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館林市全域でごみの収集運搬を一括受託 バックアップ体制構築と地域貢献へ 館林市一般廃棄物処理事業協同組合(群馬県)

From: 中小企業応援サイト

2025年12月12日 06:00

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群馬県館林市に拠点を置く館林市一般廃棄物処理事業協同組合は、市内の一般家庭から排出されるごみの収集運搬事業を、館林市から一括委託されている事業体である。市内7社のごみ収集運搬業者で構成されており、委託事業は30年を超える実績を誇る。同組合は、これまで行政と連携しながら廃棄物処理の円滑化と地域の環境・衛生管理に対する課題に取り組んできた。収集したごみの量や車両の走行距離など、さまざまなデータを月次で報告書にまとめて館林市に提出するほか、各種請求業務も担っている。こうした業務の効率化を図るため、現在はデータの共有化とバックアップ体制の構築に着手している。(TOP写真:館林市内全域で一般家庭から排出されるごみを収集運搬するパッカー車。館林市一般廃棄物処理事業協同組合提供)

市内業者7社で発足 組織力を生かし館林市の委託事業許可を取得

2024年12月に開催された館林市と館林警察署との3者で地域の見守り活動と映像情報の提供等に関する協定締結式(館林市一般廃棄物処理事業協同組合提供)

2024年12月に開催された館林市と館林警察署との3者で地域の見守り活動と映像情報の提供等に関する協定締結式(館林市一般廃棄物処理事業協同組合提供)

館林市一般廃棄物処理事業協同組合は、市内でごみ収集運搬業を営む7社が、それぞれ単独で館林市の委託事業の許可を得ることは難しいと判断し、組織としての力を集結して許可取得を目指すために結成された。館林美化センター株式会社の故:松本耕司氏らを発起人に任意団体を設立。その後、1994年10月に館林市一般廃棄物処理事業協同組合として発足した。初代の代表理事には松本氏が就き、翌1995年4月に館林市から市内全域の一般家庭から出る可燃ごみ、不燃ごみ・資源ごみの収集運搬事業の委託を受けた。

増加、分散化するごみステーションに対応、地図情報システムを導入  組合員各社の枠を超えた応援体制で業務の円滑化を推進

ごみステーションごとに番号を付けた位置情報を組み込んだ地図情報システム

ごみステーションごとに番号を付けた位置情報を組み込んだ地図情報システム

館林市の人口は73,000人余りと漸減傾向にありながら、世帯数は増えている。館林市一般廃棄物処理事業協同組合の事務局に常勤する細田祥子氏は「館林市の方針もあり、ごみステーションは年々増加しています。新設や廃止、移転などを含め、私がここで7年間勤務している間に、100ヶ所以上増えております。人口が減少する一方で、宅地開発が進んでいる地区では、新たにステーションが設置され、集合住宅の建設に伴いステーションが新設され、結果ごみステーションは分散型となり、以前は1ヶ所だったごみステーションが3ヶ所に分かれるなど、どんどん増えてくるといった具合です」と語る。

このため、館林市一般廃棄物処理事業協同組合は2025年から、ごみの取り残しなどのトラブルがあった場合は、組合員各社の枠を超えて応援車両を出動させ、市内全域で対応にあたる体制を整えた。

また、2022年には、ごみステーションごとに番号を付与し、位置情報を地図上に可視化する「地図情報システム」を導入。これにより「ここのごみステーションがすごい状態なので何とかしてほしい」といった住民からの要望に対しても、該当箇所の特定にかかる手間が大幅に軽減されました。以前は、地区は特定できても具体的な場所を見つけ出すのが大変だったとのこと。地図情報システムの導入によって、この問題は解消しつつある。

地域の見守りと映像情報提供について、市と警察との3者協定で地域社会に貢献 子どもたちを対象にした「出前講座」も実施

館林市内の小学校や保育園、幼稚園を対象に、ごみ処理の行政面の取り組みなどを説明する「出前講座」(館林市一般廃棄物処理事業協同組合提供)

館林市内の小学校や保育園、幼稚園を対象に、ごみ処理の行政面の取り組みなどを説明する「出前講座」(館林市一般廃棄物処理事業協同組合提供)

