンにしていきたいと考えています」と強瀬取締役は話す。

2024年9月には、機電事業部と建設事業部の連携を強化する目的で、両部門の橋渡し役となる総合営業部を新設した。総合営業部は、それぞれの事業部に所属していたキャリア採用組の従業員で構成。機電と建設が事業部の垣根を超えて共同で対応することを前提に、電気工事を中心に積極的な新規案件の開拓に取り組んでいる。

オキナヤの松浦羊輔総合営業部長

オキナヤの松浦羊輔総合営業部長

設立して約1年が経過し、個々のメンバーが日々の業務を通じてそれぞれの事業部で蓄積してきた知識や技術について学ぶことで、新しい提案力が培われているという。「高い専門知識を持ったメンバー一人ひとりの個性を発揮しやすい雰囲気づくりを大切にしています。機電と建設が互いをサポートし合う機運が徐々に生まれ、大きな手応えを感じています」と松浦羊輔総合営業部長。「従来の取引先を大事にしながら勢いがある業界、企業からの受注を増やしていきたい」と強瀬取締役は話した。

機電事業部と建設事業部は業界向けに特化した異なる業務支援システムを活用 システムの連携が今後の課題

効率的な基幹業務を行う上で欠かせない業務支援システムについて、機電事業部と建設事業部はそれぞれの業界向けに特化した販売管理システムと原価管理システムを十数年以上にわたって活用している。これまで個別に行っていた資材の仕入れ、支払、請求などの業務の連携も今後進め、コストと手間の削減を進めていきたいという。

建設事業部は、十数年前に原価管理システムを導入することによって業務を効率化した実績を持っている。工事予算書の作成時間は3分の1に 2023年にはオンプレミスからクラウドに

オキナヤのオフィスの様子

オキナヤのオフィスの様子

建設事業部は、十数年前に原価管理システムを導入することによってそれまで紙ベースで行っていた原価管理や予算書作成などの業務を効率化した実績を持っている。従来使っていた売上管理システムとも連動できるなど優れた連携機能を持っていることが採用の決め手になったという。

「原価管理システムを導入するまでは、工事予算書などの帳票はExcelで作成し、プリントアウトした後、台帳に綴じて紙ベースで管理していました。必要な帳票を探さなければならない時は台帳を1枚1枚めくって探し、その度に時間をとられていました。台帳は1冊しかなかったので、持ち回りで使うしかないという悩みもありました」と松浦総合営業部長は当時を振り返った。

システムの導入後は、検索機能を使えば瞬時に過去の帳票を表示して出力できるようになった。システムに数字を入力するだけで工事予算書を作成できるようになったので、手作業で作成していた導入前と比較して3分の1程度の時間で済ませることができるようになった。帳票作成に必要な時間が短縮されたことで、受注件数の増加にも負担を感じることなく対応できたという。

2023年にはオンプレミスで使用していた原価管理システムをクラウドに切り替えた。クラウド化したことで、本社に戻らなければこなすことができなかった帳票作成の作業を、現場など本社から離れた場所でも取り組めるようになった。システムの保守管理も運営会社に任せることができるようになったので業務負担を大幅に軽減できたという。

オキナヤは今後も業務のデジタル化やペーパーレス化を進める方針。「現在取り組んでいる事務作業にかかる時間を会社全体でいかに少なくしていくかを今後の重要テーマにしています。人口減少が本格化し、従来の取り組みでは通用しないケースが増えています。前例踏襲主義では生き残っていくことが難しい時代の中で、危機感を持ってデジタル化に対応していかなければならないと考えています」と強瀬取締役は話した。

インバーターやモーターといった電気自動車関連の部品販売や車両の電動化に力を注ぐ

オキナヤの本社ロビーに展示されている電気自動車のサンプル

オキナヤの本社ロビーに展示されている電気自動車のサンプル

脱炭素化に向けた動きが加速する状況下、オキナヤは、環境に優しい電気自動車関連のインバーターやモーターを商材として取り扱うと共に、小型乗用車や特殊車両など多種多様な車両を電動化する事業にも力を入れている。海外メーカーの販売代理店として豊富な製品ラインナップをそろえ、車両メーカーの開発部門を取引先に、要望に合わせた製品の提案や仕入れ先の海外メーカーとの折衝、技術面での問い合わせにきめ細かく対応している。電気自動車の技術は産業用ロボット、工場の中での自動運転システム、身近な場所を移動するモビリティーといった分野に活用できることから、今後も事業の拡大を見込んでいる。

チームで取引先にソリューションを提案する 創業200年に向けて挑戦を続ける

オキナヤの本社の外観

オキナヤの本社の外観

「従業員には経営陣の視点に立って事業を考える姿勢を身につけてほしいと思っています。これまで以上にチーム力でお客様にソリューションを提供できるように、デジタル技術を活用して一人ひとりのスキルと知識を連携しやすい体制を作っていきたい」と強瀬取締役は意欲を示した。座席のフリーアドレス化などオフィスのリノベーションを通じて、全社的なコミュニケーションの強化に取り組んでいくという。

未来DXにチャレンジしているオキナヤは、創業200年に向けて既存モデルの限界を打ち破っていくことを目指し、これからも挑戦を続ける。

企業概要

会社名

株式会社オキナヤ

本社

埼玉県熊谷市江南中央2-17-1

HP

https://www.okinaya.co.jp

電話

048-539-3333

設立

1947年(創業1868年)

従業員数

150人

事業内容

機電事業部(生産設備・機器の販売、電機・電子機器及び部品の販売、諸機械の設計・製作)、建設事業部(建設・土木・鉄骨・電気、空調衛生の諸工事・建設資材の販売及び施工、住宅設備機器の販売及び施工)、鉄工、電気自動車関連事業

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