館林市一般廃棄物処理事業協同組合は事業とは別に、地域社会に貢献する活動にも取り組んでいる。2024年12月に館林市と館林警察署との3者で、地域の見守りやドライブレコーダーによる映像情報の提供について協定を結んだ。パッカー車をはじめとして組合員による家庭用のごみ収集運搬業務中の車両は常時40台程度、さらに事業系のごみ収集を含めれば70台程度が市内を回っている。これらはドライブレコーダーを搭載しているのはもちろん、車両に「地域安全パトロール」と明記したステッカーを貼って運行しており、子どもや高齢者の見守り、犯罪の抑止力としての役割に加えて、画像データの提供を通じて、地域の安全維持に貢献している。

また、市内の小学校や保育園、幼稚園を対象に、ごみ処理の行政面の取り組みなどを説明する「出前講座」を2025年から始め、10月までに4回開催した。具体的には館林市のごみの状況をスライドで紹介したり、実際のパッカー車を展示して、子どもたちにごみに対する理解を深めることに努めている。細田氏は「子どもたちの知識欲は旺盛で、子どもたちが出前講座で学んだことを、それぞれの家庭に持ち帰って話してもらうことが大事です。出前講座は地域全体のごみに対する理解を高めるうえでも、非常に意義のある活動と考えています」と語る。

事務局の業務効率化に向け、ネットワーク接続ストレージ(NAS)を導入し、データの共有とバックアップ体制を整備

館林市一般廃棄物処理事業協同組合が現在取り組んでいるのは、事務局による一段の業務効率化だ。協同組合の事業としては館林市から一括委託されている家庭用のごみの収集運搬に加えて、事業系のごみの収集運搬事業も手掛けている。事業系ごみとは店舗や企業、工場、事務所など、営利目的の事業体だけでなく、病院や学校、行政機関など、公共性のある施設から排出される一般ごみに当たる。

事業系ごみについては、実際に館林市市役所、厚生病院、学校関係などの公共関係に加え、民間企業からも、ごみ収集運搬業務を請け負っている。このため、館林市に提出する報告にとどまらず、多様な契約先に対する報告データも膨大になる。請求業務については、一部の組合が事業系ごみに関して自社で対応していますが「全体の約7割は事務局で対応しています」(細田氏)という。また、大手企業の場合は日時単位での詳細な実績報告が求められる。事務局はこれらに加え、組合員各社に委託業務費を振り分ける作業も行っている。

こうした背景から、2025年8月より、事務局内で新たにデータの共有化とバックアップ対策の整備に取り組み始めた。事務局では、ネットワーク接続ストレージ(NAS)を導入、データを一元管理し事務局内で共有、また、業務用パソコンのデータバックアップの仕組みも整えた。「以前はUSBメモリを使ってデータの共有やバックアップをしてきた。容量が不足したり時間もかかっていた。NASの導入によって作業がすごく楽になった」と細田氏は目に見える導入効果を語る。

NAS導入のきっかけは古い業務用パソコンの不調でした。「業務用パソコンから複合機まで事務局のデジタル環境を一新しよう」となったことから、データの共有化とバックアップ対策の整備に踏み切った。まずは複合機を更新、新たに業務用パソコン2台を導入。これで新旧3台の体制とし、NASによるデータ管理をスタートさせた。

今後の課題はドライバーの労務負担の軽減と住民サービスの向上につながる地図情報システムの改善

館林市一般廃棄物処理事業協同組合の事務局が入る館林商工会議所

館林市一般廃棄物処理事業協同組合の事務局が入る館林商工会議所

現時点で、地図情報システムを活用しているのは館林市役所と館林市一般廃棄物処理事業協同組合の事務局のみ。ごみステーションの情報は、組合から組合各社にメールやFAXで配信して対応している。

「費用面の課題はあるが、次のステップは組合員各社に導入することを考えております。今はパッカー車のドライバーの殆どがスマートフォンを携帯している時代です。ごみステーションの番号を入力すれば、スマホで地図表示できるようなツールがあれば理想です。」
ドライバーがスマートに位置情報を把握できるようになれば、現場の労務負担も減り、事務局、組合員各社の業務負担も軽減できる。そして、苦情処理への迅速な対応にもつながり、住民サービスの向上にもつながる。

現状で館林市一般廃棄物処理事業協同組合の事務局のICT化への取り組みは始まったばかりだ。ICTによって目に見える形で改善に向かえば、一段の業務向上につながる。その成果が今後、期待される。

企業概要

組織名

館林市一般廃棄物処理事業協同組合

住所

群馬県館林市大手町10番1号 館林商工会議所3F

電話

0276-75-6363

設立

1994年10月

従業員数

20人

事業内容

一般廃棄物収集運搬処理事業

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